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中国の下町風情漂う「チョロン」

中華街は世界各国どこにでもあります。日本では横浜に大きなチャイナタウンがありますね。煌びやかなネオン看板が並び、高級中華レストランや伝統舞踊を鑑賞できる劇場、テーマパークもあります。しかし、これは本当の中国でしょうか。ベトナムの中華街は、日本とはまるで異なります。下町の香り漂うローカルな町並みが続き、雑多な通り、人々のざわめき、飛び交う中国語とベトナム語。その雰囲気にはじめは圧倒されるかもしれませんが、慣れてくると、不思議と居心地がよくなります。そんなベトナム最大の中華街「チョロン」の概要を今回紹介します。

アクセス

ホーチミンの1区(市民劇場や統一会堂のあるエリア)から、タクシーに乗って15分から20分。中華街に明確な区分けはなく、徐々に中国漢字の看板が見えてきたら、中華エリアにはいったことを意味します。市場や寺院といった観光客向けの名所が多い場所は、チョロンバスターミナル周辺となりますので、タクシーにはバスターミナルもしくはビンタイ市場まで向かってもらいましょう。

チョロンは呼称

チョロンとは日本語で「大きい市場」。標識にもチョロンの文字はありますが、正確には呼称であり、5区から6区にまたぐエリアの中で、華人が多く暮らしている地域をチョロンと呼んでいます。

トイレは期待できない

東南アジア旅行の経験者であれば、なんとなく予想できるかと思いますが、チョロンでトイレは期待してはいけません。冷房の効いたお洒落カフェではトイレも清潔ですが、それ以外は便座とトイレットペーパーがほとんどありません。できるだけホーチミンで済ませておきたいところです。

昼間の観光の注意点

最近はちらほらと見かけるようになりましたが、チョロンにはまだまだ冷房付きのお店が多くありません。熱中症対策として、日焼け止めやサングラス、帽子、水分補給などは怠らないように。また、最も暑くなる日中は観光を避けるのも。午前中の早い時間か、夕暮れ前だと比較的散歩しやすいでしょう。

夜の観光の注意点

チョロンは治安が悪いエリアとしても知られています。特に混雑する市場ではスリに気を付けてください。また、夜遅くの市内散策もあまりおすすめしません。特に人の気配がない通りや路地などは避けてください。

チョロンの名物はやっぱり......

IMG_6493.JPG飲茶(ヤムチャ)は広東料理の王道

チョロンで食べたい名物料理といえば、「やはり中華料理」。華人が作る本場の中華はどれも舌鼓を打つことができます。ただし、小奇麗なレストランはあまりなく、そのほとんどは衛生に注意したい食堂ばかり。生野菜や水を接種しない限りは大丈夫かと思いますが、心配な方や胃腸が弱い方は、チョロンでは観光に徹して食事はホーチミンに戻ってからとるのもいいでしょう。

布市場を歩く

DSCN6720.JPG業者も個人も訪れる一大問屋街

1区からチョロンまで続く「チャンフンダオ通り」ですが、チョロン中心の通り沿いには数十の生地の問屋が並ぶエリアがあります。業者がまとめて買ったり、個人客がメートルで買ったりします。ここで生地を買って、オーダーメイドのショップに持っていくこともできます。買わずとも歩くだけでも雰囲気を楽しめるので、観光してみてください。周辺には、この他にも「バイクの修理通り」、「文房具通り」などもあります。

[local, 262]

チョロンの観光名所

チョロン現地では、町中を散策して異国情緒を楽しむだけではなく、名所も巡っておきたいところです。チョロンは多くの華人が暮らしていますが、町中は仏教寺院とカトリック教会が混在する不思議な光景を目にします。ここではチョロンの名所を紹介します。

市場

DSCN7400_R.JPG市場は早朝が特に賑わう

チョロンには市場がいたるところに点在していますが、観光客が立ち寄って楽しめるのは、「ビンタイ市場」、「キムビエン市場」
、「アンドン市場」、「サータイ市場」です。またバスターミナルの横で果物と野菜市場が午前中は開催されています。特にビンタイ市場はチョロンの象徴。ベンタイン市場に劣らない大規模な屋内市場で、外国人旅行客も多くいます。ただし、こちらはアンドン市場と同様に卸売り市場となるので、客は業者がメインです。

キムビエン市場は生活雑貨を扱う屋内市場で、ローカルな雰囲気を味わうことができます。ビンタイ市場から徒歩で行けるので、こちらも併せて行ってみてはいかがでしょうか。サータイ市場は通りの一角で毎朝開かれる小さな市場ですが、フランス映画の「愛人/ラマン」のロケ地になったことから、現在でも根強いファンがロケ地巡りに訪れます。

[local, 216, 414]

チャータム教会

CIMG2826.JPGキリスト教幼稚園が併設している

中華の雰囲気が漂う中、聳え立っているのが「チァータム教会」。別名ザビエル教会とも呼ばれています。ここ中華街でもカトリック教徒は多くいます。こちらもビンタイ市場から歩いて行けるほか、見学は自由です。

仏教寺院

IMG_1935.JPG派手な装飾と螺旋線香は中華寺院の証

チョロンエリア内にある寺院は、そのほとんどが中華色に染まっています。これみよがしの派手な装飾が壁面や柱といった随所に施されていて、西遊記や関羽、ドラゴンに仙人といった中国伝説の絵画や像、螺旋線香など、中華文化を象徴するものがいたるところに見ることができます。

チョロンエリアの中心にある寺院といえば「ティエンハウ寺」、「オンボン寺」、「オンラン會館」、「ギアアンホイクアン寺」の4つがおすすめ。チョロン郊外であれば、「覚林寺」と「ヤックヴィエン寺」を押さえておけばいいでしょう。

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チョロン観光を楽しむコツ

チョロン観光は、ホーチミン旅行においてマストの観光エリアではありません。しかし、下町に暮らす華人とベトナム人の素朴な生活様式を垣間見ることができる貴重な機会となるので、ベトナムをもっと知りたい人は観光してみてください。

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著者プロフィール

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ペンネーム: サイゴンの便り
学生時代にベトナムの民話と民族を研究して以来、毎年一回はベトナム旅行を楽しむように。そして、2011年に念願だったベトナムへの移住が決定。現在はトラベルライターとして、ベトナム各地の観光情報を読者にお届けしています。旅行者が寄り付かないようなローカルエリアに住んでいるので、毎日のんびりとした素朴な時間をおくっています。趣味はバドミントン。

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