ベトナムで最大の観光都市である南部ホーチミン。東南アジア独特の気候や雰囲気、熱気に魅了されて2度、3度と訪れるリピーターも少なくありません。しかし、旅行者の中には「ホーチミン以外の魅力ある町を歩いてみたい」と思う人もいるでしょう。せっかくの海外旅行なのだから、1都市だけではいささかもったいないような気がしまう。
そこで、今回はベトナムの軽井沢と呼ばれる避暑地「ダラット」に行ってみたいと思います。
短期滞在の方でも決行できるよう、日程は1泊2日。ホーチミン発ダラット旅行をご案内します。
早朝~移動は飛行機で
ホーチミンから中南部ダラットへ行く方法はバスから飛行機。バスだと寝台バスがありますが、現地までの所要時間は約6時間と長いです。飛行機であれば1時間で着くので、こちらの方が旅行者向きです。
国内空港はタンソンニャット空港。国際ターミナルと隣接しているので、歩いて行くことも可能。国内線は手狭なので迷わないメリットはありますが、その分チェックインカウンターで時間がかかるので、時間に余裕をもって行動してください。
ダラット空港~観光の中心まで
ダラット空港から観光の中心となるダラット市場周辺までは、タクシーで約40分の道のり。中心部まで到着したら、まずはホテルでチェックイン。まだ予約していない方は、市場周りに低級~中級ホテルが多数並んでいるので、ここで探すようにしましょう。ダラットは標高の高い高原地帯で気温が低く、夜は肌寒くなるほどなので多くのホテルでは冷房はなく扇風機のみです。
11:00~:ダラット名物を堪能
ホーチミンやハノイと言った都会では、近年産地を気にする中間~高所得者層が増えてきました。彼らが思う国内最高品質で安心・安全の野菜がダラットの有機野菜。本場ダラットではダラット野菜を思う存分食べて行ってください。また、飲み物ではダラットワインも高品質の一つとして数えられているので、お酒好きはそちらも。その他豆乳やアーティチョーク・ティーも名物と言われています。アーティチョークティーはお土産にもおすすめできます。
また、肉料理も盛んに食べられています。ダラットで名物とされているのは、「イノシシ肉」、「ウサギ肉」、「鹿肉」の3つ。いずれもホーチミンでは滅多に食べることができない代物なので、ここで一通りは試食しておきたいところです。筆者の個人的な感想としては食べやすいのはイノシシ肉。ウサギ肉は骨が多く、鹿肉は多少固いのが難点。中心市街地では多くのレストランやカフェでこれらの肉料理を食べることができます。
[local, 315]12:00~:蒸気機関車に乗ってチャイマット村散策
ここでは2つの観光スポットを楽しみます。1つは「ダラット駅&蒸気機関車」、もう1つは「チャイマット村」です。ダラット駅から毎日定時で運行している蒸気機関車に乗って、隣町のチャイマット村まで行きます。鉄道はフランス統治時代に作られたもので、当時はダラットの麓を循環できる設計でしたが、度重なるアクシデントで工事は断念。フランス撤退後は線路は徐々に縮小されて、現在ではチャイマット村間を往復する観光名物の一つとなっております。
約20分でチャイマット村へ到着。帰りの列車の発車時刻までは自由時間で、観光時間は約40分程度。駅舎を出た一本道の通り沿いには民家や商店が軒を並べていて、午前中に活気出る市場などもうかがえます。コンビニやスーパーはもちろんなく、人々はパパママストアの日用雑貨店で毎日買い物するのが日課。
チャイマット村で唯一の観光名所となるのがこちらの仏教寺院。かなり派手で、龍の像が蜷局を巻いて寺院敷地内を蛇行しています。観光客は基本全員ここを見学して時間を潰すことになります。寺院内は神聖な雰囲気が漂い、仏教徒や僧侶が読経している様子を垣間見ることができます。支柱や天井にまで施された装飾や絵画は必見です。
[local, 82]14:00~:スアンフーン湖をのほほんと散歩
ダラット駅から中心市街地へ戻る道中、タクシーで途中で降ろしてもらい、そこからしばしスアンフーン湖を散歩しましょう。美しいスアンフーン湖はダラットの象徴として、早朝には湖畔で散歩やジョギングをする現地人や観光客を多くみかけます。また、周辺の芝では馬が草を食む様子もうかがえ、乗馬体験をすることもできます。
湖畔に建つブルーウォーターレストラン。カフェとしての利用も可能。パラソルの咲いたオープンエア席が人気で、いつきても観光客でにぎわっています。こちらでも鹿肉やウサギ肉といった名物を用意しているので、昼食をここでとるのもいいでしょう。
[local, 314]15:00~:「ダラット市ガーデン」で憩いの時間を
