ベトナム旅行・ツアーをお任せしたい旅行サイトNo1獲得日本マーケティングリサーチ機構調べ

ベトナム旅行専門店 ベトナム王

ブンタウは大統領の別荘地でもあった。「ホワイトパレス」

ホーチミンの南南東に位置しているブンタウは、バリア=ブンタウ省の旧省都。ガイドブックでは日帰りで行ける郊外ビーチエリアとして近年紹介されるようになり、外国人に対してもじわじわと認知度を上げてきています。今回紹介するのは、ブンタウの観光地にもなっている「ホワイトパレス」。フランス建築が施された美しい内外装に歴史を感じていってください。

アクセス

IMG_2957.jpg白亜の外観はいまだ色あせない

場所はブンタウの観光エリア内。南シナ海に突き出た湾を海沿いに周遊していると見える小高い丘の上の建物です。ホテルなどが建つトゥイヴァン通りの真逆となりますので、バイクや車で行く際は、他の観光名所を巡るために湾に沿って走るのもいいですし、東西を走るホアンホアタム(Hoang Hoa Tham)通りでショートカットすることも可能です。

ちなみに、ホアンホアタム通りにはタンタム廟というツアー行きつけのお寺があるほか、食堂や屋台などが並びベトナムらしさを感じる素朴な通り道となっています。このあたりで食事処を見つけるのもいいかもしれませんね。

美しいフランス建築の賜物

IMG_2965.jpg等間隔に並ぶ部屋。シンメトリーの構造

ホワイトパレスは1889年に建てられました。19世紀はフランス植民地の真っただ中。ただし、フランスがベトナムを植民地としたのは1887年からなので、比較的統治時代幕開け当初に作られたと言えます。

外観と内観は御覧の通りのコロニアル建築。コロニアル建築は、当時イギリスやスペイン、オランダを中心に植民地先で使われていた建築技法で、大きな窓やバルコニー(ベランダ)、回廊、左右対称のシンメトリー構造などがその特徴と言えます。

IMG_2950.jpg建物脇には砲台が設置されている

古びた砲台。ホワイトパレスは小高い丘の上に建っているので、敵が攻めてくることなどを想定してのことでしょうか。実際使われたかどうかは定かではありませんが、このホワイトパレスが建てられた当初はフランスの総督が別荘地として利用していましたですので、反仏勢力を危惧していたことは考えられます。

IMG_2975.jpg景色は絶景

また、ここからは南シナ海を見渡すこともできます。ブンタウの海は波が小さいのでサーフィンなどマリンスポーツには適していなく、また遠浅で夜になると潮が数百mにわたって引く珍しい現象も見ることができます。

ホーチミン人にとってはホーチミンから最も近いビーチエリアとして認知されていて、海鮮もおいしいと定評があります。近年は日系の旅行会社もここブンタウに目をつけて、日帰りプランのツアーを組んでいます。ホーチミンからバスで2時間と比較的近場にあるので、時間に余裕がある方は、一度訪れてみてください。

歴代南ベトナム大統領も利用

IMG_2971.jpg応接室と寝室ともに当時のままだが保存状態はいい

内観の見どころはそれほど多くはありませんが、応接室と寝室は見ておきたいところです。両部屋とも当時のままの状態で現状保存されていて、当時はフランス総督や歴代南ベトナム大統領がここに座ってくつろいでいたとされています。

応接室では見事なまでの美しい漆のテーブルチェア。特にアームチェアは歪曲のアーム部分や脚、背には職人の技が光る技巧をうかがうことができます。中部ホイアンにはキムボン村という木彫りの村がありますが、このようにベトナムは古くから手工芸品が発達していました。ときには中国への朝貢として、またときには日本などへの交易品として重宝されてきました。

IMG_2974.jpg寝室。当時の贅沢ぶりもうかがえる

ゴ・ディン・ジェムは初代南ベトナム大統領です。1963年にクーデターを起こされて処刑されることになりました。さらに次期大統領にはグエンバンチューが2代と3代を務めました。グエンバンチューは現在でも通りの名前になっていますが、決して英雄扱いはされていませんでした。当時グエンバンチューは麻薬取引の元締めも行っていたと言われていますし、汚職や不正も多発していたようです。

そのグエンバンチューも、このホワイトパレスは気に入っていたよう。丘から雄大な海を眺めてなにを想っていたのでしょうか。

沈没船から引き揚げた品々

IMG_2961.jpg数多くの陶磁器が展示されている

また、館内には、展示室もあります。ここではブンタウの近海で沈んでいた沈没船を引き揚げたのち、発見された陶磁器の数々が展示されています。どのような経緯で沈没したのかは定かではありませんが、ここに並ぶ品のほとんどは保存状態がよく、また、一つ一つの価値も高いと言われています。

IMG_2963.jpg全体を通せば意外と長く鑑賞できる

ホワイトパレスはブンタウ観光における必須の名所、というわけではありませんが、キリスト像やマリア教会、タオ寺など湾沿いにあるため、それらと併せて立ち寄るのがいいでしょう。

<DATA>

名称:ホワイトパレス
住所:4 Tran Phu St. Vung Tau
営業時間:7:00~17:00

[local, 30]

著者プロフィール

著者写真

ペンネーム: サイゴンの便り
学生時代にベトナムの民話と民族を研究して以来、毎年一回はベトナム旅行を楽しむように。そして、2011年に念願だったベトナムへの移住が決定。現在はトラベルライターとして、ベトナム各地の観光情報を読者にお届けしています。旅行者が寄り付かないようなローカルエリアに住んでいるので、毎日のんびりとした素朴な時間をおくっています。趣味はバドミントン。

カテゴリー別記事一覧

月別記事一覧

  • ベトナム さくっと 早わかり!
  • カンボジア さくっと 早わかり!
トップへ戻る