10月、11月、12月の時期は日本では3連休がちらほらとあり、また12月は年末近くなると休暇に入り海外旅行者も急増します。しかし、この時期は北部、中部、南部ともに雨季。12月に入ると雨季の終わりとなり、雨降りの日数は少なくなりますが、まだまだ乾季とは言えない天気が続きます。
そこで、10月~12月にかけてベトナム旅行を検討している方向けに、この時期におすすめの観光エリアをご紹介したいと思います。
北部がおすすめ。ベストシーズンを迎えるエリアも
この3か月間のおすすめエリアは「北部」となります。中部はダナンを拠点にホイアンやフエといった世界遺産巡りが魅力ですが、この時期は台風もあって道路が冠水して非常に危険。海水浴などもってのほかです。冬の日本海のような荒波とどんよりとした天気となります。南部は徐々に雨季の出口にさしかかります。ただ、1月以降は南部のベストシーズンの到来となるので、できればもう少し待ちたいところ。
おすすめエリア:政治のおひざ元。ベトナムの首都「ハノイ」
北部エリアは首都ハノイを中心に置き、ホアンキエム湖を観光の拠点とするのがいいでしょう。10月~12月はハノイも雨季には変わりませんが、この時期は日本の秋に相当すると言われていて、日によっては澄み切った美しい青空が広がります。また、降水量もホーチミンと比べても少なく、また気温が低くなる冬のシーズン前ということもあって、「北部旅行のベストシーズンは10月から12月だ」という人も多くいます。
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ハノイの市内観光では、政治と芸術の町と呼ばれるにふさわしい時間をおくることができるでしょう。ホアンキエム湖やタイ湖といった湖畔を散歩して穏やかな日常に心癒されてもいいですし、ホーチミン廟や博物館で英知を養うのも。女性博物館やホアロー収容所といった名所は国外からも高く評価されていて、ベトナムの歴史や風俗、たくましく生きるベトナム人女性の様子を見学することができます。
旧市街でノスタルジーを感じる
ホアンキエム湖を北上したところに広がる旧市街は、かつてタンロンが首都であったときの一大商業都市。城下町のようなエリアだったと言われています。現在でも趣ある佇まいの旧家が並び、ふと昔懐かしい下町レトロを感じることができます。旧市街の入口周辺はスパやマッサージ店、雑貨店にカフェ・レストランといった観光客向けの商店が軒を連ねていて、一泊2000円以下の安宿、ゲストハウスもたくさんあります。
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旧市街北部にはドンスアン市場という巨大屋内市場が堂々と建ち、お土産雑貨もここで手に入れることができます。また、この周辺には政府に深夜営業を認められた屋台や食堂がありますので、夜食の食べ歩きにもおすすめできます。週末はナイトマーケットも開催され、多くの現地人と観光客でにぎわいます。数百の屋台が並び、ベトナムらしい活気を肌で感じることができます。
ベトナムで一番おいしい?北部料理に舌鼓。
海外旅行では「食」の楽しみも醍醐味の一つ。ほかの東南アジア諸国と異なり、ベトナム料理は辛くはありません。一部料理はクセがあり賛否両論ありますが、ほとんどはおいしくいただくことができ、日本人の舌にも合うかと思います。北部や中部、南部では味付けが異なり、北部料理は素材の旨味を引き出す調理法を得意とすると言われていて、「ベトナム料理で一番おいしいのはハノイ」というベトナム人も多いです。
北部名物、およびベトナムの定番料理は旧市街やホアンキエム湖、ハノイ大教会周辺のレストランで食べることができます。ちなみにベトナム料理の代名詞的存在である米粉麺の「フォー」は、北部が発祥。ベトナムグルメを追求する旅もいいかもしれませんね。
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郊外エリアに行こう。世界遺産ツアーも
郊外エリアへ行く場合は、車をチャーターするかツアーに参加するかがおすすめです。最寄りの郊外観光といえばバッチャン村。外国人がそろって買っていくベトナムの伝統陶磁器であるバッチャン焼きが作られる唯一の村です。人口の8割以上は何かしら陶磁器関連の仕事を担っているといわれている、由緒正しき陶磁器の村。
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一方ハノイ市街地から南下すること2時間ちょっとで辿り着くのは世界遺産のあるニンビン省。チャンアンの景勝は世界遺産に登録されているほか、「陸のハロン湾」と呼ばれるタムコックも日本人観光客に人気があります。さらに南下すれば、ベトナム最大の世界遺産ハロン湾を見ることができます。十数社の旅行会社がクルージングツアーを催行しています。日帰りから船中泊までツアー内容も多様なので、期待していきましょう。
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ただし、11月頃から気温は20度を下回る日が続くので、朝と夜はジャケットを着る必要が出てきます。ベトナムだからといって半袖短パンは命取りなので、防寒対策もお忘れなく。
おすすめエリア:中国の国境近く。「サパ」で少数民族を交流
サパまでは距離があるので、最低でも3泊以上のベトナム滞在が必要です。ハノイからは1日数本の列車がでていて、まずはラオカイと呼ばれる町まで9時間程度かけて向かうことになります。ラオカイからサパまでは乗り合いタクシー(バン)で1時間ちょっと。でこぼことした山岳地帯を走るので、体感はもうちょっと長いです。
ようやくたどり着いたサパは、標高1600mの山岳高原地帯。素朴な家々が並ぶ田舎町といったところですが、観光客が多いので、外国人向けのゲストハウスやレストランも多々見受けられます。
サパ観光の醍醐味!山岳民族と交流
サパの市街地は想像以上に開けていますが、それと同時に想像以上に少数民族の方々が堂々と町を歩いています。モン族、タイー族、ザオ族、ムオン族などがこの山岳地帯に暮らしていて、中国の雲南省まで広く分布しています。マーケットや道端でお店を開いて、自分たちの民芸品を売る少数民族の彼らは、すっかりと外国人慣れしている様子。
トレッキングツアーが大人気!
サパといえば、多くの旅行者が参加するトレッキングツアーが人気です。日帰りで少数民族と触れ合ったり、見晴らしのいい景勝地で食事をとったりします。一泊ツアーでは彼らの家にホームステイすることも可能。アジア好きには一生の思い出となる時間を満喫することができます。
ちなみにこのトレッキングツアーは旅行者にとって定番とはいえ、いささかハードな道のりとなります。特に女性の方は動きやすい服装に加え、ヒールやサンダルは厳禁。滑りやすい岩場や小川、畦道などを歩きますので、スニーカーを用意しておきましょう。彼らとの触れ合いでは、言葉は通じなくとも笑顔やジェスチャーだけで意思疎通ができるから不思議。日ごろのストレスがちっぽけなことに思えます。
11月以降は山岳地帯ダラットもベストシーズンを迎える
北部以外では11月以降に中南部ダラットがベストシーズンを迎えます。ダラットもサパと同じく山岳高原地帯で、少数民族のコホー族と交流することができます。愛の都とも呼ばれ、ベトナム人のハネムーン先として支持されている花豊かな町。
ダラットまではホーチミンからバスで6時間程度。空路だと1時間ほどで到着しますが、空港からダラット市街地まではタクシーで40~50分走る必要があります。サパもダラットも標高の高い山の麓の町なので、天気が変わりやすいのが特徴。「晴れたらここ、雨だったらこっち」とその時々によって臨機応変に観光プランを変更するようにしてください。
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