ベトナムへ降り立つ人の中には、旅行や出張者以外にも、さらに西側諸国へ行くための中継地点として立ち寄る人も多くいます。そのような乗り継ぎ時間のことを「トランジット」と呼びます。
今回は、ベトナムにおける乗り継ぎ時間の過ごし方をご紹介したいと思います。
ベトナム空港における乗り継ぎ事情
ベトナム経由の乗り継ぎでは、時間によって過ごし方が異なるので注意が必要です。短時間と長時間とでまったく違うので、何をすべきかをご紹介します。
4時間未満は空港で過ごすのが基本
基本的に4時間未満の乗り継ぎ時間であれば、空港内で過ごしますのが一般的です。その理由は2つあります。1つはハノイ、ホーチミンともに空港から市内中心までは距離があるためです。ホーチミンであれば空いていれば20分程度で1区に行けますが、ハノイはその倍以上の時間がかかります。もう1つの理由は、そもそも4時間未満のトランジットであれば、ベトナムに入国できない可能性があります。明確な時間は決まっていないようで職員に依るところが大きいですが、入国するために、入国審査官に入国スタンプを押してもらうことが大前提。もし教えてくれなかったら、あきらめるしかありません。
空港内での過ごし方ですが、昼間であればお土産店やショップが営業しているので、そこで商品を物色するなりして時間を潰すことができます。しかし、店が閉まった夜の時間は、おとなしく読書やスマホをするくらいです。一応空港内は無料WiFiを利用することができますが、ネット速度は非常に遅いほか、深夜も通じるかは不明です。そのほかはエコノミー症候群を解消するために、ストレッチをして血流をよくしておきましょう。
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トランジットでベトナムへ入国
もし4時間以上乗り継ぎ時間があれば、ベトナムに入国して市内観光をすることも視野に入れておきましょう。日本国籍のパスポートを所持しているのであれば、24時間以内であればビザなしで入国できます。
入国~市内への移動方法
トランジットが長時間の場合は、一旦ベトナムに入国し市内観光を楽しむのがベストです。入国時の注意や市内までの移動方法についてご紹介します。
入国審査と受託荷物
まずは一般の旅行者と同じように入国審査を通過する必要があります。トランジットの場合はその旨を職員に伝え、それを証明するエアチケットを提出するといいでしょう。パスポートに入国スタンプを押してくれたら、晴れてベトナムの市内観光をすることができます。
荷物はその人のフライトスケジュールによって異なります。エアチケットには機体番号が記載されているので、同じであれば、受託荷物を引き取る必要はありませんが、違う機体で乗り換えるのであれば、一度ピックアップしなければなりません。ちなみに、大きな荷物は一度チェックインし直すときに預けてもいいですし、ホーチミン空港であれば、到着ロビー左手の窓口で預けることができます。
ベトナムドンに両替をしてタクシーを捕まえる
ベトナムでは現地通貨以外にもアメリカドルも使える店があります。ただし、一般的にはベトナムドンなので、必ず両替しておきましょう。市内でホテルを利用するのであれば、予算がまだわからないんでクレジットカードで決済するか、アメリカドルにしましょう。ホテルは広くドル払いができます。
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もし深夜の入国で両替所が閉店していたら、ドルでもいいかとタクシーと交渉しましょう。ハノイであれば市内までは20ドル程度、ホーチミンでれば10ドル程度が相場です。
ハノイのノイバイ空港は、新空港になる前は固定料金でそれを巡るトラブルもありましたが、新空港になってからはそのような声は聞きません。基本ハノイもホーチミンも空港に乗り入れできるタクシー会社は決まっているので、ぼったくられるようなトラブルに遭う確率はそれほど高くはありません。ただし、タクシーに乗ったらメーターが動いているか、ゼロからスタートになっているか程度は確認する必要があります。また、ドライバーによっては交渉を持ちかけてくることもありますが、旅行者はぼったくられるだけなので、断るのが無難です。
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12時間未満の観光プラン
まず必ず拘束される時間は、「空港と市内の往復の時間+渋滞予測時間+チェックイン&搭乗」の時間です。ホーチミンであれば2時間か2時間半、ハノイであれば4時間程度見ておきたいところです。もし6時間程度の乗り継ぎ時間であれば、市内に滞在できるのはせいぜい2時間から2時間半程度。カフェやレストランでベトナム料理を食べながらコーヒーでひとときを過ごす程度の時間しかないと考えてください。
