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戦争証跡博物館から徒歩1分!海鮮レストラン「コアイ」

ベトナムは東南アジア地域で最も東にあり、国土の東部は南シナ海、南部はタイランド湾に面しています。また、南西部メコンデルタ地方はラオスやカンボジア、タイといった諸外国に跨る国際河川メコン川が流れています。ゆえに、ベトナムには日本の海や川では獲れない魚介もたくさんあり、これらは旅行中一度は食べておきたいところです。

今回はその中でも南シナ海に面しているニャチャンで獲れる魚介を提供するシーフードレストラン「コアイ」をご紹介。

ホーチミンで新鮮な魚介を食べるには?

ご存じない方も多いかと思いますが、ホーチミンには近場に海がありません。最も近いのはブンタウもしくはカンザーですが、車で2時間走ったところ。ベトナムはまだ品質管理が悪く、また冷凍保存技術も日本のそれと比べると足元にも及ばないと言われています。ですので、ホーチミンに運ばれるころには鮮度が落ちていることがほとんど。

本当に新鮮でおいしい魚介を出すレストランを探すのであれば、ベトナムのウェブサイトや観光情報、口コミサイトなどを事前に細かくチェックするといいでしょう。ちなみに、ベトナム人も上記の事情は知っているため、彼らもおいしいシーフードレストランを探すのに躍起。もし見つけたらフェイスブックや口コミサイトなどで紹介して広めます。

戦争証跡博物館から徒歩1分

IMG_5008.jpgこの通りは近年レストランが並ぶ

今回紹介するレストラン「コアイ」は、戦争証跡博物館から徒歩1分の距離にあります。同博物館はボーバンタン通りとレークイドン通りの交差点に面していますが、コアイはレークイドン通り沿いにあります。個人行動で博物館に行くのであれば、博物館に行く前後の時間にレストランを利用するのはいかがでしょうか。

ニャチャン・シーフードの人気レストラン「コアイ」

IMG_5017.jpg落ち着いたシックな内装

レストランは昼時は近くのオフィスで働くベトナム人たちでにぎわっているほか、ディナータイムは団体の現地人で大盛況です。ただし、レストランは2階建てでテーブル席も多数確保されているので、お一人はもちろん団体で来るのもOKです。日本人旅行者の中には大学生のゼミ旅行でもしばしば利用されているようです。

ちなみにコアイのあるレークイドン通りは、ここ数年で風景が様変わりして、若者向けのビアクラブや韓国焼き肉レストランなど、中級レストランが増えつつあります。戦争証跡博物館が近くにあることから、マップを広げて歩く外国人旅行者の姿も増えてきた様子です。日本のガイドブッウを見ると、まだまだドンコイ通りやパスター通りと比べると目劣りしますが、日本人でも満足できるレストランがきっとあるので、この通りを一度歩いて店を物色してみるのもいいかもしれません。

ニャチャンへのこだわりが随所にみられる

IMG_5011.jpg奥行きのある店内は2階席も似た造りとなっている

ニャチャンと言われてピンとこない人向けに。
ニャチャンはベトナム中南部沿岸地域で、ベトナムで最大規模のビーチリゾートとして旅行者には認知されています。特に欧米人に圧倒的な人気を誇り、ベトナム全国の観光エリア中でリピート率はNo.1というはずれなしのリゾートエリア。

[local, 20]

当レストラン「コアイ」は、ニャチャンに本店を構え、現地では誰もが知る人気のシーフードレストランです。どちらかというと現地人に人気があり、そのためか、ここホーチミンの店でも客層はベトナム人が主。

IMG_5021.jpg古き良きといった雰囲気

ニャチャン出身のオーナーが経営するコアイは、店内もニャチャン仕立て。ニャチャンに古くから伝わる建築様式で作られた内装は、漆塗りのテーブル席が基調となる落ち着いた雰囲気。壁には水墨画で描かれた古き良きニャチャンの風景画を見ることができます。

ニャチャンは確かにリゾートエリアで、市街地は高級ホテルやレストラン、シーサイドバーなどが並ぶ外国人のメッカ。しかし、市街地から少し離れると、いまだに田舎の風景が続き、この水墨画や白黒の写真と同じ光景がいまでも見られます。

IMG_5014.jpgベトナム人客は団体が多くみんなで杯を交わすのが慣習

1階席、2階席ともに御覧のような団体客用の縦長の席が設けられています。ベトナム人は会社の同僚上司や親戚家族、友人たちと団体で食事をするのが習慣。みんなでジョッキや瓶ビールを傾けて乾杯をする光景は、とてもベトナムらしく思えます。

