ハノイより南東へ車で走ること約30分程度で着くのが、今回紹介するバッチャン村です。バッチャン村は15~16世紀に繁栄した陶磁器の村。現在でも8割以上の村人たちは、陶磁器に関連する何かしらの仕事に就いているといわれています。
今回はそのバッチャン村をご案内します。
行き方
旅行会社およびツアーデスクは必ずバッチャン村へのツアーを扱っています。個人で行く場合はタクシーをチャーターするのがいいでしょう。半日で50万ドン程度が相場となり、あとは交渉次第です。注意事項は必ず観光中は待機してもうらこと。また、メーターで行く場合も然りです。バッチャン村の周辺でタクシーを捕まえるのは困難です。
バッチャン村の歩き方
バッチャン村観光の所要時間は2時間程度とみておきましょう。隅々まで歩けばもっと時間を費やすこともできますが、村入口の大通りと、そこを進んだ突き当りから派生する道を歩けば観光を十分満喫することができるでしょう。
メインは村の入口から走る200mほどの直線の大通りです。この両脇には隙間なく民家が並び、そのほとんどは個人で営む陶磁器店となります。卸業者だけではなく、個人のお客さんも歓迎してくれます。
小さなお店でバッチャン焼きを物色
大体のお店は、自分たちの商品を店頭に並べています。物色するのも、お店の中に入るのも自由ですが、あまり興味本位で手に取らない方がいいかと思います。大きな陶磁器は高価なもので、高級ホテルやレストランのアンティークとして並べられるものもあるほど。うっかりと壊してしまったら大変です。
バッグを持っている人も、陶磁器にぶつかったりひっかからないようにしましょう。お店はどこも所せましと商品が並んでいますので、歩くときは慎重にお願いします。
大きなツボなどは高いしかさばるので普通のお土産としては向いていませんが、手のひらサイズの置物はお土産に最適です。お値段は5万~20万ドン程度のものが多く、凝った作りになるほど値段も比例します。
また、ここバッチャン村で作られる陶磁器はお土産として全国に卸されていますが、あまり見かけないデザインもあるので、置物土産を買うのであれば、バッチャン村がおすすめです。
バッチャン焼きの工房を見学
バッチャン焼きの工房はいくつかあり、個人事業の工房や観光客用の商業施設内の工房などもあります。前者の場合は見学に許可が必要なので、家主を探して見学できるか訊いてみてください。また、後者の場合は工房の見学だけではなく、実際ろくろを使って陶磁器を作る体験ができるところもあります。
バッチャン焼きの歴史
バッチャン焼きは15~16世紀頃に栄えたベトナム伝統の陶磁器。バッチャン焼きとは、ここバッチャン村で作られた陶磁器を指し、別のところで作られた陶磁器はバッチャン焼きとは言いません。本物を確かに購入したければ、バッチャン村で直接買うのが確実といえます。
かつては中国の明国の皇帝への献上物として認められ、庶民が使うものから高級品まですべての需要をかなえていました。この頃がバッチャン焼きと村が最も繁栄した時期で、これ以後は衰退の一途を辿ります。
まず、中国がバッチャン焼きよりも良質な陶磁器を作り始めたのが挙げられます。そして17世紀に入ると、日本も鎖国をして閉鎖国家となりました。それ以後、バッチャン焼きは国内の供給がメインとなります。
バッチャン村を散歩
大通りから一本それると、いくつも枝分かれした路地があります。何気なく入ってみると、新しい発見があります。ふと見てごみ置き場かと思いきや、高級そうな大きなバッチャン焼きのカメがあったり、入り組んだ小道を進んでいくと、バッチャン焼きを作る工房があったりと、まさに陶磁器の村ということが分かります。
バッチャン焼きの伝統的なデザイン
近年はバッチャン焼きもだいぶモダンなデザインも取り入れられてきましたが、伝統と歴史を感じたいというのであれば、「蓮」、「トンボ」、「キク」といった絵柄が施されているものを買ってください。
これらのデザインはすべてベトナムに古くから伝わる「縁起がいいもの」として知られています。
ハノイで最も近い郊外スポット
ハノイの郊外エリアといえば、山岳地帯のサパや世界遺産のニンビン省やハロン湾などが第一候補として挙げられますが、いずれも距離があるため行くさいはそれなりの準備が必要です。そんな中、バッチャン村は30分程度と近場で、半日を利用して行くことができる気軽さがあるのが魅力。ハノイ観光の要所として、バッチャン村見学を検討してみてください。
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