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仏教大国ベトナム。旧正月は永厳寺に行こう!

毎年旧暦で祝うベトナムですが、2017年も1月28日に無事元旦を迎えました。新暦の正月を日本で迎えたのち、旧暦をベトナムで過ごした旅行者もいるのではないでしょうか。ベトナムの町を歩いていると、どこもお店はシャッターを閉めていて、住宅街は閑散としています。「彼らはどこで正月を過ごしているんだろう」と考えている方、今回はベトナム人の初詣の様子をご紹介したいと思います。

ベトナム人の初詣はどこでする? 

IMG_3183.jpg本堂正面には如来像が立つ

ベトナムでも日本と同様初詣の習慣があります。だいたい元旦から三が日の間で初詣を済ませるのは日本人と同じかと思います。仏教の寺や寺院は市内郊外問わず多数点在しており、あまり宗教に関心のないベトナム人は、自宅近くの小さな名も知れぬお寺で参拝する人もいます。ただ、多くのベトナム人は「初詣はしっかりとした由緒正しきお寺で参拝したい」と考えているようです。

ホーチミンで暮らしている人にとって、由緒あるお寺といえば、まず挙がるのが「永厳寺」。ホーチミン中心にあり誰もが知っている有名な寺院です。郊外にいけばタイニン省やメコンデルタのチャウドックにも全国から押し寄せる歴史ある寺院があります。今回行ってみたのは永厳寺。日本から寄与された鐘楼と巨大な黄金の大仏がある旅行者向け観光スポットの一つでもあります。

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旧正月三が日は人で埋め尽くされる!

IMG_9701.jpg毎年お馴染みの様子

永厳寺へのアクセスはホーチミンの1区中心地から非常に容易。市民劇場やベンタイン市場からタクシーで約10分程度で到着します。永厳寺は朝から多くの人だかりができているので、見落とすことはないでしょう。普段は一部の熱心な仏教徒しか訪れませんが、この正月期間はご覧のあり様。普段お寺に行かないような若者も、この日だけは参拝に訪れます。

この人込みは正月三が日から一週間ほど続きます。2017年は28~31日までがもっとも多く、それ以降も2月頭までは毎日ベトナム人や観光客で賑わいます。

レストランもある

IMG_3190.jpgここでランチをとるのもいい

永厳寺の敷地は広く、入口入って左手には屋台やお土産店、レストランまであります。レストランというよりは大きな食堂のようなお店です。料理の種類は多く、精進料理をメインに日本では食べたことのないメニューが充実しています。

線香を買おう

IMG_9676.jpg正直かなりしつこい売り子もいるので注意

敷地内やお寺傍の通り沿いには、ご覧のように線香を売る屋台や行商がたくさんあります。線香をあげて参拝するのは誰もができ、ベトナム人である必要もなければ、仏教徒である必要もありません。よくよく見ると、カメラを持った欧米人観光客も面白半分で線香をやっています。ベトナムの仏教は、そこらへんは非常に寛大なので特段失礼にも当たりません。旅行者であれば、是非現地人に倣って体験してみてください。

IMG_3195.jpgベトナムの習慣を体験しよう

線香を買う場合は、行商はぼったくる可能性があるので、敷地内にある屋台で買うようにしましょう。お寺の通り沿いにある個人商店から買うと少し安くなります。線香は束になって売っていますが、買うのは一束で十分です。ただし、この一束は数多くある仏壇やお供え物などに少しずつ分けてあげるので、配分は肝心の仏像にあげる分がなくなった、とならないように注意してください。

鐘楼を打つ

IMG_9711.jpg日本でも似ている光景

本堂への石段を上がって右手にあるのが大きな鐘楼。日本の寺が寄与されたもので、確かに鐘楼には日本語の文字が刻まれています。普段は誰もつくこともありませんが、正月だけは多くの人が並んで鐘を打って祈願をします。

IMG_3224.jpg数十人の僧侶が暮らしている

本堂脇にある別館は僧侶が暮らす部屋です。袈裟が干されていたり僧侶の人たちの普段見れない生活習慣を垣間見ることができます。住宅街にあるお寺は仏像が置いてあるだけですが、このように規模が大きな寺院では、僧侶が暮らせる場所や勉強する宿舎のような建物が併設されています。また、熱心な仏教徒も毎日訪れるので、日本の神社や寺院とはまた異なる風景を見ることができるでしょう。

本堂で初詣!

IMG_3211.jpg巨大な大仏の下で参拝するベトナム人

本堂に入ると、正面には巨大な黄金の大仏がうかがえ、その下には多数のベトナム人が膝をついて参拝しています。ベトナム人の参拝方法は日本と異なり、手の平を合わせた両手を上下に動かしたり、跪いて合掌しながら首を垂れたりします。もし旅行者の中で参拝する方がいたら、彼らに倣って同じような作法で参拝してください。

また、1日複数回定時に僧侶と仏教徒がここでお経を読みます。そのときは努めて静かに見学してください。

IMG_3222.jpgカラフルな仏像はなんだか違和感があるが......

参拝するのは巨大な仏像のほか、両脇に安置されている小さな仏像。さらに裏側には永厳寺設立に縁のある重要な人物の位牌があり、そこも参拝の対象となります。

仏像にはそれぞれ写真上のように背後に後光を再現したピカピカの電飾が飾られています。これはほかの仏教寺院でも同様で、「神らしく派手に」というのがベトナム人のスタンス。「古き良き」、「厳かに」といった日本人的な考えはあまりないようです。これも文化の違いですね。

旧正月期間の旅行は彼らの生活を垣間見る

旧正月期間は博物館や美術館なども休館していますし、スパや雑貨店も三が日は休業しています。観光に困ったときは、目的を切り替えて彼らの正月の過ごし方を追ってみるのはいかがでしょうか。少し変わった旅行ができて、それもベトナムらしさがあっていいものです。

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著者プロフィール

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ペンネーム: サイゴンの便り
学生時代にベトナムの民話と民族を研究して以来、毎年一回はベトナム旅行を楽しむように。そして、2011年に念願だったベトナムへの移住が決定。現在はトラベルライターとして、ベトナム各地の観光情報を読者にお届けしています。旅行者が寄り付かないようなローカルエリアに住んでいるので、毎日のんびりとした素朴な時間をおくっています。趣味はバドミントン。

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