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数々のイベントが開催される「9月23日公園」

ホーチミン旅行の象徴となる観光スポットのベンタイン市場。市場向かいはラウンドアバウトとなっています。その横に広がる芝生の敷地は「9月23日公園」と呼ばれ、ファングーラオ通りと並行してある細長い面積です。

普段は現地人の素朴な生活風景を見ることができる貴重な場所ですが、定期的にホーチミンで開催されるイベントの多くは、この公園が選ばれます。もし運よくイベント開催に巡り合えたら、マストでベトナムのフェスティバルを体験してください。

普段は素朴な香りのする公園

DSCN7106.JPG日中より日暮れがおすすめ

日中はあまり人気がありません。ただ、すぐ近くがバックパッカー街なので、欧米人旅行客が多く、また、彼らと会話する課題が出されている近隣の語学大学の学生の姿もちらほらとうかがえます。

もし9月23日公園を楽しみたいなら、夕暮れときを狙って訪れてください。日が暮れてきたとき、ベトナム人が続々と公園に集まってきます。散歩する人や、バドミントン、社交ダンス、スケボーをする人など、老若男女で賑わいをみせ、それは著しく発展を続けているベトナムの小休止的な時間のように思えます。

定期開催のイベントにも注目

ベトナム人は旧暦で正月を祝う習慣がまだ続いていて、一般的に正月を「テト」と呼びます。そのテト正月前夜の大晦日のときは、毎年政府のお偉いさんの方々や、人気モデル、歌手といった有名人が集結し、盛大なイベントが行われます。その様子は国営テレビでも生中継されるほど。イベントはそれだけではなく、近年は諸外国との友好をテーマにしたイベントもよく開催されています。

花市

DSCN8358.JPG現地人にとって最も重要なイベントである

こちらは花市の様子。ベトナムでは、テト正月が近くなると、近隣の公園では決まって花市が開催されます。色とりどりの花(主に縁起のいい黄色)を鉢ごと購入して、自宅の前に置くのが正月の習慣。数十にのぼる花屋が公園に出店し、全国から取り寄せた花を店頭に並べます。

DSCN8357.JPGキンカンの花が定番

日本でもそうですが、ベトナム人にとってお正月は1年の中で最も重要かつ楽しみの日。旧暦で祝うため、毎年日付は変わるのが特徴。ゆえに毎年の祝日日数も変動するため、日が近くなると政府が公式に祝日日数を発表するのが名物。祝日は役所の休日ですが、これを目安に民間企業も連休日数を設定します。

テト正月前には、写真上のような鉢ごと購入したベトナム人が、バイクにこれを載せて運転する光景をいたるところで見ることができます。

オランダフェスティバル

DSCN7049.JPGオランダの町並みをイメージしたはりぼて

定期開催されているオランダフェスティバル。実はベトナムとオランダの関係は17世紀中部ホイアンからはじまっています。オランダはベトナムを需要な交易都市として考え、陶磁器や絹を輸入していました。また、近現代の外交面でも、42年続いており、ベトナムへの投資ランキングは世界11位。現在でも重要なパートナーとして位置づけていることが分かります。


こちらではオランダの町並みや文化を紹介したハリボテとブースが設営され、規模は大きくないものの、西洋風の町並みが人々に注目を集めています。

DSCN7055.JPGサッカーオランダ代表のファンペルシーとロッペン

オランダフェスティバルは、ベンタイン市場向かいを起点に、公園中ほどまで続ています。オランダとはおおよそ関係ないように思える屋台料理やお土産店が多々並ぶのはご愛敬。

ワールドフェスティバル

DSCN7643.JPG特に夜に盛り上がる

こちらはワールドフェスティバルの様子。日本、韓国、タイ、マレーシア、といった主にアジア諸国の交流をテーマにしたイベント。日本からも多数出展していて、日本の文化を伝えるお土産品や屋台グルメを扱った夜店をみかけます。

また、マレーシアのミスも来越していて、写真撮影も開催。9月23日公園全体がイベント会場になる数少ない大規模イベントの一つです。

DSCN7619.JPGムエタイやボクシングが開催される

特設リングではタイのムエタイ、韓国のテコンドー、ボクシングなどが開催。白熱した戦いを間近で見られるとあって、特に男性は大盛り上がり。

DSCN7668.JPG鶏の丸焼き。一羽1000円弱

この手の大規模イベントは夜がメイン。日中は日差しが強く、かなり暑いので屋外イベントは控え目となります。だいたい夜22時頃まで開催されていて、最後まで多くの人で賑わいます。旅行者の方も、現地人に倣って日暮れ以降に訪れてみましょう。日中は日焼け、紫外線対策をお忘れなく。

ジャパンフェスティバル

IMG_4466.JPGベトナムと日本をつないでくれるピカチュウ

こちらは2015年で3年目を迎えるジャパンフェスティバル。おそらく外国との友好イベントの中では最大規模。これほど多くのベトナム人が日本を愛してくれているというのは、嬉しいものですね。ベンタイン市場からもううかがえる巨大なピカチュウをスタート地点に、日本文化を紹介したブースが100近く続きます。

IMG_4479.JPG外国人の魅力の的となる忍者

日本の文化といえば、「着物」、「忍者」、「戦隊シリーズ」、「アニメコスプレ」、「アイドル」ですね。これら日本の魅力がすべて詰まったイベントとなります。イベント大ステージでは、日本とベトナム双方の女性ファッションの歴史を60年代から遡り、伝統衣装である着物とアオザイのファッションショーも開催されました。また、小ステージでは、日本のアイドルによるカラオケ大会。まるで秋葉原にいるかのようです。

そのほか、各アニメの衣装を来たコスプレも多く見かけました。ざっと見たところ、一番人気は女子高生の制服系で、次点でNARUTOといったところです。

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ベトナム人と触れ合える貴重な場所

9月23日公園は、イベント開催の可否に関わらず、現地のベトナム人と触れ合える場所。観光名所巡りに時間を追われている旅行者の方は、少し立ち止まって、ベトナムらしいローカルな雰囲気に浸かってみてはいかがでしょうか。

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著者プロフィール

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ペンネーム: サイゴンの便り
学生時代にベトナムの民話と民族を研究して以来、毎年一回はベトナム旅行を楽しむように。そして、2011年に念願だったベトナムへの移住が決定。現在はトラベルライターとして、ベトナム各地の観光情報を読者にお届けしています。旅行者が寄り付かないようなローカルエリアに住んでいるので、毎日のんびりとした素朴な時間をおくっています。趣味はバドミントン。

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