中部(ダナン・ホイアン・フエ)の治安

近年日本人旅行者の間で話題となっているのが、ベトナムの中部地方。リゾート開発がすすみ、一大ビーチリゾートとして成長したダナン。さらに南北には世界遺産のホイアンとフエの2都市を抱え、旅行者はこのうちの1~2都市を観光することになります。

そこで気になるのが現地の治安状況。他の国のリゾート地と比べ、ベトナム中部はここ数年で日本人に知られてきたばかり。現地情報が少し乏しい気がします。今回は初めてのベトナム中部旅行であれば、必ず読んでほしい現地の治安状況をご説明いたします。

ダナンの治安状況

DSCN8821.jpgダナンの中心地。バクダン通り

多くの旅行者が滞在の拠点とする「ダナン」。市街地中心部にはハン市場やダナン大聖堂、チャム彫刻博物館といった観光名所が並び、ハン川にかかるドラゴン橋やソンハン橋を越えた先にはミーケービーチが広がります。ダナン大聖堂からビーチまでは車で15分程度と近距離のため、「市街地にビーチが広がるリゾート地」として近年話題となっています。

そのダナンの治安状況は「良好」。ベトナム人に全国の治安状況を質問してみても、「ダナンの治安が一番いいのでは」、「私はダナン出身。ハノイやホーチミンは治安が悪いから、将来はダナンに戻りたい」という意見も普通に聞かれます。

IMG_6858.jpgバクダン通り沿いのカフェ

中心市街地やビーチエリアであってもそれほど人口密度は高くないですし、車やバイクの交通量も少なく、それでいて遊歩道も整備されているので、子供を連れて散歩するにも最適。ハノイやホーチミンではこうはいきません。また、「ダナンのタクシー運転手は親切」という現地のベトナム人、在住日本人も多くいます。ハノイやホーチミンといった大都市との比較にはなりますが、ぼったくりの度合いも低く、気持ちのいいショッピングができるでしょう。

市場はスリに気を付けて

しかし全国どこでも気を付けなければならないのが、「市場」です。特に午前中の市場は非常に込み合っていて、行き交う人とぶつかったり密着された拍子にバッグやズボンから財布を抜き取られても、正直いって気づきません。

ダナンであればハン市場とコン市場が観光スポットにもなっていますが、いずれも大規模市場なので、中には観光客を狙ったスリ犯もいる可能性が高いです。貴重品や大金は持ち歩かない。財布はズボンのポケットには入れない。ポーチは服の下に隠しておくといった対策を考えておきましょう。

[local, 33]

ホイアンの治安状況

IMG_8723.jpgホイアン旧市街

続いてご紹介するのは、ホイアン。クアンナム省の都市であり、人口12万人程度の小さな町ですが、その内の一画が歴史保護地区としてユネスコ世界遺産に登録されています。旅行者が訪れるのはこの旧市街全体からクアダイビーチにかけて。いずれも治安はダナンと同様に良好ですが、歴史保護地区は観光区なので、お店のぼったくりやスリといった被害は少なくありません。

IMG_2439.jpg夜のホイアン歴史市街

一部の雑貨店では高値を言うお店もありますので、まず最初にいくつかお店を覗いて、相場を確認するところから始めましょう。また、シクロやバイクタクシーも相場以上の料金、チップを要求してくることもありますので、毅然とした態度で断ることが大切です。ただし、それ以外に通常の観光中にトラブルに巻き込まれることはほとんどないといっていいでしょう。

特に夜に気を付けて

ホイアンで気を付けなければならないのがスリです。そのスリ犯が活動するのが主に夜。治安はいいと言っても、スリやひったくり、置き引きといった軽犯罪はありますので、旅行者は注意してください。ホイアンでは毎夜日本橋とアンホイ橋周辺で灯篭流しがあります。21時前後までかなりの人数の観光客でにぎわいますし、旧暦14日に開催される旧正月はそれ以上の込みよう。人込みに紛れてスリ犯も多く、実際現地ニュースで注意喚起をしていますし、旅行者の口コミでスリの被害に遭ったという人も少なくありません。

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フエの治安状況

DSCN8404.jpgカイディン帝廟

フエは新旧市街地に点在する阮(グエン)王朝の歴史跡がユネスコ世界遺産に登録されています。ダナンやホイアンよりものどかな町並みで、観光客が最も多い新市街地であっても、ゆっくりと時間が流れているような感覚を覚えます。今回紹介する3都市の中では、最も治安はいいと言えるでしょう。一週間以上長く滞在していても、「一度も犯罪らしいものに巻き込まれたことも、遭遇したこともなかった」という声も続出。

IMG_6000.jpg旧市街。シクロ乗りが客待ちをしている

治安が悪いスポットをあえて言うなら市場と夜のファングーラオ通り。市場周辺スリ犯だけではなく、相場の何倍もの高値をふっかけてくる行商も多くいると報告されています。ファングーラオ通りは欧米人旅行者が集う小さなバックパッカーのようなエリア。エリア内にはナイトバーがいくつもあり、酔っぱらった観光客が多く行き交いますので、からまれる可能性も否めません。

それでも治安は非常にいい

とはいえ、治安は中部の中でも一押しにいい部類。スリやぼったくりなどもこちらが対策をすることができるため、回避不可能のトラブルに見舞われることはそう滅多にありません。また、観光客が集う観光スポット内は非常広い敷地を移動するので、スリは働くことができません。

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ベトナムの中でも取り分け治安が良好

今回紹介したように、ダナン、ホイアン、フエの3都市は、ハノイやホーチミンといった観光都市と比べると、非常に町の治安は良好です。治安が悪いエリアというのは郊外なので、普通の観光客は立ち寄りませんし、移動の基本はタクシーとなるので、道中トラブルに遭うことも稀です。スリ対策さえしっかりと押さえておけば、楽しい観光ができるのが中部旅行の魅力です。

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