「ベトナムらしさを感じたい」という方と、「東南アジアらしい旅行がしたい」という方の持つイメージはだいたい似通っています。往々にして、旅行者は「大自然の体感」をベトナムに求めていますね。少なくとも日本では体験できない、南国らしい時間を送りたい方は、是非メコンデルタ地方に訪れてください。今回紹介するミトーとベンチェーでは、南国らしい鬱蒼としたジャングルの中を歩き、小舟でメコン川を下ることができる、旅行者に一番人気のエリアです。今回は記事を通して、日本にいながらにして、ベトナムの自然を体感してください。
果樹園で南国の果物を堪能
ミトーはメコンデルタ地方の玄関口と称されていて、ホーチミンから車で90分で行ける最初の都市です。そのミトーは市街地こそ開けていますが、少し郊外へ足を踏み込むと、鬱蒼とした雑木林に覆われた大自然を楽しむことができます。背の高いヤシの木やバナナの木が生い茂り、近隣の民家はどこも果樹園を持っています。ここで栽培した果物はホーチミンに運ばれるか、輸出用に加工工場に運ばれたりします。
果樹園を歩いていると、ヤシの実やバナナといった南国のお馴染みの果物の他、ジャックフルーツやスターフルーツといった、日本人には馴染みのない果物も多く見かけます。また、バナナは日本にも輸出していますが、まだ未熟のうちに収穫し、日本へ運送している間に黄色くなるので、風味が損なわれます。ベトナムに来た際は、日本とは甘味が違うバナナを是非召し上がってください。
ホームステイでベトナム人家庭にお邪魔しよう
ホーチミン市内のツアーデスクから申し込むことによって、ベトナム人の一般家庭にホームステイすることもできます。ここで何をして過ごすかは、本当に人それぞれ。なにもしなければ、なにもなく時間だけが過ぎていきます。活発に行動すれば、メコン川の支流で釣りを楽しんだり、ヤシの木に登ってヤシの実をとったり、子供たちと一緒に水牛を引いたりと、自然と一体化した日を過ごすことができます。初めての東南アジア旅行者には、少し敷居が高いかもしれませんが、思い出に残る滞在となることは言うまでもありません。
ココナッツキャンディー工場を見学
ミトー&ベンチェー旅行の見どころの一つがこちら、「ココナッツキャンディー工場の見学」です。工場というほどの規模ではありませんが、ここに大量のココナッツが運ばれてきて、ヤシの実からキャンディーに作られる過程を見学することができます。
ここに運ばれてきたヤシの実は、中身の汁を取り除いたのち、専用の機械で粉砕されます。その後、キャンディーに必要な素材、調味料をいれ、高熱でかき混ぜると、ドロドロの肌色の液体となります。あとは型に流し込んで、固まるのを待ち、一口サイズにカットすれば出来上がり。ここでは、出荷用に袋詰めまで行います。
ココナッツキャンディーは旅行者にとっては、ベトナム土産の定番です。あめ菓子なので歯にくっつくのが嫌いな方はいますが、基本味にはずれはありません。ここで買うと、スーパーで買うより2割ほど安く買えますので、バラマキ土産に選んでいる方は、まとめ買いしてもいいかもしれませんね。
メコン川を下るジャングルクルーズ
ガイドブックにも決まって掲載されているジャングルクルーズ。雄大なメコン川の支流を小さな手漕ぎボートで下る体験をすることができます。乗船中は、左右前方に広がる密林の絶景をお楽しみください。
メコン川は複数か国に跨る国際河川の一つ。「メコン」という言葉は、もともとはタイ語もしくはクメール語を由来とし、ベトナム語の正式名称は「クーロン」です。漢字で「九龍」と表記されるように、メコンデルタ地方には、九つの支流が流れています。
メコン川はベトナム人にとっては大切な大地の恵み。生活の糧にもなり、川に高床式住居をかまえる水上生活者も多く存在します。
旅行者にとっては、メコン川クルーズはアトラクションをより楽しませてくれるスパイスのようなもの。しかし、現地で暮らす人々にとって手漕ぎボートは重要な移動手段です。今回紹介しているミトーとベンチェーの間には、御覧の通りメコン川が流れています。ですので、ミトーとベンチェー間を移動するに必要不可欠なものがボートなのです。
メコン名物、象耳魚(エレファント・イヤー・フィッシュ)
象耳魚(エレファント・イヤー・フィッシュ)はメコン川で獲れる淡水魚。カレイのような白身魚ですが、一風変わっているのが、うろこのまま素揚げする調理法です。うろこのぱりぱりとした触感を楽しんでください。このまま食べてもいいですし、ヌクマムにつけるのもおすすめ。さらに、香草と一緒にライスペーパーで巻いて、生春巻きとして食べることもできます。
エキゾチックなメコン川のサンセット
日本のストレス社会に生きる方々にとっては、メコン川をじっと眺めるだけで心身共にリラックスすることができます。ベトナムは古くからメコン川と共に歴史を培ってきました。それは現在でも変わりありません。
南国らしい風景と時間を求めにホーチミンに訪れた方は、メコン川含むメコンデルタ地方へ是非足を運んでください。今回はミトー&ベンチェーからお届けしました。
[local, 382]
[basic, 243]