ホーチミンから郊外へ車を走らせること約2時間。到着した場所は「カンザー(カンヨー)」です。ベトナム人にとってはブンタウに並ぶ海の町として、旅行客にとってはマングローブの森を鑑賞するエコ・ツーリズムが人気の場所として支持されています。今回紹介するのは、マングローブの森を小舟で周遊するオプショナルツアー。
カンザー観光のメインでもあります。
アクセス
ホーチミンからツアーで行くのであれば道に迷うことはありません。個人で行く場合は4月30日ビーチに向かうまでの大通りをひたすら走ることになります。その道中にモンキーアイランドもマングローブもあるのですが、ご覧の通り大きな看板が出ています。この看板を見つけて、右に曲がり、さらに直進すると到着します。
受付でコースに申し込む
こちらがマングローブの森へと続く敷地内。プレハブ小屋で受付を済ませます。また、すぐそばにはバイクの駐輪場兼古びたカフェがあります。こちらで水分補給をしておいてください。
ここのマングローブの森は、完全に観光地化されていますので、個人で自由に出入り見学することはできません。受付でコースに申し込むことになりますが、コース内容はマングローブの森だけではなく、ワニ釣り体験、吊り橋体験などいくつかあります。ただし、ここはあくまでもマングローブの森がメインなので、マングローブの鑑賞ツアーのみの参加で問題ありません。
マングローブの森までスピードボートで
一番人気のコースは、手漕ぎボートに乗ってマングローブの森の中を周遊するもの。今回はそちらを紹介。道中は高さ26mの高台に上ることができ、そこから見るマングローブの森の風景は壮大です。
さらに湿地帯に入るのですが、そこまではスピードボートで行くことになります。この壮大な風景の中をモーターボートで駆け抜けることができますので、ネイチャーワールドを思う存分楽しんでください。
マングローブとは
マングローブは湿地帯や河口付近に生育するちょっと不思議な植物。マングローブと一概にいってもその種類は多種におよび、マングローブという名の植物が存在するわけではありません。
マングローブはご覧のように根っこが丸見えとなっているのが特徴。満潮時には水中に根を張り、水がひいたときは土に根を張って育つことができます。
小舟に乗ってマングローブの森を周遊
スピードボートで湿地帯の中に到着したら、手漕ぎボートに乗ります。定員6名の小さなボートで、他の客と相乗りとなるのでご了承ください。ボートはかなり揺れるので小さなお子さんはふざけたり立ったりしないようにしてください。本当に落ちてしまいまs。
手漕ぎボートでの周遊は約20分~30分程度。コースは決まっています。
ボートはゆっくりと湿地帯の池を周ります。時間を忘れて雄大な自然を余すことなく感じてください。
マングローブは浄水効果やそこに生息する動植物の生態系に非常に密接な関係があるとされています。また、一昔前から騒がれている地球温暖化とマングローブの世界的な減少も関係があるとの説が有力です。東南アジアでは木炭の原料となることから伐採が進んでいましたが、近年はマングローブの保護が叫ばれているため、徐々に植林をして増やしています。
ベトナム戦争でアメリカ軍が全土に撒いた枯葉剤。除草剤に使われるダイオキシンとなりますが、これが原因でカンザーのマングローブ地帯のうち、約4万ヘクタールが枯れてしまいました。しかし、マングローブの保護の名のもと、地元民やベトナム政府、日本のNGOなどの協力を経て、現在では3万ヘクタールまで回復しました。
コウモリも見れるかも?
また、このマングローブの森は、コウモリの棲み処でもあるようで、夜になると活発に活動をはじめるそうです。昼間はあまり見ることはできませんが、コウモリの巣があるところまで連れて行ってくれますので、運が良ければ飛んでいるコウモリを見ることができます。
そのほか、水面から背高く伸びる水草や水中生物、底生生物などを見ることができます。
まとめ
ベトナム南部でマングローブが見れるのはカンザーくらいです。現在マングローブは世界で1800万ヘクタールあると言われています。一見するとたくさんあるように思えますが、日本の国土の半分程度しかありません。そして、そのほとんどはベトナムを含む東南アジアに生育しています。ほとんどの日本人はマングローブを直接見たことがない方がほとんどかと思います。非常に貴重な体験となるので、積極的にご参加ください。
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