外国人旅行者に人気の洋服のオーダーメイド。ホーチミンのドンコイ通りやその周辺を歩いていると、「オーダーメイド」という日本語の文字を飾っている店もみることができます。既製品とほぼ変わらない値段であることから、特に女性に人気。また、在住日本人の間でも、一時帰国する際は一枚か二枚新調する駐在員奥様方も多く見受けられます。
しかし、ベトナムでオーダーメイドが初めてという方は、何かと不明点もあることでしょう。そこで、今回はオーダーメイドを注文する際に気を付けてほしい注意点をご紹介したいと思います。
現地人向けよりも外国人向けのお店を選ぶ
まず、お店選びからですが、ベトナムには現地人向けのお店と旅行者向けのお店があります。現地人向けのお店の方が値段は安く、費用を抑えたいと考える方はこちらを選んでしまいがちですが、それはおすすめできません。現地人向けの場合は英語や日本語ができるスタッフはいませんし、何かクレームがあっても言葉が通じなければ文句もいえません。一方旅行者向けであれば、外国人の要望を把握しているので、「いつ帰るの?帰国便までに間に合わせるようにするから」と先回りして不安を解消してくれます。
日本語ができるスタッフが常駐している店を探す
オーダーメイドでどれだけ自分の想像と実物を近づけられるかは、最初のデザインがカギを握ります。基本はこちらからデザインを伝えることになりますが、もし英語だと、なかなか自分の理想を伝えることができませんね。ホーチミンのドンコイ通りやパスター通りには、日本語ができるスタッフがいるお店がたくさんありますし、中には日本人が常駐しているところもあります。日本語が伝わるならば、非常に心強いので成功率も高くなるはずです。
「言わずもがな」は通じない
「このくらい察してよ」、「これは言わなくてもやってくれるものだと......」といったような、日本人にありがちの「言わなくても分かるでしょ」。これはベトナムでは通用しませんのでご注意を。ボタン一つとっても、種類、色、付ける場所、配置など、できるだけ細かく相手に伝えるようにするのが成功のカギ。また、中には「サービスでスパンコールをつけておきました。ね、綺麗でしょ」といった余計なことをするお店もあります。きちんと要望のみを汲んでもらうよう、こちらがイニシアチブをとることが大切です。
スタッフの意見を鵜呑みにしない
「シルクは100%がいい」、「刺繍は服に合った絵柄をデザインするから任せてほしい」など店側が提案してきたときは、よく吟味することが大切です。ベトナムはシルクが特産なので、日本よりも大分安く手に入れることができます。ベトナム人は100%が最高級で品質もいいと考えているようですが、実際は洗濯が難しかったりと実用的でない場合などもあります。生地の種類も事前に決めておくのがいいでしょう。
ベトナムと日本ではファッションセンスが異なる
デザインを決める際は、店内の既製品の中から選ぶことも可能です。デザインがまだ決まっていない場合は有効ですが、「お洒落な服がない」、「なんか一昔前のような服がたくさんある」という意見もあります。ベトナムと日本ではファッションセンスが異なり、日本のバブル期の服が人気だったりします。また、最近は韓国系ファッションも輸入していて、こちらは露出度が高いセクシーな服が多い傾向です。いずれも日本人女性が考える"お洒落"とは感覚が異なる場合が多々あるので、デザインは事前に決めておくのが無難です。
仕上がりの日時はしっかりと把握しておく
「明日出来上がるわ」と言われて行ってみたら、「まだできていないから夕方来て」と言われたり、「明日の夕方に来て」と言われて行ってみれば、「今日はお客さんが多くて間に合わなかったの。明日また来てね」と言われたり......。そんなトラブルが起きるのがベトナムです。決して悪気があってやっているわけではありませんが、ベトナム人の大らかな性格は時にルーズとなることは肝に銘じておきましょう。仕上がり日を話し合う際は、必ず「明日の何時」まで聞いておくのが望ましいです。また、それだけでは遅れるケースがあるので、「それ以上遅くなったら受け取れない」などと多少嘘をついて、向こうに危機感を持たせるのもありです。
スーツ・コートは1日ではできない
半袖やワンピースといった洋服は基本翌日仕上がりとなります。ただし、スーツとコートは2日かかることは覚えておきましょう。旅行者の多くは滞在日数が3~4日なので、完成がぎりぎりになることも考えられます。日本にいるうちからオーダーメイドをすると決めているのであれば、ベトナムに来た初日にお店に向かうのがおすすめです。
帰国便に間に合わない場合も諦めない
もし旅行最終日までに間に合わなかった場合、諦めるのは時期早々。外国人旅行者向けのお店であれば、大抵のお店は国際郵便を手配して郵送してくれるはずです。事前に完成日時を決めておけば、それほどみられるトラブルではありませんが、しかしないとも言い切れません。そんなときは、慌てず諦めることなく打開策をお店側と話し合いましょう。カード払いなどですでに支払っている場合は、返金処理をしてもらうか、もしくは同等の商品を受け取るといった処置も考える必要があります。
オーダーメイドは事前計画を大事に
オーダーメイドを考えている方は、日本にいるうちから準備をしておくといいでしょう。具体的には「どのお店に依頼するのか」、「半袖なのか、ワンピースなのか、それともスーツなのか」、「どんなデザインにするのか」、「自分の寸法」などです。オーダーメイドは既製品と異なり、"失敗"する可能性もあります。だからこそ、事前計画を大事にしてください。
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