ベトナムにはまだ手付かずの自然が、都心のすぐ傍らに広がるエリアがあります。中部ビーチリゾートのダナンもその一つ。車でわずか20分から30分の場所にあるハイヴァン峠は、日本の人気旅番組でも紹介されるほどの美しい景色を眺めることができます。
さらに、このハイヴァン峠はベトナム戦争の戦争遺跡であるトーチカが残されていることでも有名。こちらも歴史学習のため訪れてほしいところです。
アクセス
ハイヴァン峠はダナンの中心市街地から車で20分から30分ほど北方に向かったところ。ダナン⇔フエに行く道中にある峠です。
一昔前までは、この峠を越えなければフエへ行くことはできませんでしたが、現在はトンネルが開通されているため、意図的でなければ立ち寄ることはなくなりました。
ハイヴァン峠の麓を目指して
ハイヴァン峠は通常は車で行くことになりますが、実は列車も通っています。ベトナムらしい単線のスチーム機関車で、ゆっくりと山を周回して麓を降りたランコー村、もしくはダナンまで走ります。
もしダナンからフエに個人で行く方は、遠回りになりますが、このハイヴァン峠を通ってみるのはいかがでしょうか。時間的には1時間ほどロスしてしまいますが、それだけの価値は十分あるはずです。
美しい自然風景が広がる
峠の正面に広がるのは、海ではなく礁湖となります。ラグーンと呼ばれるもので、海水が流れ込む水位が低い湖です。目下には単線が見え、ここを列車が走るものなので、車窓を流れる景色は息を呑む美しさがあります。テレビ朝日「世界の車窓から」でも紹介されたほどの自然風景に目を癒されて行ってください。
礁湖の傍に広がる町は、「ランコー村」と呼ばれていて、旅行者にとっては漁村風景の見学や、礁湖の水上レストランでシーフードを食べたりといった、素朴な観光散策を楽しむことができます。
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戦争遺産「トーチカ」を見学しよう
ガイドブックではまだ詳細に紹介されていないため、日本人旅行者の姿はほとんどありません。ただし、欧米人やベトナム人旅行者は非常に多く、頂きにはツアー団体の大型バスが何台も止まっています。
時間によって辺りは霧がかって30m先は見えないような場所。ただし、トーチカの周りにはしっかりと食堂や屋台が営業中。お菓子や置物土産も売っています。
トーチカとは戦争時に自軍の拠点防御を主な役割とした見張り台です。敵軍の侵攻をすぐに把握できるよう、見晴らしがよく、また攻撃に備えて強固な防御壁を張っているため、トーチカの多くは戦争遺産として現在も見学することができます。
ベトナム戦争ではアメリカのベースキャンプとして機能していました。見張り台が造られたのは1837年のミンマン帝時代(阮朝)ですが、トーチカが造られたのはベトナム戦争中とのこと。
こちらがトーチカ。強固な造りで、空洞内部に入ることもできます。内部は何もありませんが、戦争当時は機関銃などを常備し、敵軍が攻めてきたら威嚇及び射撃をして見張り台を守っていました。中部は激戦区としても知られていて、こちらのトーチカも当時は幾度となく使われていたそうです。
穴場の観光スポット・ハイヴァン峠に行こう
まだまだ日本人には知名度の低いハイヴァン峠。個人旅行者でもタクシーに乗って気軽に行くことができますし、トーチカを見学したあと、麓に降りればランコー村を楽しむこともできます。
半日観光にはもってこいの観光エリアなので、ベトナムらしい自然風景を見たい方や、ベトナム戦争の遺産に触れてみたい方は、是非ハイヴァン峠に足を運んでいってください。