ダラット駅はスアンフーン湖沿いを走ると見えてくる、西洋風の建物。ダラット市場周辺から向かうのであれば、タクシーがおすすめです。
ダラットはフランス統治時代にフランス人によって開拓された町で、今回紹介するダラット駅もそのときの産物。日本では廃れてしまい長らく経つ蒸気機関車に乗って、隣村まで行くことができます。今回はその模様をご紹介したいと思います。
西洋の香りがするダラット駅
フランス統治時代に作られたダラット駅は、左右対称シンメトリーの造りをもった洒落た駅舎。当時はベトナムで最も美しい駅と言われていました。
フランス統治下時代、多くのフランス人はベトナムの常夏の環境に慣れることができませんでした。そこで、療養する避暑地としてダラットを開拓したのが歴史のはじまり。当時はダラットと周辺区域を網羅する計画でしたが、地形柄困難を極め、幾多の工事の中断をし、現在では隣村を繋ぐにとどまっています。
憧れの蒸気機関車
蒸気機関車は日本国内では既に実用的には廃止されてしまっていますね。ダラットでも、現在では観光客用の乗り物となっているのが少し残念なところ。ソ連製のSLは、よく写真やイラストで見るものと同じ外観で、鉄道オタクではない人でも胸躍るのではないでしょうか。
ちなみに、実際乗車することができるのはこちらではなく、もう一つの方。こちらは見学のみとなります。
こちらのSLは動くことはしませんが、車両の中が小さなカフェとなっています。列車の待ち時間に利用するのもいいでしょう。
まずは、駅舎の窓口でチャイマット村へのチケットを購入します。1日複数回の運行ですが、お客の人数によっては延期になることもあります。とはいっても、だいたい日本や中国、韓国、フランスといったツアーの団体客がいますので、1日一本も走らないということはほとんどありません。
実際乗る蒸気機関車はこちら!
機関車が動き出すと、乗務員がミネラルウオーターを配ってくれます。指定席はありませんので、どこに座っても構いません。車両の接続場所で自撮り撮影を行うのもいいですし、車窓から流れる風景を眺めるのもおすすめ。
注意点は一つ。窓から顔を出さないように。線路は非常に狭く、民家の路地を縫うように走ったりもします。そのため、手を伸ばしたら木々や家の壁に触れることもできるくらい近い場所を通ります。
小さなお子さんがいる方は、要注意です。
ダラットは標高の高い高原地帯なので、澄んだ空気が非常に心地よいです。機関車はそれほど早いスピードは出しませんので、20分程度の道中ゆっくりと景色を堪能することができます。
田園風景を眺めていると、ふと懐かしい気持ちがこみ上げてきて、自分の田舎を思い出す、そんな情景がどこまでも続いています。ダラット旅行では、観光名所を回るのに忙しくなるのではなく、こうしてゆっくりと流れる時の流れに身を任せるのがおすすめ。
チャイマット村に到着!
帰りの列車が来るまで約50分程度。チャイマット村は小さな村で、どこまでも続く一本道が印象的。あまり遠くに行くと列車に間に合わなくなってしまいますので注意してください。ただし、チャイマット村には一つを除いて特段の見どころがあるわけではありませんので、村の雰囲気や、人々の暮らしの様子、ローカル市場などを愛でてください。また、場末のカフェもいくつも点在しています。冷房はありませんが、ここでゆっくりと時間を過ごすのも一つの方法です。
派手すぎる仏教寺院
写真上のこちらがチャイマット村唯一の観光名所です。ベトナムは人口の7割強が仏教徒といわれていて、そこかしこに仏教寺院が建ち、中には奇抜なお寺もあります。しかし、このリンフック寺はそんなベトナム人もびっくりの派手な外観。緻密な紋様が施されているほか、よく見れば柱には竜が昇り、壁には仏像が。
ベトナムの寺院は、日本の「厳か」という文字はありません。どこも派手な装飾が施されていて、装飾や彫像が豪華であればあるほど、ベトナム人に支持される傾向にあります。また、本堂奥の仏像はきまって電飾で後光を演出。日本人からすると「安っぽくみえる」、「パチンコみたい」と思ってしまいますが、ベトナム人はいたって真面目。逆に、ベトナム人からいわせると、日本のお寺は「寂しい」らしいです。文化の違いですね。
寺院の敷地は広く、本堂以外にも数十メートルある竜の像や、六重の塔、仁王像、大きな仏像など見どころはたくさんあります。また、建物すべてに派手な装飾が施されていますので、そちらもお楽しみください。寺院向かいはお土産ショップ兼カフェスペースとなっていて、簡単な軽食や飲料を注文することができます。お土産は仏教関連の仏像の置物などですが、ホーチミンでも買うことができるものばかりなので、あえてここで買う必要はないのかなとも思います。
ダラット観光の名物として
ダラット駅、蒸気機関車、そしてチャイマット村はダラット観光の目玉として楽しんでほしいところです。ただし、晴れていないと十分に楽しむことはできませんので、天気がいい日をめがけてチケットを購入してください。また、次回運行日時は駅の窓口で分かります。できればダラットに到着した時点で、次回の日時を確認してほしいところです。
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