中南部に位置するバンメトートでは、高原地帯を活かした名物料理を楽しむことができます。また、それだけではなく、そこに暮らしている少数民族の郷土料理を食べる機会もあります。いずれも他のエリアでは食べることができないものばかりなので、是非バンメトート旅行の際はすべて食べていってください。
今回はバンメトートの名物一押し料理をご紹介したいと思います。
ティッボーメー(Thit bo me)
最初にご紹介するのは、こちら。七輪の上に置かれているのは底の浅い鉄板。具は玉ねぎと牛肉という非常にシンプルな料理です。この料理の特徴は黄土色のタレにあります。この液体タレは、実は「タマリンド」。タマリンドはアフリカ原産で熱帯地方で栽培されている植物なので、日本にはありません。このタマリンドはあんずのような甘酸っぱい味がして、ベトナム人は大の好物。魚介と和えたりしてよく調理されます。そのタマリンドを液状ダレにしてたっぷりと牛肉に絡めて食べるのは、ここバンメトートならではの食べ方です。
ヘオルン(Heo rung)
続いてはこちら。「Heo rung=いのしし」。つまり、いのしし肉と野菜を和えた料理となります。こちらは山岳地帯の名物となり、ダラットや中部高原地方ではよく食べられています。しかし、ここバンメトートにはとりわけ野生のいのししが多く生息していますし、またいのしし飼いの農家も多数見受けられます。ターメリックで味付けされているので、どことなくカレー風味がして美味。クセも消えているので、女性でも安心して食べることができるはずです。
コムラム(Com lam)
バンメトートでは必ず一度は食べておきたい名物がこちらのコムラム。竹筒の中におこわのようなもち米を押し込んで蒸した素朴な料理。ムオン族など少数民族の名物でもありますが、バンメトート全体でも普通に食べられています。ただ、こちらも他の料理と同様、ハノイやホーチミンといった他エリアでは見ることができません。
ブンドー(Bun do)
屋台グルメで筆者がおすすめしたいのが、こちらの麺料理「ブンドー」です。レストランではほとんど見なく、夜な夜な出没する屋台で食べることができます。ブンは麺の種類で、ドーは赤という意味。つまり赤い麺ということですが、よく見るとスープが赤いのが分かります。こちらはトマトベースにしているので、すこし酸味があります。マントムと呼ばれる紫の発酵タレを付けると、塩味が増します。丸太麺はつるつると啜ることができて、日本人向きでおいしいです。同じスープを使った「ブンリウクア」はカニ身の塊が具に入っているので、そちらもおすすめ(全国で食べられますが)。
ゴイカーダン(Goi ca dang)
サラダや炒め物には和えるという意味のGoiがよくついています。カーは魚、ダンは苦いという意味。和えられている小魚に少しばかり苦みが感じますが、魚を食べなれている日本人にとってはまったく問題なし。「苦くて食べられない」という方はほとんどいない程度の味付けです。この料理の最大の特徴は、「エデ族の民族料理」だということ。ラック湖傍の観光施設で食べることができます。エデ族はダクラック省に暮らす最大の少数民族。特にバンメトートとその周辺エリアに多く暮らしています。
チャーカーラックチエン(Cha ca lac chien)
こちらはラック湖の名物。ラック湖はゾウ乗り体験ができる人気の観光スポットです。ラック湖で獲れた魚介をすりつぶしてさつま揚げのように揚げたこちらは非常に美味。お菓子感覚で子供も喜んでくれますし、大人はビールと一緒に飲みたくなります。さつま揚げよりも魚介の風味が豊かで、なおかつちょっとピリ辛です。
観光名所のレストランで食事をとるのがおすすめ
ホーチミンやハノイであれば、そこらへんの観光客向けのレストランに入れば、たいていの名物をそこで網羅することができます。しかし、バンメトートはそこまで観光地化されていないため、普通の食堂やレストランでは扱っていないことも多々あります。そこでおすすめなのが、観光名所に併設されているレストランで食べることです。観光客向けにバンメトートの名物を取り扱っているので、ここでなら多数の名物を一度に食べることができます。
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