ベトナムと言えば、北部ハノイと南部ホーチミンが観光の二大都市として君臨していました。しかし、近年は中部地方も日本人に人気を集めています。中部旅行の見どころは何といっても「世界遺産巡り」です。しかし、名所巡りに明け暮れて、食をおろそかにしてしまうのは、もったいありません。なぜなら、中部地方はベトナム人ですら羨むその土地の郷土料理がたくさんあるからです。
今回は、ベトナムの定番料理ではなく、中部料理をご紹介。中部旅行に来たら、最低これだけは食べてほしいという料理を7つ紹介します。
１、バンチャンクオン・ティッヘオ(Banh Trang Cuon Thit Heo)
生春巻きといっても多種にわたる「Banh Trang=ライスペーパー」、「Cuon=巻く」、「Thit Heo=豚肉」。つまり、豚肉が具の生春巻きです。もちろん豚肉だけではなく、もやしや香草などさまざまな野菜も一緒に巻きます。
生春巻き自体はベトナム全国で食べることができますが、このように地方都市によって巻く具が異なるのが生春巻きの特徴。また、中部の生春巻きは、基本はレストランであっても自分で巻きます。ライスペーパーや野菜、豚肉などが別皿にのせられてテーブルに運ばれて、自分で一枚一枚作る必要があります。ベトナムらしいですね。
２、バンクオン(Banh Cuon)
お馴染みの料理だが、案外見つけるのは難しいかもこちらはバインクオンと呼ばれるファストフード系のお手軽料理。生地はフォーと同じ米粉で、クレープのように生地を蒸したあと、刻んだ野菜や肉類を包み込みます。何も入っていないパターンもありますし、あえて注文することもできます。もっちりとした食感は日本人なら誰しもおいしく感じられることでしょう。
ただし、こちらの料理は中部を代表する料理ではありますが、基本はベトナム人が会社に行く前に腹ごしらえで食べる朝食料理。朝の5時～9時くらいをピークに、それ以降はお店をしめるところがほとんどです。確実に食べたい方は、早起きをして町に繰り出しましょう。
３、バンカン(Banh Canh)
フォーやブンとは違ったのど越しを楽しめるバンカンはカニをダシにしたスープに、麺はタピオカ粉を練ったもの。風味豊かで、のど越しのあるコシ強い麺が特徴の料理です。専門の食堂でよく見かけ、女性に支持されています。フォーやブンといった米粉麺がベトナムの定番料理としてイメージしている方が大半かと思いますし、それは間違ってはいません。しかし、ベトナム現地では、このような一風変わった麺もあるということは覚えておいてください。
４、ミークワン(Mi Quang)
中部沿岸地域で食べられる麺料理ミークワンは海鮮ベースの濃厚タレを絡めて食べる麺料理です。麺は平たい麺で、フォーと比べるとコシがあります。店によっては黄色く着色している麺もあり、これはターメリックのため。ベトナムではターメリックは主要調味料の一つでもありますが、近年は質の悪いターメリックも出回っており、体に害があるのでは？と使用を敬遠しているお店もあります。
ミークワンは中部から中南部にかけての沿岸地域の名物料理でありますが、ハノイやホーチミンといった都心でも食堂を見つけることができます。たいていはニャチャンやダナン出身のベトナム人が経営しているので、本場さながらの味を食べることができます。
５、ホイアン料理
ホイアンの名物は3つ。すべて押さえておこう世界遺産ホイアンには3つの郷土料理があります。それぞれ「カオラウ」、「揚げワンタン」、「ホワイトローズ」です。いずれも食べてほしいのですが、特にカオラウは日本人が伝えたとされているゆかりのある料理。日本人がベトナム人に伝えた伊勢うどんが現地ナイズされてできたのがカオラウといわれており、少量のつけだれを絡めて食べるコシのある麺が特徴です。ミークワンよりもコシがあり、味が濃厚です。
カオラウを含め、ホイアンの3つの郷土料理はなぜかここホイアンでしか食べることができません。稀にホーチミンの都心部のレストランで扱っているところもありますが、見つけるのは至難。ホイアンに来たらマストで食べてほしい料理です。
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６、フエ料理
全国で食べられる最大の郷土料理フエはダナンから車で2時間～2時間半北上すると見えてくる古き都。ベトナム最後の王朝であるグエン（阮）朝が王宮を構えていたところです。そのフエで食べられる料理は他のエリアとは味付けや調味料が異なり、多様なスパイスを使用して香味付けをしているのが特徴です。中でも皇族が食べていたとされる料理は宮廷料理として格付けされ、現在では一部の高級レストランでしか食べられない料理となっています。
旅行者の方は、ブンボーフエやバインベオといったフエの郷土料理を楽しんでほしいとともに、もし予算が許すならば高級レストランに足を運び、宮廷料理を試食してみてください。宮廷料理を出すレストランはフエ現地でしか見ることができません。
[local, 236]
７、シーフード(Hai San)
ベトナムスタイルで食べてほしい最後はやはりシーフード。中部地方は海に恵まれているので、ダナンやホイアン、その他のエリアであっても鮮度の高いシーフードを楽しむことができます。ただし、ただ単にボイルやグリルをして食べるのであれば、せっかくベトナムに来た甲斐がありません。ここはひとつベトナムスタイルで食べてみてはいかがでしょうか。
ベトナム人はエビやカニは塩と刻んだニンニクやネギを多量の油で揚げるのが定番。特にシャコはこれが一番おいしい食べ方だといいます。またエビはタマリンドで炒めるのも人気。貝はタマリンド炒め、ココナッツミルク炒め、ネギ油などが普通。何も言わなければおすすめの調理法で料理してくれることでしょう。
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中部料理が支持される理由
中部地方はダナン、ホイアン、フエといった観光都市をもち、それぞれがバスで気軽に行ける近場にありながら、料理は地域ごとに強い特色を持っています。それが観光客にとっては魅力的にうつることでしょうし、訪れた先々の屋台や食堂を食べ歩く旅もおもしろいものです。滞在時間に余裕がない方は、ここで紹介した料理を探してみるのはいかがでしょうか。
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