ベトナムの麺料理といえば、「フォー」が日本人の間では最も有名。ヘルシーなエスニック料理として、日本人女性の間で話題になりましたね。そんな日本人の舌にも合うベトナム料理ですが、麺料理は何もフォーだけではありません。 今回は、現地に降り立ったらマストで食べたいベトナム麺を6つ紹介したいと思います。
多様性に富む麺料理
ベトナムの主食は白米ですが、麺もかなりの割合で実際は食べられています。朝、昼、夜の食事はもちろん、夜食にふらっと道端の屋台で腹ごなしするのも決まって麺料理となります。その麺料理は平たい麺の「フォー」だけではなく、実に多様性に富んでいるのはご存知でしょうか。旅行者の間ではどうしてもフォーが先行してしまって、「本場のフォーを食べる」ことが旅の目的になりがち。
もちろんフォーもベトナム人が愛する麺料理の一つですが、それだけではありません。日本でもラーメン、そば、うどんとあるように、ベトナムも同様であることが言えます。旅行に訪れたなら、是非一つでも多くの麺料理を食べ歩いてみて、気に入った麺を見つけてみてください。
1、フォー
まずは「フォー」。ベトナム料理を語る上で欠かせない麺料理ですね。平たい米粉麺にもやしやネギ、コリアンダーなどを添えていただきます。また、具に牛肉が使われているのは「フォー・ボー」、鶏肉は「フォー・ガー」となり、どちらも人気があります。また、あまり知られていませんが、フォーを扱う食堂で必ずあるのが「半熟卵」。温泉卵のように、半熟卵にフォーのスープがかけられています。メニューにない場合も多いですが、注文すればまずあります。
一杯2万〜3万ドン程度で食べられ、ベトナム人の間でもヘルシー料理として女性に人気です。
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2、ミークワン
フォーのように平たい麺ですが、フォーよりもコシがしっかりしている麺がこちらの「ミークワン」。味の濃い中部料理の代表です。少量の濃厚スープと麺をかき混ぜて食べてください。中部の郷土料理ですが、ベトナム全国で食べることができます。ただし、やはり本場は中部。ダナン市街地でもよく見かけるほか、少し郊外へ出れば、フォーやブンよりも多く看板を見つけることができます。
3、ブンティッヌン
ブンと呼ばれる米粉を素材にした押し出し麺は、麺料理で最もベトナム人に親しみのあるものです。さまざまな調理法で使えるのが特徴で、生春巻きの具にも利用されています。ブンティッヌンは汁無しのブンに焼き豚肉やいくつかの惣菜と青野菜を具にした一品。ヌクマムをかけて混ぜながら食べます。店によって具はさまざまで、また汁はヌクマムのみなので、ヌクマムの品質によっても味が変わってくるというデリケートな料理でもあります。
基本は食堂、レストラン、フードコートなどで食べることができます。こちらもベトナム全国で食べることができますが、ブンの産地である南部地方の名物となっています。
4、ブンチャーハノイ
「ブンチャーハノイ」、もしくは「ブンチャー」と表記されるこちらは、ブンと呼ばれる米粉麺のつけ麺料理。麺を浸すスープはヌクマムやビネガーを含む幾種類の調味料を調合したもので、具は肉団子や豚肉、揚げ春巻き、かき揚げなどがオーソドックスです。
ちょっと酸味が効いていますが、ブンとの絡みが非常によく、レタスや青野菜と一緒に食べるとさっぱりした風味で食べやすくなります。名前の通り北部のハノイ発祥の料理とされていますが、ホーチミンでも幅広く食べられています。
5、フーティウ
ちょっと油っぽいものを求めるなら、こちらの麺料理はいかがでしょうか。「フーティウ」は南部名物で、さらに遡ればカンボジアが発祥といわれています。そのフーティウは細麺ですが、しっかりとしたコシがあるので、歯ごたえを感じることができます。豚骨でしっかりと出汁をとったスープは、店によって味の表現方法が異なるのが特徴。豪快にがっつきたくなる大振りの豚肉が具に入っていることがよくあります。
また、フーティウを扱う食堂では、「フーティウ・コー」という料理もあります。メニューに載っていない場合もありますので、実際は店のスタッフに訊ねてください。「コー(Kho)」とは「乾いた」という意味。つまり、スープ無しです。濃厚な味付けがされていて、日本の焼きそばを彷彿とさせる料理。日本人の舌にもよく合います。
6、バンカン
米粉麺が主流のベトナムですが、こちらはタピオカ粉を練った麺となります。女性を中心に人気があり、在住日本人女性にも評判がいいです。
具やスープは店によって異なりますが、往々にしてさっぱりとした味わいが特徴。それでいて歯ごたえのある丸麺なので腹持ちも抜群。また、バンカンの中でも「バンカン・クア」は一番人気。「クア=カニ」、泥カニから出汁をとった風味豊かなスープと、カニの身をすり身にした具は男女ともに支持されています。旅行者の方にも押さえておいてほしい一品です。
麺料理の食べ歩き
今回紹介した麺からも察することができるように、ベトナムの麺料理はどれも低カロリーがうり。カロリーを気にする女性も安心して食べ歩きを楽しむことができます。また、同行者がいれば一杯だけ頼んでシェアするのもいいでしょう。滞在期間中、上記6品をすべて制覇するよう計画を練ってみるのもおすすめです。もちろんここで紹介している以外にも種類はありますので、「まずは試食してみる」という気概で臨んでみてはいかがでしょうか。
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