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情緒ある旅を!フエ観光で必ず行っておきたいスポット5選

ここ数年で日本人の中部旅行者が急増しています。それに伴い、中北部の世界遺産都市フエも認知度が上がってきて、現在では多くの日本人が訪れる観光エリアとなっています。しかし、中部地方は中心都市のダナンに加え、ホイアン、ミーソン遺跡と名所が散らばっているので、フエに長い時間滞在できる観光客は限られています。日帰りはおろか、半日しか滞在時間がないという旅行者も多いほどです。

そこで、今回はフエに訪れたら、どんなに時間がなくとも必ず行っておきたい名所を5つ紹介します。

名所①:歴代阮朝の宮殿がここに。「阮朝王宮」

IMG_5929.jpg豊かな芝生が敷地中央に広がる

ここに訪れなければ、フエに来た意味がないと言えるほど。まずご紹介するのは「阮朝王宮」。歴代13代阮朝国王が覇権を握っていた王宮です。本来ならば華やかな殿がいくつも見ることができるはずですが、ベトナム戦争時に多大な被害を被り、現在はそのほとんどが芝に覆われているだけとなります。ただし、砲台や太和殿、顕臨閣にいくつかの祠堂と石門を見学することができます。

IMG_5871.jpg敷地内最初にあるフラッグタワー

また、阮朝王宮は非常に広い敷地を持っています。王宮をざっと半周ほど回ったあとは、別の出入り口から出て、敷地外周を散歩するといいでしょう。敷地内には国旗掲揚塔であるフラッグタワーをはじめ、阮朝時代の遺産を展示した美術館、博物館などもあるほか、馬車や電気自動車による移動も可能です。屋台で飲み物を買ったり、行商からお土産を購入することもできるので、歴史好きではなくとも1時間~2時間くらいは見学に時間を費やすことができるでしょう。

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名所②:12代阮朝皇帝「カイディン帝廟」

IMG_6229.jpg兵馬俑のような石像が何体も立つ

続いて押さえておきたいのはカイディン帝廟。カイディン帝は12代皇帝で、歴代王朝の中でもとりわけ親仏で、これまでの中華式建築様式から一新して西洋風となっているのが最大の特徴です。カイディン帝廟は森林の中に建っているため、個人で自力で行くのは少々困難。タクシーをチャーターするか、ツアーに参加するのがいいでしょう。

IMG_6280.jpgカイディン帝の黄金の像

中国様式は古き佇まいに木造建築の静かな情緒ある外観が印象的でした。しかし、カイディン帝廟は御覧のように金箔が壁全体にはられていて非常に豪華な佇まい。歴史と文化を重んじる中国と、自由でエレガントな西洋の建築様式が調和した独自の廟といえるでしょう。また、カイディン帝はベトナム史でも重要な人物で、このフランス重視のカイディン帝時代に、ベトナム語はクオック・グーと呼ばれるローマ字表記に代わりました。それ以前は宗主国の中国を真似て漢文でした。

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名所③:400年以上の歴史「ティエンムー寺」

IMG_6065.jpg七十の塔。寺の象徴

フォーン川の向こう岸からでも見ることができる、八角七重の塔が象徴的のティエンムー寺。阮朝皇帝が建てたものではないようですが、こちらも立派な歴史遺産。1600年初頭に建てられた400年もの古い歴史を持つ仏教寺院で、フォーン川沿いの石段を上がると見えてきます。この寺院には言い伝えがあり、それによると、グエンホア氏は、町民からとある伝説を聞き塔を建てるに至ったそうです。それは「老婆がやってきて、こうお告げをしました。"いずれここに支配者が訪れ、霊気と龍脈を集めて塔を建てるだろう"」というもの。

IMG_6060.jpg小さな子供の僧侶もいる

その老婆は実は天女だったといわれていて、この寺を天女の寺という意味を込めて、ティエンムーと名付けました。現在では仏教寺院として、毎日多くの僧侶が読経する様子を見学することができますし、近隣の仏教徒も足しげく訪れる格式高いお寺となっています。阮朝王宮から行くことができるほか、帰りはボートに乗ってフォーン川を渡って対岸まで行くことも可能です。

名所④:ノンラ―と線香村でお土産を買おう

IMG_6414.jpg線香の制作工程を見学

ベトナム人は誰もが知っていますが、フエは線香とノンラ―の特産地でもあります。特に線香は旧正月の時期になると、ここで作られた線香は全国に出荷されて、その慌ただしい様子はベトナム正月の風物詩ともなっています。線香村は観光客向けに開放されているので、線香を作っている様子を見学できるほか、お土産にノンラ―やカラフルな線香、その他雑貨などを買うことができます。

DSCN8552.jpgノンラ―も部屋のインテリアにはいいかも

お土産用のノンラ―は刺繍が施されています。刺繍もベトナムの誇る伝統手工芸なので、二つの伝統土産を同時に買うことができるのでおすすめ。ノンラ―といえば市場のおばちゃんや農民のベトナム人がかぶっている、"昔の帽子"のようなイメージがありますが、実は現在でもホーチミンやハノイといった町中でもかぶっている人を普通に見ることができます。昔から今に続くベトナムの良き伝統の一つです。

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名所⑤:観光のメインストリートは「ファングーラオ通り」

DSCN8204.jpgベトナムらしいオープンカフェ

寺院や廟巡りに飽きたら、ベトナムらしい町の風景を歩けるファングーラオ通りが一押しです。阮朝王宮からフォーン川を渡って新市街に出て、レロイ通りを東に向かって歩くと同通りとの交差点に当たります。この通り沿いにはゲストハウスから1~3つ星の低中級ホテル、カフェ、レストラン、お土産ショップなどが軒を連ねています。カフェには中長期滞在している西洋人がオープンエアの席で読書をしているのが日常の光景。

DSCN8730.jpgおいしいフレンチが堪能できるレストラン

レストランはフエ料理が食べられるベトナム料理店だけではなく、フレンチ、イタリアンレストランなどもあります。筆者が行ったときは、深夜まで営業しているスポーツバーやカフェがあり、そこでピザやハンバーガーなどを食べることができました。お店の入れ替わりも早いので、どんなお店があるかは現地で確認してください。また、ツアーデスクも何軒かあるので、市内観光やダナン・ホイアン行きのバスチケットの手配も可能です。

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フエでゆっくりとした滞在余暇を

1日以上滞在することができるのであれば、ツアーに申し込んでガイドブックに載っている世界遺産建築物を巡るのが最も効率がいいです。一方半日以下の場合は、いくつかの寺院を回っただけでタイムオーバーとなり、古き情緒ある町中を散歩する時間はありません。もし短い滞在であれば、今回紹介した5つのスポットを巡ってみてください。世界遺産としてのフエ、それから伝統と町並みをすべて体験することができます。

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著者プロフィール

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ペンネーム: サイゴンの便り
学生時代にベトナムの民話と民族を研究して以来、毎年一回はベトナム旅行を楽しむように。そして、2011年に念願だったベトナムへの移住が決定。現在はトラベルライターとして、ベトナム各地の観光情報を読者にお届けしています。旅行者が寄り付かないようなローカルエリアに住んでいるので、毎日のんびりとした素朴な時間をおくっています。趣味はバドミントン。

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