フーコック島の夜といえば、ナイトマーケットが一番のお楽しみスポット。しかし、今回はちょっと変わったナイトスポットを紹介したいと思います。それは「イカ釣り体験」。まだ外国人には認知度がなく、ベトナム人旅行客御用達のツアーとなります。
[local, 146]実はベトナムは釣りスポットが豊富
ベトナムは、池や川、海など水域が非常に多く、フーコック島からは遠く離れたホーチミン方面など様々な地域で、釣りを楽しむことができる場所がたくさんあります。そんな数々の釣りスポットの中でも、きれいな海を見ながら、熱帯ならではの魚やイカ釣りを楽しめるのがフーコック島。竿やルアーの貸し出しをしてくれるお店も多く、釣りが趣味でなくても気軽に楽しむことができ、ナイトマーケットやシュノーケリングと並ぶほどの人気があります。
ツアーの参加方法と価格
イカ釣り体験はツアーに申し込む必要があります。ユーンドン市内のツアーデスクやホテルでは、まず間違いなく取り扱っていますので、ご安心ください。ツアー会社は何社かありますが、いずれも内容は同じです。料金もほとんど差はなく、だいたい15ドル程度。1700円程度で一夜を楽しく過ごせるのであれば、安いものです。また、ツアーが終わる時間は22時前なので、それからナイトマーケットやナイトバーに繰り出してもいいですし、シャトルカーでホテルまでおくってもらうことも可能です。
ベトナムで最も美しいサンセット
ツアーの待ち合わせ場所はユーンドン市の中心で、ナイトマーケットから徒歩5分圏内です。漁船が多数停泊している港があり、その一つに乗り込みます。船は意外と大きいですが、航海中は少々揺れます。出航時間はツアー会社によって異なりますが、およそ17時30分〜18時30分開始となります。食事は船上でとることができますが、ミーサオ(インスタント麺の焼きそば)やお粥など大したものはでないので、ここではあまり食べずに帰りにレストランやナイトマーケットで食事を取るのがおすすめです。
船が出航したら、甲板に上がってしばしゆっくりとしましょう。参加者分のデッキチェアが並んでいますので、お好きな場所を陣取ってください。ちょうど日没前の出航なので、夕暮れのサンセットを眺めることができます。
同時刻には、他のツアー船も出航しています。また、石山殿の横を通るので、観光客がこちらに向かって手を振ってくれることも。ツアー船はライトアップされ、船内も明るく間接照明が照らします。約15分から20分ほど船は沖を走り、ホタルイカの生息スポットまで行きます。
空も海も紫色に染まるフーコック島の幻想的な夕暮れ。水平線付近は濃い紫で、そこからグラデーションを描くように幾重の紫が風景を作ります。フーコック島のサンセットは、ベトナムで最も美しいといわれています。タイランド湾に沈む綺麗な日没を鑑賞できるのは、フーコック島だけです。
ガイドの説明にしっかりと耳を傾けよう
ポイントが近くなると、ツアーガイドによるイカ釣りの説明があります。参加者のほとんどはベトナム人なので、基本はベトナム語で説明します。ただし、必要なところは要所要所で英語で説明してくれます。とはいっても、使うのは釣り竿ではなく糸釣りです。糸の先端にルアーがついていて、餌はなく針のみ。数メートル垂らして、ルアーが生きるように上下に揺らすだけですので、誰でも簡単にできます。
ウニを食べられるかも
ツアーによっては、ウニのサービスがあります。ウニは港町の人しか食べませんので、ベトナム人にとってはあまり馴染みがありません。ナイトマーケットでも同じものを食べることができますが、船上で頼むと半額くらいの値段で食べることができます。注文したい場合は、個数と食べ方をガイドにお伝えください。もちろん生でも食べることができます。
ホタルイカ釣り体験
日本でもそうかもしれませんが、ベトナムでは釣りは男のロマン。女性が釣りをしている光景はほとんどみません。しかし、本音はちょっと興味があるようですね。ツアーの参加者は女性と男性が半分半分。ちょっと意外でした。
渡された釣り具で巻いてある糸をほどき、ゆっくりと糸を海に垂らします。ホタルイカは光に集まりますので、釣り竿のように遠くへ飛ばす必要はありません。真下に垂らしましょう。海はそれほど深くないので、糸をほどき続けていると海底についてしまいます。それではイカは釣れませんので、糸を引っ張ったり緩めたりして、ルアーを生きているようにしむけましょう。
船内は自由に行動できるので、場所を変えることもできます。ただし、あまり場所を変えても効果はないかと思うので、一点に集中してみてはいかがでしょうか。約1時間程度楽しんだら、注文したウニと食事が運ばれてきます。イカ釣りはこれで終わりとなるので、もっと楽しみたい方は、食事返上で続けることも可能です。筆者が参加したツアーでは、ミーサオ、お粥、海老、スイカが出てきました。
ツアーの参加者は20人程度いましたが、釣れた人は一人、しかも一匹のみです。運がいいと半分以上の参加者が釣れることもあるそうです。しかし、夜の海で糸を垂らして、じっと待つ。異国の風が時折髪を撫でで、潮の香りが鼻腔をくすぐる。たとえ釣れなくとも、心は満足することができます。
フーコック旅行のおすすめナイトツアーです。