ベトナム旅行でおすすめの予防接種

ベトナム旅行では予防接種事情についても知っておく必要があります。今回紹介する予防接種は4つの感染症ウイルスに対して。いずれも旅行者が危惧しなければならない病気であり、なおかつ最も有効な対策が予防接種となります。ここで紹介する4つすべてを受ける必要は必ずしもありませんが、できるだけ多く受けておくのが万全な旅への第一歩となります。

予防接種は一回では終わらない

これは予防接種を受ける上での大前提となる知識です。予防接種は一度受けておしまいではなく、ほとんどは3回ないし4回、指定された期間を空けて打たなければなりません。ですので、ベトナム旅行を計画している日から逆算して予防接種のスケジュールを考えましょう。

ただし、規定回数打たなければまったく効果がないというわけではないので、仮に2回しか打てなくとも、一定の効果は望めるはずです。大切なのは、海外旅行に対しての意識、リスク管理です。

1、おすすめ予防接種:破傷風

IMG_3791.jpgホーチミン郊外。マングローブの森

破傷風は主に土や沼など土壌に生息しているウイルスです。傷口から侵入して発症します。ベトナムは近年著しい発展を見せるものの、それは都心部に限ったことで、郊外に出るとまだまだ素朴な田舎風景が広がっています。舗装されていない道路を歩くときは注意が必要です。

日本で育った方であれば、幼児の頃に3種もしくは4種の混合ワクチンを打っているはずなので、20代前半までは抗体があります。20代半ば以降の方は、抗体がないので、もう一度打つ必要があります。予防接種の回数は3回で、初回と3~4週間後、そして一年後となります。長丁場となるので、3回すべて打つのは難しいですが、1回から2回は打っておきたいところです。

2、おすすめ予防接種:A型肝炎

IMG_3644.jpgホーチミンの隣町のドンナイ省

A型肝炎は不衛生の食事の経口摂取によって感染するウイルスで、南米東南アジアといった発展途上国でよくみられる病気です。ベトナムの水は浄水が発展していないので、生で飲むことはできません。また、氷も井戸水を凍らせている可能性も高いので、レストランであっても一概に安全とは言えません。

A型肝炎の予防接種は計3回。初回を打ったあとは2週間~5週間後を目安に2度目を打ち、さらに半年後に3度目を打って終了です。3度目まで終えると、5年間の抗体がつきますので、東南アジア旅行好きの方は、優先順位の高い予防接種といえます。

3、おすすめ予防接種:B型肝炎

IMG_3656.jpgガソリンを売る屋台もある

B型肝炎はA型と同じ肝炎。つまり肝臓が炎症を起こす疾病です。主に血液と体液から感染します。血液は使いまわしの医療器具によって、体液は買春など風俗で感染します。症状は風邪に似ているので分かりづらく、またすぐに発症はしません。

予防接種は全部で3回打つ必要があり、初回、4週間後、最後は半年後です。一度打てば3年は抗体がつきますが、体質によって抗体が3回ではつかない人もいます。念には念を押して、3回終了後に抗体検査を受けてみると確実です。

3、おすすめ予防接種:狂犬病

IMG_0173.jpg最も恐ろしい病気といってもいい

「ベトナム人は犬肉を食べるので、野生の犬はいない」などと冗談で言われたりしていますが、実際はよく見かけます。また、食堂や屋台などでも血色の悪い犬が徘徊していますので、くれぐれも近づかないようにしましょう。また、狂犬病は非常に怖い病気で、脳に近い部位に噛まれれば、それだけ致死率が上がります。一度狂犬病に感染し放置したら、致死率は100%。犬にかまれた場合は必ず病院で検査を受けて、必要なら注射を摂取してください。

予防接種は計3回。1年以内3回打ちます。また、狂犬病に感染後は、28日以内に5回ワクチンを接種することによって完治します。犬に噛まれた場合はただちに病院へ直行してください。ちなみに、涎を垂らしていたり、凶暴な犬ほど狂犬病を持っている可能性が高いです。

短期滞在でも予防接種はできるだけ打ちたい

短期旅行者にとっては、予防接種と海外旅行保険はどうしても疎かになりがちです。「4日間だけだから、大丈夫だろう」と考えてしまいがちですね。しかし、感染するかしないかは運次第。10年ベトナムに住んでいて、一度も感染しない人もいれば、1日だけの滞在で感染してしまう人もいます。期間は関係ありませんので、できるだけ予防接種は打っておくようにしてください。

なお、予防接種は現地の病院でも打つことはできます。ただし、ワクチンの製造会社が異なるため、できるだけ同じ病院で打っておくのが望ましいといえます。

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