お正月を新暦の1月1日に祝うのは、世界でも日本くらいといわれています。中国の影響が強いベトナム含む東南アジアでは、お正月は旧暦で数えます。しかしながら、ここ数年で新暦も力を入れて祝う傾向になってきて、特に若い世代の人たちの間では旧暦と同様の盛り上がりをみせはじめてきました。そこで、今回は子供たちに大人気の動植物公園に行ってみました。いつもとは違う大変にぎやかな様子だったので紹介したいと思います。
[local, 51]正月は大盛り上がりの動植物公園
ホーチミン1区中心にあるものの、いつもは閑散としている動植物公園。旅行者にとっては並ぶ必要がないので貸し切り気分で楽しめていいのかもしれませんが、ちょっと動物園にしては寂しい風景です。しかし、お正月はみんな子供を連れて動植物園に向かいます。
ホーチミンには日本のように娯楽施設が多くありませんので、ホーチミンという大都市圏でも彼らが子供を連れて向かう場所は限られています。また、普段の週末とは違いますので、小さなお子さんを持つ両親も、子供に喜んでほしいと動植物公園に連れていく家庭が多いようです。
子供に一番人気のエンターテイメント
こちらは機関車の車体をした自動車。広い敷地内を10分~15分程度かけて回ってくれます。子供の一番人気のアトラクションで、入口傍から乗ることができます。普段はお客が一定数集まったら運行ですが、今日は大変混雑。常に子連れの親子で満席状態が続いていました。
ベトナム人のちょっと変わった過ごし方
日本人にとっては少々信じられないかもしれません。動植物公園はベトナム人にとっては、動物を見て帰る場所ではなく、1日居座る場所なのです。敷地内には芝生が広がっていて、御覧のようにレジャーシートを敷いてピクニック気分でお弁当を広げるファミリーでたくさん。
これもベトナム人の習慣のようなもの。生春巻きにパパイヤサラダ、ベトナム風チャーハンなどがお弁当の定番。ご飯を食べたあとは、ゆっくりと昼寝。お正月の1日をここで過ごそうと考えている家庭が多いようですね。
ランチもここで食べられる
こちらはベトナム版のフードコート。一区画に十近くの屋台が並んでいて、それぞれ売っているものが違います。ソフトクリーム、チェー、皿飯、麺料理などさまざまなベトナム料理を食べることができます。
ベトナムの大衆食堂をまだ体験していない旅行者は、ここで食事をするのもいいかもしれませんね。ちなみに普段は人も少ないので、閉めている屋台も多くあります。お正月はどの屋台もフル活動の様子です。
また、園内は動物だけではなく、さまざまなアトラクションがあって、ちょっとした遊園地のようになっています。メリーゴーランドやジェットコースター、ゴーカードにウォーターフォールなど、定番とも言えるアトラクションがあり、それらすべてが子供向けになっています。中には動物にまったく関心を示さず、この遊園地エリアに目が釘付けになっている子供も多くいました。
ベトナムの動物園は意外とすごい!
絶滅危惧種にも指定されているホワイトタイガー。ベトナムではカナダから連れてこられた2頭を飼育しています。ホワイトタイガーはインドやブータン、バングラディッシュなどに野生が見つかっていますが、ベトナムでは現在いない様子。かなりの希少な動物がここにいるのは、いささか驚きです。みなさんの中にも、黄色と黒の縞模様のトラは見たことあるけど、ホワイトタイガーは初めてみる、という人も多いかと思います。
大型動物にエサをあげられる
こちらの園内には、2か所動物にエサをあげられるエリアがあります。それぞれキリンとラクダ。キリンにはニンジン、ラクダには葉っぱをエサとして食べさせることができますが、値段は一束1000ドン(5円)。かなり安いです。1万ドン(50円)も払えば、親子みんなで飽きるまでエサやりを楽しむことができます。
なぜかベトナムではこの動物が定番
園内を歩いていると、大勢の子供たちが集まって、下の池を見下ろしています。いったいなにがいるのでしょうか......。
池には十匹近いワニが生息していました。地面で昼寝をしているワニもいれば、池に入って水浴びをしているワニなど、行動はさまざま。実はワニはベトナムの動物園や遊園地には決まっている定番の動物です。ほかの遊園地には、ワニ釣り体験ができるところもあります。ちなみに、ベトナムのレストランではワニ肉もよくメニューで見かけます。
ベトナム人の新暦正月の生活風景
ベトナム在住7年目になる筆者も、新正月に動植物公園に来たのは今回が初めて。あまり町中で人を見かけないと思ったら、こんなところに集まっていたんですね。今回はベトナムの新正月の動植物公園の様子をお届けしました。
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