コアイはすべてオープン席で、仕切りのある個室はないので重要な食事会や接待には多少不向き。しかし、接待の中でもベトナムが初めてという人や、すでにベトナム在住歴が長い人に対しては、ここもおすすめできます。また学生旅行など友人同士でのベトナム旅行でも活躍してくれることでしょう。

海の幸はすべて産地直送!

ca Dia nuong la chuoi (Grilled siganus wrappend in banana leaf ) gia 39,500 dong la 100gr.jpgアイゴのグリル 39,500d/100g

コアイのメニューはすべてニャチャンの名物。ほとんどはシーフードが占めます。そして、ここにもニャチャン出身のオーナーのこだわりが。コアイで提供される魚介は、すべて海の町ニャチャンからの産地直送。コアイのために毎日運ばれてくるので、高い鮮度を毎日保つことができます。

料理は一品当たり定価が決められているものもあれば、100g当たりの料金が記載されているものもあります。魚介にこだわりがあるため、そこらへんのレストランや食堂と比べると値段は若干高めの印象。しかし、日本では食べられない南シナ海の魚などは、ここで是非味わってほしいところ。予算を気にしている方は、料理を注文する前にスタッフに一匹の値段がいくらか聞くのもいいでしょう。100gの値段が表示されていても、その魚が何gあるのか見当がつかないのは、ベトナム人も同じ。気軽に質問してください。

こだわりその2。ニャチャン出身の料理長

1Untitled.jpgクラゲが入っているブン料理 80,000d

新鮮な魚介料理もいいですが、ここベトナムでしか食べられないニャチャン料理も堪能していってほしいところ。おすすめはこちら。ブンチャーカーカーダムスア(Bun cha ca ca dam sua)というブン料理。ブンはフォーと同じ米粉麺ですが、丸細い麺をしているのが特徴です。スープはあっさりとしていて女性向き。トマトの若干の酸味もあいまってヘルシーです。

具はニャチャン名物のチャーカーとクラゲ。チャーカーはベトナム版のさつま揚げで、発祥がどこかは不明ですがニャチャンのチャーカーは全国屈指と評判高いです。さらにクラゲを食べるのもベトナム人。スーパーでも気軽に手に入る食材ですが、日本人にとっては新しい味と食感に出会えることでしょう。こちらも必食です。

banh can nấm chay ( nha trang  traditional rice cake cooked in a claypot with mushroom ) gia 59,000 dong.jpgバインカン 750,000d

写真上の半円の料理はバインカン(Banh can)と呼ばれる海の町の料理。ホーチミンの隣町のブンタウでも人気ですが、多くのベトナム人は一番おいしいバインカンの町にニャチャンを挙げます。バインカンは日本の明石焼きのような食感の料理で、ヌクマムに浸して食べるのが一般的です。本場のニャチャンでは道端の屋台でもよく見られますが、ホーチミンでは見ることはありません。

また、これらの料理はすべてニャチャン出身の料理長が指揮のもと作られているのも特徴の一つ。ニャチャンの名物は、何十年も食べ続けてきたニャチャン出身のシェフが作るのが一番。オーナーはそう考えているそうです。ベトナムのレストランでは稀に見るこだわりようですね。

財布の紐は緩めて臨もう

せっかくのベトナム旅行だから、メニューの値段を気にして注文するのはちょっと残念。ベトナム旅行でしか食べられない本場の味というものを、コアイは漏れなく提供してくれます。だからこそ、こちらも財布の紐は多少緩めて、お店がおすすめする魚介をたっぷりと堪能していってください。ちなみに、魚介料理の場合は複数人で割り勘すれば、それほど高くは感じません。

<DATA>

名称:コアイ(Khoai)
住所:3A Le Quy Don St. Dist.3. Ho Chi Minh
営業時間:7:00~22:00

[local, 253, 442]

著者プロフィール

著者写真

ペンネーム: サイゴンの便り
学生時代にベトナムの民話と民族を研究して以来、毎年一回はベトナム旅行を楽しむように。そして、2011年に念願だったベトナムへの移住が決定。現在はトラベルライターとして、ベトナム各地の観光情報を読者にお届けしています。旅行者が寄り付かないようなローカルエリアに住んでいるので、毎日のんびりとした素朴な時間をおくっています。趣味はバドミントン。

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