ベトナムで危険な病気・疾病・感染症

海外旅行においては、現地の治安は誰もが気になるところ。しかし、それと同時に疎かにしてはいけないのが、疾病です。特に感染症ウイルスは世界各国で蔓延していて、ベトナムでも感染したら危険な病気はいくつもあります。中には命に関わる重大な感染症もあるため、旅行者はそれらを事前に知っておく必要があります。

今回紹介するのはベトナムで危惧しなければならない感染症です。ベトナムだけではなく、東南アジア諸国においても同様のことが言えますので、旅行者は必ず用意周到の上でベトナム旅行に臨んでください。

A型肝炎の原因と症状、解決策

IMG_7648.jpgニャチャンの中心市街地。露出高い服装に注意

原因

A型肝炎の主な原因は経口による食品摂取です。感染症ウイルスが口から入って、肝臓にとどまり増殖をして、肝炎を引き起こします。主に不衛生の食品や飲み物が原因なので、清潔な日本ではほとんど感染症を起こす人は見られません。ただし、ベトナムはご存知の通り、屋台や食堂など不衛生のところが多く、ここで食事をすることによって、A型肝炎に感染する患者が絶えません。

症状

発熱(38度以上)、全身の倦怠感、吐き気、下痢などが主な症状です。

解決策

予防接種、不衛生な食品を摂取しないこと。
日本人は日ごろ不衛生な食品を摂取していないので、他の人よりも感染しやすいとも言われています。屋台や食堂料理も旅の楽しみの一つですが、無茶な食べ方はしないことや、見るからに汚い店では食事しないといった自己管理も必要となります。

B型肝炎の原因と症状、解決策

IMG_2843.jpgあまり見られないが、必ず知っておくべき病気だ

原因

肝炎はA型~C型まで考えられますが、A型肝炎の次に多いのがB型肝炎です。B型肝炎ウイルスは、主に血液と体液によって感染するウイルスで、多くの旅行者は病院、もしくは買春などによって感染します。病院の場合は、医療器具の使いまわしなどによる血液感染が懸念されます。

症状

同じウイルス肝炎なので、症状はA型肝炎と同じで、38度以上の発熱や倦怠感、嘔吐、下痢などが挙げられます。いずれも風邪の諸症状に似ているので気づかないことも多いです。

解決策

予防接種、衛生面に配慮した病院の選択、買春はしない。

アメーバ赤痢の原因と症状、解決策

IMG_8249.jpg食堂料理は注意が必要

原因

東南アジアではお馴染みの感染症ウイルス。衛生管理が行き届いていない食堂屋台料理や、水などでも感染します。

症状

期間中は水状の下痢とな、1日何十回もトイレに行くことになります。滞在期間中に最も発症しやすいといっても過言ではない病気で、我慢できない腹痛の場合は入院することになります。

解決策

衛生に考慮された食事の接種。生水や氷は飲まないことも大切です。また、生野菜も潜んでいる可能性があるので注意が必要です。よく火が通った料理を選ぶようにしてください。ちなみに予防接種はありません。

腸チフスの原因と症状、解決策

IMG_9428.jpg屋台料理は細心の注意を......

原因

日本では滅多に見かけなくなりましたが、ベトナムのような新興国では比較的よくある感染症ウイルスです。腸チフスはアメーバ赤痢やA型肝炎と同様、衛生のよくない食事や飲料の経口による摂取で感染する病気です。

症状

38度以上の高熱が続き、倦怠感、関節痛などが発祥します。A型肝炎や他の感染症ウイルスとほぼ似た症状なので、病院の検査の上、明確な区別が必要となります。

解決策

旅行中は屋台や食堂といった衛生面の悪い食事には気を付けること。生野菜や生水、氷にも注意が必要です。感染から発症までは2週間程度かかるため、多くの旅行者は帰国後に発症することになります。

デング熱の原因と症状、解決策

IMG_9172.jpgハノイの旧市街

原因

日本でも近年時折見るようになったデング熱。蚊を媒介にした感染症ウイルスで、ガイドブックなどでは主に山岳地帯への旅行で注意と記載がありますね。ただし、ベトナムではハノイやホーチミンといった都心部でもデング熱患者が報告されています。

症状

風邪の諸症状に似ていますが、通常よりもかなり重病と思ってください。発熱は40度近く上がることもありますし、関節痛もかなり痛みます。また、稀に「デング出血熱」に発展することもあり、その場合は体から出血が発生し、命を脅かす危険性も高くなります。

解決策

虫よけスプレーはマストアイテム。また、観光中は長袖長ズボンを着用して露出を避けてください。ホテル内や就寝中も蚊が入ってくることがありますので、寝る前に体に虫よけスプレーを塗布しておくといいでしょう。

日本脳炎の原因と症状、解決策

IMG_9435.jpg東南アジアにも広く分布している

原因

日本で初めてウイルスが見つかったことからこの名前がつきましたが、現在では東南アジアを中心に広く分布しています。日本脳炎ウイルスを持つのは、デング熱と同様に蚊が基本です。田園、沼地、水田といった田舎に生息する蚊が主ですが、近年ではデング熱同様、ウイルスを持った蚊が都心部でも見られるようになりました。

症状

高熱や頭痛、痙攣、意識障害など重度の症状が特徴です。四肢の麻痺なども典型的な症状で、これらの症状が重ければ致死率も高い傾向にあります。また、幼児を中心に完治しても後遺症が残ることもあります。

解決策

予防接種が一番の近道ですが、デング熱と同様外出先やホテル内、就寝中もできるかぎり肌の露出を避けるようにしてください。

破傷風の原因と症状、解決策

IMG_1074.jpg日本では予防接種により撲滅された

原因

泥や土といった地面に潜む感染症ウイルス。転んでできたすり傷など感染します。日本では幼児のときに予防接種を打っているので、基本かかることはありません。ただし、20代半ば以降になると、予防接種の効果が切れるので、再度打つ必要が出てきます。

症状

症状は最初は気になるほどではない倦怠感や肩こり、不眠といった症状かはじまり、この時点はまず気づくことはありません。しかし、日数が経過するごとに、痙攣や発語障害など重度の疾病が発生します。呼吸困難、血圧変動など重症化すると、死亡率も総じて高くなります。

解決策

基本は予防接種によって、対策が可能です。山岳地帯など舗装されていない道を歩くときは、転ばないよう注意するとともに、傷を負った場合は、迅速に消毒洗浄を行い、絆創膏を貼って対応してください。

流行の病気もある

2016年に世界各地で患者が見つかっているジカ熱、鳥インフルエンザといった病気もベトナムでは懸念されています。海外渡航する前には外務省の「海外安全ホームページ」を確認しておくといいでしょう。

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