トンレサップ湖は東南アジア最大の湖として紹介しました。乾季と雨季では見られる風景はがらりと変わり、いずれの時期の観光もおすすめ。雨季の5月ないし6月から11月頃までは美しい湖の姿を見ることができ、その面積は1万キロ平方メートルを優に超えます。国際河川であるメコン川が逆流してトンレサップ湖に流れ込むため、大量の淡水魚を水揚げすることができ、それらほとんどはカンボジア人の年間消費分として収まります。
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今回紹介するのは、トンレサップ湖に村を築いた「コンポンプルック」。彼らの素朴な生活を覗いてみたいと思います。
アクセス
トンレサップ湖の観光ツアーに参加すると、この村に立ち寄ることができます。広大なトンレサップ湖にはいくつかの集落があり、場合によってはコンポンプルックではなく"チョンクニア"という村に行く場合もあります。現地で申し込んだ場合は旅行会社に訊ねてみるといいでしょう。
コンポンプルックの概要
コンポンプルックには約600世帯が暮らしていると言われています。カンボジアでは12月~5月までは乾季で6月~11月が雨季に当たります。乾季の時期は御覧のように水も引いていて、人々は陸上の生活ができますが、雨季になると陸は水の底に沈み、人々は水上で暮らすことになります。
高床式住居は雨季の増水時に合わせて6メートルほどの高さに築きます。見渡す限りの大地がすべて水に沈むというのはにわかに信じがたいですが、これも自然の力と摂理。人々は一年の半分を陸で、残りの半分を水上で暮らすという、非常に興味深い生活をおくっています。ですのので、一家に一台あるのは車でもバイクでもなく、小舟。雨季では小舟に乗って学校や商店に行くことになります。
学校と語学塾を訪問
ツアーでは村内を見学することができます。こちらは小学校の様子。木造の机に黒板代わりのホワイトボード。生徒の制服とどこにでも見られる風景。しかし、全員が通えるわけではないようです。水上家屋で暮らす人々は、何かしら漁業に従事している家庭ですが、やはり生活は苦しい様子。お金を稼いでも、生活費やボートの修繕費用でほとんど手元に残らず、微々たるお金を貯金して子供を養っている家庭がほとんどと言います。
こちらは語学塾。乾季のときは陸に築き、雨季のときは高床式家屋の中で開催します。語学塾は英語を主に教えています。ボランティアやNGO団体からの寄付で集めたテキストやノートを使い、子供たちが将来町で働けるようにと、いまのうちから英語を身近におくことを目的としています。その成果もあり、子供たちの英語力はちょっとしたもの。まだ10歳くらいの少年少女が多いですが、英語による簡単なコミュニケーションはお手の物です。ツアー参加客も少しの時間、講師となって彼らに英語を教えることができます。通常は村の教師が英語講師を担っていますが、時折ボランティア団体が訪れるときは、彼らが子供たちに楽しく英語を教えます。その団体の中には日本人も多数在籍。その写真も傍に展示されているので確認してください。
これが村のコンビニ!
住居内に築いた日用雑貨店。こちらが村人にとってのコンビニ兼スーパーとなります。シェムリアップの町までは車で20分ほどかかるので、バイクなどを持っていない限りなかなか町へ行くことはできません。彼らの生活範囲は非常に狭く、このトンレサップ湖がすべての生活圏。ごらんのような日用雑貨店は村中に数店舗あり、彼らは日々ここで日用品を調達しています。
のどかな日常
バイクで野菜を売り歩く行商人と二人の女性。もちろん村人全員が顔なじみなので、絶えることのない談笑が村のいたるところで繰り広げられています。
トンレサップ湖は雨季に来るべきという意見が多いですが、しかし乾季の村の訪問も悪くありません。子供たちの無邪気に走り回る姿や人々の買い物や談笑の様子を垣間見ることができる、貴重な機会に巡り合います。
<DATA>
名称:コンポンプルック(Kompong Phluk)
住所:Kok Khdol village, Kompong Phluk commune , Prasat Bakang