ダラット市ガーデンはブルーウォーターレストランの目と鼻の先。園内は広く、約300種の花々が咲き誇ります。年末に毎年開催されるフラワーフェスティバルの開催地でもあり、ハノイやホーチミンと言った都会では見られない花を愛でることができます。ベトナムはもともと南国の気候なので、花の種類は極端に少なく、ダラットのこうしたカラフルな花々はベトナム女性の心を漏れなく打ち、一昔前まではハネムーン先の第一候補でもありました。
[local, 535]16:00~:不気味な魔女の家?「クレイジーハウス」
建築当初はダラットの町の景観に似つかわしくないと反対運動が起きたほどですが、現在ではすっかり観光名所の一つとなっている「クレイジーハウス」。元書記長のチュオン・チン氏の娘がロシアで建築を学んだのち、クレイジーハウスを作りました。まるで魔女が住む館のような装いで、単なる名所ではなく、実際ホテルでもあり、宿泊することももちろん可能。迷路のような入り組んだ廊下や回廊を歩き、どこに出るかもわからない道を進む。ちょっとした冒険気分も楽しむことができるので、子供連れのファミリーにおすすめのスポットでもあります。
<DATA>
名称:クレイジーハウス(Crazy House)
住所:3 Huynh Thuc Khang
宿泊:http://www.crazyhouse.vn/
17:00~:ベトナムの名物「屋内ダラット市場」
ダラット市場はホーチミンのベンタイン市場とは違って観光客贔屓のお店はそれほどなく、基本は地元密着型です。ただし観光エリアの中心にあることから外国人の姿も多く、ドライフルーツや瓶詰のジャム、ダラットワインといった名物土産を扱う店が入口中心に広がっています。奥は野菜や肉、生鮮食品エリアなので、買うものはありませんが雰囲気は楽しむことができます。
ダラット市場の外周も御覧のように果物や雑貨、花などを売るお店が並んでいます。雑貨はサンダル、ジャンパー、ジャケットといった服飾品が主。ダラットの夜は冷え込むので、半袖短パンで楽しむにはちょっとしんどいです。もし長袖がないならば、ここで調達するのもいいでしょう。
[local,46]夜はダラット市場周辺ナイトマーケット
日が暮れてくると、市場の外回りからスアンフーン湖に行く道中の道沿いには続々とテントを張った屋台が並ぶようになります。ナイトマーケットのはじまりです。先も説明しましたが、夜のダラットはかなり寒いので防寒具を着こんで臨みましょう。ナイトマーケットではグルメと雑貨が主。グルメは豆乳、ブンリウクア(麺料理)、焼き鳥、お粥など温かな料理をメインで楽しめます。日用雑貨はアクセサリーを扱う店が多く出店しますので、恋人同士で来たならば、おそろいのキーホルダーなどを買ってみるのはいかがでしょうか。
[local, 47]2日目:10:00~:愛の聖地へようこそ「愛の盆地とダティエン湖」
2日目は市街地からタクシーで北上したところにある「愛の盆地とダティエン湖」へ行ってみたいと思います。なだらかな傾斜に造られた小さな公園広場で、愛をモチーフにしたモニュメントや色とりどりの花を愛でることができます。お土産店ではここで撮影した写真をマグカップや平皿にプリントしてくれるところもあります。恋人夫婦、ファミリーで記念にいかがでしょうか。
[local, 536]12:00~:永遠の愛を確かめる「ランビアン山」
ランビアン山と名付けられた由来は、近辺に暮らす少数民族のコホー族の起源となる伝説が関係しています。ランとビアンの悲恋伝説はベトナム版ロミオとジュリエットとして知れ渡っています。事前に学習しておくといいでしょう。ランビアン山では山の麓までジープで行くこともできますし、トレッキングすることもできます。
麓には伝説の元となったランとビアンの像が建ち、その周辺にはコホー族の人々が民芸品を販売しています。少数民族の作る民芸品はすべて手作業で希少価値があります。ホーチミンのお土産店では売っていない彼らのハンドメイド品はお土産としておすすめできます。
[local, 313]15:00~:ホーチミンへ帰路
ジェットスターおよびベトナムエアラインでは15時台のホーチミン行きのフライトがあるので、そちらに乗って帰路に着くといいでしょう。他にもダラットは見どころがありますが、ここで紹介したように1泊2日でも十分に満喫することができます。もしホーチミン以外の都市を検討しているのであれば、ダラットを選んでみてはいかがでしょうか。
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