グロバール社会の現代において、海外で暮らすことはそう珍しくはなくなりました。現在ではおよそ140万人の日本人が世界各国に暮らしていると推測されます。日本人が多く暮らす都市には、必ず日本人街(町)というエリアができます。分かりやすいのは中国ですね。日本でも横浜に大きな中華街がありますし、世界各国にチャイナタウンと呼ばれるエリアが存在します。
そこで、今回はホーチミンのレタントンエリアで構成されている日本人町と、そこに暮らす日本人がどのような生活をしているかをご紹介したいと思います。
観光客も行き交う日本人町
ホーチミンの日本人町は、現地在住者だけではなく、一般の旅行者も多く行き交います。観光のメッカであるドンコイエリアから歩いて10分ほどの距離と近いですし、日本人町エリア内にはガイドブックでもお馴染みの人気レストランやスパなどもあります。
日本人町が構成されているレタントン通りは、トンドゥックタン通りからベンタイン市場まで続く長い道。その内、日本人町はトンドゥックタン通りからタイバンルン通りまでの狭いエリア内となります。
日本の食材はここで調達!
最近ホーチミン市内にイオンが2か所できたので、そこで日本の食材や日用品、ベビー用品などは調達できるようになりました。しかし、いずれもちょっと遠いので、基本駐在員の方々は、この日本人町にあるミニスーパーで調達します。
写真左のアクルヒスーパーは老舗の日本食材のスーパー。コンビニほどのフロア面積しかありませんが、あらゆる日本メーカーのアイテムが揃っています。値段は日本で買うより2倍から4倍近いですね。
現地採用者や所得の低い在住日本人からすると、アクルヒスーパーのようなお店はちょっと値段が高め。人気メーカーは揃っているのですが、納豆1つ(3パック)に500円はちょっと出せません。
そこで強い味方となるのが、こちらのシティマート。もともとベトナム資本のローカルスーパーだったのですが、2015年頃にイオンが資本提携をし、現在ではトップバリューを販売しているので、安く日本の調味料を手に入れることができます。
駐在員の日々の食事処
続いては在住日本人の食事処。日本人町というからには、日本食レストランが多い印象ですね。もちろん間違っていません。中には日本人が経営しているお店も珍しくはなく、焼肉店、蕎麦屋、ウナギ専門店、ラーメン店など、あらゆる日本食レストランがここに集まっています。
近年注目されているのはラーメン店。この狭い区画の中に、びっくりするほど多くのラーメン店が営業しています。現地のフリペでは、しばしば特集が組まれるほど。異国の地で食べられるラーメンがどんな味なのか。ラーメン好きなら確かめてみる価値があるのでは。
しかし、目を見張るのは、それ以外のお店。インド料理店、ブラジル料理店、フランス料理店など、世界各国のレストランも営業しています。このレタントン界隈に暮らす日本人は主に大手の駐在員ですし、このエリアのオフィスビルで働く欧米人も少なくありません。高所得者が集まる場所なので、ハイセンスのレストランも自然と多くなるようです。
駐在員奥様方の癒しのスポット
駐在員奥様方、いわゆる"駐妻"(ちゅうづま)の方々の癒しのスポットといえば「マッサージ」。この界隈にあるマッサージ店は料金が安いので、現地採用者や留学生も多く利用しますし、仕事で疲れて立ち寄る男性の姿も珍しくありません。
日本人受けするように店内はいつも清潔ですし、貴重品を預けるロッカーも完備、日本語対応、クーポン、スタンプカードありと、日本人贔屓が嬉しいです。
レタントン界隈にはカフェも多くあります。いずれも奥様方の談笑の場となっていますね。また、高級カフェチェーンのコーヒービーンは日本人ビジネスパーソンの商談や会議でもよく利用されています。試しに行ってみてください。びっくりするほど日本人率が高いです!
ちなみに駐在員の奥様方はワークパーミットがありませんので、基本仕事はできません。多くの奥様方は趣味に時間を有効利用しているようです。ホーチミンには在住日本人向けのスポーツ系、文化系サークルが多くあり、現地のフリペでよく募集しています。フリペは日本人町内のコンビニやレストランなどどこでも手に入れることができますので、試しに読んでみてください。
現地人の暮らしの様子が詰まった日本人町
一見旅行者には関係なさそうな日本人町ですが、一度足を運んで一周歩いてみてください。異国の地で暮らす日本人がどんな生活をしているのか、非常に興味深い光景を覗くことができるはずです。
また、冒頭にも説明したように、旅行者に人気のレストランやスパもあるので、そのついでに立ち寄ってみるのもいいでしょう。
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