日本料理と一概に行ってもその種類は本当に多く、多用性に富んでいます。それと同じように、ベトナム料理も地域性や民族性、または時代によっても変化をしています。今回紹介するのは、北部料理を提供してくれる人気の食堂「ブンダウゴーニョーフォーニョー」です。北部は自他ともに認める料理がおいしいエリア。素朴な味付けと素材の旨味を引き出す伝統的な調理法は、きっと日本人も共感できるはずです。
今回は「ブンダウゴーニョーフォーニョー」をご紹介します。
アクセス
パスター通りはドンコイ通りに次ぐ観光のメッカ。ドンコイエリアから徒歩5分で行けることもあり、この通り沿いにもお洒落なショップがいくつかあります。その大通りから一本路地を入った先にあるのが今回紹介する「ブンダウゴーニョーフォーニョー」です。ちなみに、同じ路地の左手にある古アパートには、「シークレットガーデン」という素敵なルーフトップレストランがあります。
[local, 554]
路地中には現地人が足繫く通うビンザンとよばれる大衆食堂があります。お皿にご飯と惣菜を何品かのせただけの料理で、ベトナム人の普通の昼食となります。一食150円くらいで食べることができて、庶民の強い味方となり、町中のどこにでもあります。
[basic, 341]
食堂「ブンダウゴーニョーフォーニョー」に行こう!店内の様子
店内は御覧のような繁盛ぶり。昼時の様子で、11時くらいから13時くらいまでは常に満席となります。立地柄旅行者も多いですし、在住外国人の間でも評判のお店なので、彼らの姿もしばしば見かけます。店内に入ると、スタッフが席を案内してくれますが、席がぎゅうぎゅう詰めのときは荷物を地べたに置くことになりますし、何より邪魔です。できるだけ大きな荷物はホテルに置いてから出るようにしましょう。
近隣にはオフィスビルも多いため、ビジネスマンやOLの姿も多く見かけます。先ほどのビンザン食堂の一食150円と比べると、こちらは2倍から3倍程度しますが、それでもびっくりするくらいお客で賑わっています。メニューは英語表記もありますし、写真もついているので外国人に良心的です。
店内にはプロパガンダや昔ながらの画が飾られています。南北統一前まで、北部は南部よりも軍事力は保持していましたが、資源に乏しく貧富の差はかなり大きかったと言われています。その中でも北部では闘鶏が日常で見られるように、鶏と北部の民は常に共存していました。素朴な田園風景は現在でも少し郊外に行けばいくらでも見ることができます。
同店で食べたい北部2大名物!「ブンダウ・マントム」
店名にもなっている「ブンダウ(Bun dau)」とは北部名物の一つ。シルバートレイに緑葉を敷いて、その上にブンと呼ばれる米粉を固めて一口サイズにカットしたもの、緑豆を練って揚げたさつま揚げ、揚げ豆腐、豚肉、香草などが盛り付けされています。いずれも単独で食べることができ、別皿で追加オーダーすることも可能。
ブンダウの具材は写真上の「マントム」と呼ばれるツケダレにつけて食べるのが普通で、一般的には「ブンダウ・マントム」と料理名が通称。マントムは御覧のような灰色の濁ったタレで、鼻を近づけると強烈な発酵臭がします。これは小エビを塩漬けにして発酵したものとなり、味も独特です。もし一口食べて食べられそうになかったら、スタッフに頼んでヌクマムをもらいましょう。スタッフがお客を外国人だと判断すると、自動的にヌクマムも持ってきてくれることもあります。それほどヌクマムは一癖ある調味料です。ちなみに慣れると病みつきになるおいしさとも言われています。
ベトナム名物の一つ「揚げ春巻き」。日本人も普段から食べている人も少なくないはずです。その揚げ春巻きは中国から南下してベトナムにも伝わっています。北部と南部では揚げ春巻きの呼び方も見た目も異なり、北部では「ネムクワ」、南部では「チャーヨー」と呼びます。見た目に関しては、南部では日本のそれとほぼ同じで、細長い筒型が一般的ですが、北部では御覧のように正方形となり、十字に切られて運ばれてきます。北部のネムクワは、南部よりもひき肉やキクラゲなど具材がぎっしりと詰まっているのが特徴。ヌクマムを薄めたスープダレに浸して食べてください。
食堂で食べるからこそおいしいと感じることも
上記のブンダウとネムクワは北部ハノイでは多くの店で食べることができますが、南部ホーチミンではそこらへんのレストランで食べることはできません。ホーチミンの中心市街地には、北部人が営業している食堂もありますので、ベトナム人はみんなそこで食べます。旅行者がそういったお店を情報なしで見つけるのは困難なので、北部名物を食べたい方は、こちらのお店に足を運んでみてください。
<DATA>
名称:ブンダウゴーニョーフォーニョー(Bun Dau Ngo Nho Pho Nho)
住所:156C Pasteur St. Dist.1
営業時間:10:00~22:00
予算:ブンダウ 6万ドン、ネムクワ 4万5000ドン、ブンチャーハノイ 5万5000ドン
[local, 458]