ベトナムの首都ハノイは、政治と芸術の町として観光客に支持されています。しかし、ハノイにはもう一つの特徴があります。それは「料理がおいしい」というもの。普段はライバル関係にある南部ホーチミンの人々も、「ハノイは料理がおいしい」と太鼓判を押すほど。化学調味料や甘味をつけた料理が多い南部料理に比べ、ハノイ料理は素材を活かした料理として定評があります。
今回は、ハノイ旅行で是非食べてほしい7つの料理を紹介します。どれかとは言わず、すべて食べつくしてください。
食堂?屋台?どこで食べるかは旅行者の自由
ハノイの名物料理は、主にローカル食堂で食べることができます。ただし、メニューの種類は少な目なので、一つの食堂でハノイグルメをすべて押さえることはできません。
ただし、小奇麗な旅行者向けのレストランで食べるよりも、食堂の方がおいしいことも多々あります。実際現地在住者で太鼓判を押すお店というのは、往々にしてレストランではなく食堂です。また、基本は現地人向けなので、値段がリーズナブルなのも魅力。
屋台は夜食もおすすめ
屋台の魅力は「安い」ことと「深夜までやっている」こと。屋台にもよりますが、大体24時くらいまでやっているところが多いです。また、異国情緒を感じられる時間でもあるので、滞在中一度は屋台食を経験してみてください。
旅行者の中には、「でもお腹壊しそう」と不安を抱えている人も多いでしょう。確かにその可能性はありますが、それで一度も経験しなかったら、いささかもったいない気もします。高級レストランであってもお腹を壊すときは壊しますので、ある程度の覚悟も大事です!
絶品ハノイグルメ 7選
今回紹介する名物は7つ。とりあえずこれを押さえておけば、「ハノイ名物をあらかた食べた」と豪語できるでしょう。
1、ブンチャー(Bun Cha)
まずはこちら。ブンチャーと呼ばれるハノイ王道料理。ブンはフォーと同じ米粉麺で、ベトナムの国民食となります。そのブンをヌクマムとビネガーベースのスープに浸して、つけ麺風に食べます。スープには豚バラ肉、もしくはつくねが入っているのが定番ですが、別途かき揚げを注文することも可能です。全国のベトナム人に人気が高く、南部や中部でも比較的食べることができます。
2、ブンオック(Bun Oc)
続いて同じくブンを使った麺料理がこちらのブンオック。トマトと貝を出汁にした酸味の効いたスープ。ほのかに貝の風味がします。貝はつぶ貝のむき身を具に使い、そのほか香草や刻みネギがあります。日本人の中には、味が薄く感じられる人もいるかもしれません。そんなときは、マントム(Mam tom)というエビを発酵させた灰色のタレを入れると、味が塩辛くなります。
主に屋台と食堂で食べられる料理で、レストランではあまり見かけません。貝好きのベトナム人女性が愛するお手軽ヘルシー料理です。
3、ブンダウマントム(Bun Dau Mam Tom)
ブンダウマントムは、筆者がこよなく愛するベトナム料理の一つ。基本は北部メインの料理ですが、ハノイ人が南部や中部に移り住んで、そこでお店を出すケースもあります。ブンを固めた具をメインに、豆腐、豚肉、キュウリ、緑のもち米のさつま揚げなどを、マムトムにつけて食べます。マムトムには刻んだ唐辛子やカボスを絞ります(これがないとかなり塩辛いです)。辛いのが苦手な方は、唐辛子をどけて食べてください。
ただし、マムトムはクセになる味ですが、かなり匂いはきついです。特に最初に嗅いだときは、顔をしかめることでしょう。食べているとそのうち病みつきになる......はずです。
4、バイントム(Banh Tom)
日本のかき揚げに近い一品。殻付きのエビ一匹とさつまいもが揚げられています。すでに揚げたものが店頭にありますが、注文すると再び揚げてくれます。食感は分かるかと思いますが、サクッとしたもの。エビは殻ごと食べることができ、ヌクマムベースのスープに浸して食べます。ブンチャーと一緒に食べることもよくあります。
ハノイの名物料理の一つですが、そこかしこで食べられるものではなく、ハノイ中心市街地だと少し探すのに苦労するかもしれません。市街地から北上したタイ湖周辺にはバイントムを扱う食堂がいくつもあります。ただし、値段は食堂によってまちまちで、観光客だと分かるとぼったくるお店もあるので、いくつかお店で値段を聞いて相場を知ることからはじめてください。
5、ムックチエンボートイ(Muc Chien Bo Toi)
こちらは小ぶりのイカを甘辛の味付けで炒めた料理。屋台ではほとんど見かけなく、レストランもしくは食堂で食べられます。お店によって調理法や味付けは異なり、エビフライにして出すところもあります。ビールのおつまみとしても最適です。これ一つでお腹が膨れるものではないので、複数品併せて注文しましょう。
旧市街地の食堂では、これを出すところがいくつかありますので、お店の人に訊いてみるといいでしょう。
6、焼き鳥
認知度はあまりなく、ハノイ人に訊いても「そんなの初めて聞いた」という応えが返ってくることもありますが、筆者は是非ともおすすめしたいのが、「焼き鳥」です。旧市街地のナイトマーケットでは、毎度10近くの焼き鳥の屋台が出没します。どこも炭火でじっくりと焼くので非常に香ばしく、味も香りも絶品。何本食べても飽きないB級グルメです。これほど焼き鳥の屋台が活発なのは、ハノイ以外にはないでしょう。ガイドブックには載っていない、隠れた名物として押さえておきたいところです。
7、チャーカーラーヴォン(Cha Ca La Vong)
最後はチャーカーラーヴォン。別名「雷魚の油鍋」と呼ばれているこちらは、ぶつ切りの雷魚にディルや青ネギを入れて、油で炒めた料理。ミニコンロごとテーブルに置かれ、最初はスタッフが作ってくれて、あとは自分で好きなように料理することができます。つけダレはマムトム。クセが強いので、食べられない方はヌクマムでも可。
この料理を扱う店は、基本は専門店となります。旧市街地には有名な専門レストランがあり、その通りの象徴となったことから「チャーカー通り」と名付けられた道もあります。現在でもチャーカー通りには複数の小さな専門店があり、現地人や旅行者に支持されています。チャーカーラーヴォンを食べたければ、そちらに向かうのが手っ取り早いでしょう。
[local, 331]ハノイ名物の食べ歩き
今回紹介した7つのハノイ名物を、1日で食べつくすのは難しいかもしれません。滞在時間を有効に使うとともに、事前に行くお店をピックアップしておくことも大事になるでしょう。
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