ベトナムは中国文化に倣って旧暦で正月を迎えます。今年の正月は2月8日が元旦。ベトナムでは旧正月を「テト(Tet)」と呼び、このテト期間中は観光客にとってさまざまな障害があります。今回はこのテト期間中に旅行される方に向けて、観光の注意点をご紹介したいと思います。
ベトナム最大の大型連休
旧正月の連休は、年間の休日の中で最も長い期間となります。毎年連休の日数は変わり旧正月が近づく12月から1月になると、政府が今回の連休日数を公表します。ちなみに、2016年は6日(金)〜14日(日)の9連休となります。
ベトナム人の旧正月の一般的な過ごし方は、①実家(田舎)へ帰省、②旅行、となります。実家への帰省が7割強で、旅行が2割から3割といったところ。しかも、旅行はほぼ国内旅行なので、旧正月期間中の観光地はどこも込み合うことが予想されます。
店や施設の閉店情報
旧正月期間は、お店の人も帰省します。ただし、近年は旅行客相手にお店を開くところも多々増えてきて、閉店期間中も大晦日から正月三が日程度。しかし、パパママストアのような現地人向けの個人商店は、連休期間中がっつりと閉店します。
また、正月三が日では、多くの観光施設も閉館します。特に政府や自治体が運営している博物館や、市場なども閉館することでしょう。今年でいえば、2月8日〜10日の間の観光巡りは、非常にリスクが高いといえます。ただし、実際の閉館情報などは現地で直接仕入れるしかありませんので、行き損になることも覚悟しなければなりません。ハロン湾やホイアン、フエといった世界遺産都市は閉店することはないので、この期間中に旅行を計画されている方は、世界遺産都市を巡ってみるのはいいかもしれませんね。
名物の大渋滞
日本でもゴールデンウイークやお盆の大渋滞の様子はニュースでも報道されるほど。しかし、それはベトナムも同じ。特に南部ホーチミンの都心部は非常に混み合います。バイクや車の大群は夜遅くまで続きます。そこで問題となるのが観光方法。ベトナムには電車がないので、市内観光における有効な移動手段はタクシーとなります。しかし、この期間中はタクシーで行くと必ず渋滞に巻き込まれるので、一つの観光名所に行くにも、通常の何倍もの時間がかかっしまうかもしれません。
対策としては、予めマップで市内の地図を把握しておき、歩いて行けるところは歩いていくようにしましょう。また、クチやメコンデルタといった郊外のツアーに参加して、都心を脱出するのもおすすめです。
スリやひったくりも多発
人込みで混雑する場所には、往々にしてスリやひったくりも多発します。例えば、ハノイ、ダナン、ホーチミンの三大都市では、中心部でフラワーロードが開催されるのが毎年の恒例。特に元旦はすし詰め状態になるほど混雑しますので、当然その状況を利用して近づく輩もでてきます。
財布の中に大金は入れない。貴重品はホテルに置いておく。財布をバックポケットに入れないなどの工夫が必要です。
値段は数割増
旧正月はベトナム人の財布の紐が緩んでいるので、それを計算してレストランやホテルは値段を1割から2割ほど高く設定しています。外国人にとっては関係ないのでいい迷惑ですが、いずれも打撃を受けることでしょう。
特に個人旅行で現地でホテルを探す旅行客は要注意です。ベトナム人も多く国内旅行をするので、ホテル側も強気の値段を提示してきます。
旧正月は外国人にとっては不要?
たしかに旧正月は外国人旅行客にとっては、あまりうれしいことはなさそうです。しかし、この時期だけしか開催されないイベントもありますし、お正月限定の料理を提供するレストランも多々あります。普段とは異なるベトナムを楽しむことができるので、特に2度目以降のリピート客は楽しむことができるかと思います。
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