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元祖はハノイ!子供から大人まで楽しめる「タンロン水上人形劇」

水上人形劇といえば、現在ではベトナムの名物観光スポットとして旅行者に人気があります。ホーチミンでもダナンでも公演していますが、実はもともとはハノイが元祖。1000年以上の歴史を持つ水上人形劇は、ベトナムの歴史や習慣を知る上でも貴重な体験。それでいて、小さな子供も楽しめるユニークな劇に仕上がっています。

今回はハノイの名所「タンロン水上人形劇」をご紹介します。

アクセス

IMG_2739.jpg少し古びた建物だが目立つ

年月が経っているため風格があるこちらの建物が舞台。20世紀中ごろにホー・チ・ミン氏が子供のための娯楽施設として作ったのが、タンロン水上人形劇のはじまりです。

場所はホアンキエム湖の北部。観光用の電気自動車が止まっているところの道路を挟んだ反対側です。

IMG_0178.jpgホーチミンよりも公演回数は多い

公演は1日4回。16時10分、17時20分、18時30分、20時となります。全席指定席ですが、回数が多いので前日予約をする必要もありません。ただし、直近の公演はいい席が埋まっている可能性がありますので、その際は次回の公演分を購入するといいでしょう。

チケットはタイプ1とタイプ2があり、タイプ1は前列から中盤で10万ドン、タイプ2は中盤から後列で6万ドンとなります。日本円に換算すると200円程度の違いしかないので、席が空いているならば、是非タイプ1のチケットをとっておきましょう。

毎回満員御礼。いざ入場

IMG_0286.jpg規模は大きいが、御覧の混雑ぶり

指定席なので慌てる必要も先頭に並ぶ必要もありません。時間ぎりぎりまで外で待っていてもいいでしょう。ホアンキエム湖の散歩や、水上人形劇に隣接しているカフェで一休みするのもいいでしょう。歩いて北上すると旧市街に入るので、雑貨店を見て回るのもいいかと思います。

ちなみにカメラの持ち込みは別料金を取られます。また、公演中はフラッシュはもちろん禁止。後部席の場合暗くて映らないかもしれませんので、デジカメや一眼レフの場合はISOをできるだけ高くして撮るのがポイントです。

IMG_0284.jpgステージ。ここで水上人形が飛び跳ねる

こちらが舞台。まだ開演前なので、近くによって写真撮影もできます。水上人形を操る演者や演奏者は裏で待機しているよう。ブルーのスポットライトが中央のため池に当たって、映画館さながらの緊張感と雰囲気を放っています。もし綺麗な写真を撮りたいと考えているならば、なんとか前列をキープするようにしましょう。

水上人形劇開幕!伝統音楽も

IMG_0299.jpg日本にも通ずる楽器もある

水上人形劇は15の演目で構成されています。定期的に演目の数や内容は変化しているので、1000年の歴史といっても演目まで変わっていないわけではありません。劇中には伝統楽器を使った音楽も披露してくれます。沖縄を含めた日本にも昔からある三味線や三線のような弦楽器もあります。

ただし、こちらも演目同様時代とともに変化しているようで、演出のためにクラシックギターやベースなどを使う場合もあるようです。

水上人形劇のはじまり!

IMG_0304.jpg後列は見にくいかも

水上人形の歴史は1000年以上前に遡ります。ガイドブックではハノイ発祥と紹介されていますが、具体的には紅河デルタ地方、ハノイより南方にあるタイビン省とよばれる農村地帯で生まれた農民たちの娯楽から生まれたものでした。また、雨ごいや収穫祭でも演じられていたといわれています。

IMG_0342.jpgそれぞれが短い物語となっている

その後、北ベトナムの王朝が水上人形に興味を持ち、一時は宮廷で王族に親しまれるほどに明るみになったと言われていますが、こちらは真実は定かにはなっていません。

その後、20世紀にホー・チ・ミン氏がハノイに人形劇として建設。南部統一後の20世紀後半以降は、水上人形劇の観光資源を重要視したベトナム政府がさらに投資をして、一般の人々の目に触れる機会を増やして現在に至ります。

IMG_0370.jpg演者が操るのは人形だけではない

現在公演している演目はハノイやホーチミンなど場所によって多少内容は異なりますが、それらはすべてベトナムの歴史や習慣、伝説などを表現したものとなります。農村の子供が水牛にのって遊んたり、田植えをしている光景なども鑑賞することができます。

演者の人たちは代々水上人形の操り方を受け継がれています。長時間腰まで水に浸かっていなければならなかったり、操る人形の複雑さなどから、当初は男性のみ演じていました。しかし、現在では継承者の減少も相まって女性演者も多くいます。耐水のスウェットなどの進化も一理ある様子。

IMG_2759.jpgレロイ王と亀の伝説の話

各演目は関係性はなく、それぞれ独立した短編物語だと思ってください。日本語パンフレットが入口でもらえるので、それで現在の演目を確認しながら鑑賞するといいでしょう。演目の中には時折両サイドの伝統音楽を演奏している演者が、人形の会話のあふれこをしたりしてくれますが、すべてやりとりはベトナム語となります。これはベトナムの伝統であるため、あえて外国語に訳さないそうです。

写真のこちらはレロイ王と亀の伝説。かつてレロイ王が明を撃退したときに使った神の剣を、ホアンキエム湖に現れる神の遣いの亀に返還するワンシーンです。そのほかにも仙女や霊獣たちの舞などもあり、伝説や神話をモチーフにしたものは非常に興味深く鑑賞することができます。

最後は惜しみない拍手を

IMG_0411.jpg一人前に人形を操れるまでには数十年かかると言われている

ラストは龍が火を噴き、ハイライトへ。全演目終了後は演者の方々が表に出てきて手を振ってくれます。みなさんも惜しみない拍手をおくってください。

御覧のように女性演者もたくさんいることが分かりますね。

ホーチミンとハノイでは品質は変わらないものの、発祥のハノイで鑑賞する水上人形劇はちょっと雰囲気も異なり感慨深いものがあります。ハノイ旅行の際は、是非水上人形劇を楽しんでいってください。

<DATA>

名称:タンロン水上人形劇(Nha Hat Mua Roi Thang Long)
住所:57B Dinh Tien Hoang St. Dist.Hoan Kiem. Ha Noi
アクセス:ホアンキエム湖北部

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著者プロフィール

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ペンネーム: サイゴンの便り
学生時代にベトナムの民話と民族を研究して以来、毎年一回はベトナム旅行を楽しむように。そして、2011年に念願だったベトナムへの移住が決定。現在はトラベルライターとして、ベトナム各地の観光情報を読者にお届けしています。旅行者が寄り付かないようなローカルエリアに住んでいるので、毎日のんびりとした素朴な時間をおくっています。趣味はバドミントン。

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