【ハノイ編】おすすめのスポットと所要時間
ハノイの有意義な過ごし方ですが、12時間未満であれば、ほぼホアンキエム湖中心で観光するようにしましょう。湖周辺は観光地化されていて、旧市街やハノイ大教会も近く、雑貨店やレストランもあります。湖南のハイバーチュン区に行く場合は、最初に行くようにしましょう。タイ湖は多少ですが空港に寄りますので、ここ界隈の散歩に時間を費やすのもいいでしょう。ただし、タクシーはホアンキエム湖ほど多くは走っていないので注意ください。
おすすめのスポットと所要時間
1、ホアンキエム湖の散歩(60分)
2、ハノイ大教会(20分)
3、ニャートー通りで雑貨のショッピング(2時間)
4、旧市街の散策(2時間)
5、ドンスアン市場(旧市街)(60分)
6、タイ湖(60分)
週末ならナイトマーケット
ナイトマーケットは毎週末の金曜~日曜の午後6時半以降に開催されます。場所はホアンキエム湖北部の旧市街。もし乗り継ぎ時間に間に合うようであれば、ぎりぎりまで楽しんでいってほしいところです。
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【ホーチミン編】おすすめのスポットと所要時間
ホーチミンなら1区中心のドンコイ通り、およびベンタイン市場周辺で観光するのがいいでしょう。時間を気にしながらの観光となるので、決まった時間拘束されるスパや水上人形劇は避けるほか、ツアー参加もやめておきましょう。ホーチミンの市内観光であれば、ツアーに参加する必要なく徒歩かタクシーで大方回ることができます。
おすすめのスポットと所要時間
1、ドンコイ通りでショッピング(2時間~3時間)
2、聖母マリア教会と中央郵便局(1時間)
3、ベンタイン市場(1時間30分)
4、戦争証跡博物館(60分)
ドンコイ通りとお洒落カフェで午後のひとときを
ホーチミンにはハノイと異なりゆっくりとくつろげるお洒落なカフェが町のいたるところに点在しています。ドンコイ通り界隈にもいくつもカフェが並んでいるので、ショッピングの途中に目に留まったカフェ入ってみましょう。プチパリ気分を味わうことができるはずです。また、ドンコイ通りには雑貨店と同じくらいレストランもありますので、ベトナム料理の定番どころはここで網羅することができます。博物館や市場で余った時間はいくらでもここで費やすことができます。
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24時間未満の観光プラン
トランジットで入国を許可されるのは基本は24時間以内(例外もあるようです)です。ホテルに宿泊される方は、アメリカドルでの支払いが可能かを確認しつつ、ダメならクレジットカード、もしくは必要分だけ両替してください。たいていのホテルでは外貨両替も受け付けています。
【ハノイ編】おすすめのスポットと所要時間
もし24時間程度の時間が許されるのであれば、少し足を延ばすことも可能です。とはいっても、ハロン湾やニンビン省までは遠くていけません。基本はハノイ市内と考えてください。ただし、12時間程度では行きづらかった世界遺産のタンロン城跡やホーチミン廟なども行くことができますし、少しハードになりますが、水上人形劇やナイトマーケットもすべて楽しむことができるでしょう。
おすすめのスポットと所要時間
1、ホアンキエム湖の散歩(60分)
2、ハノイ大教会(20分)
3、ニャートー通りで雑貨のショッピング(2時間)
4、旧市街の散策(2時間)
5、ドンスアン市場(旧市街)(60分)
6、タイ湖(60分)
7、世界遺産タンロン城跡(1時間30分)
8、ホーチミン廟+ホーチミンの家+ホーチミン博物館(3時間)
9、女性博物館(60分)
10、ホアロー収容所(60分)
一番近い郊外「バッチャン村」
バッチャン村はハノイ中心からタクシーで20分~30分で行ける陶芸の村です。町のほとんどは何かしら陶磁器関連の商売をしていると言われ、町の通り沿いはまさに陶磁器一色。全国の雑貨店にあるバッチャン焼きは、すべてここで作られています。その古き良き陶磁器の村を散策する観光はいかがでしょうか。所要時間は移動も含めて3時間程度です。
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【ホーチミン編】おすすめのスポットと所要時間
24時間の滞在であれば、ホーチミン市内を幅広く観光することができます。5区と6区に跨る一大中華街のチョロンでは巨大卸売市場のアンドン市場やビンタイ市場のほか、仏教と道教が混じった華人向けの寺院などが点在しています。また、12時間未満の滞在では実現できなかったスパリラクゼーションを楽しむのもいいでしょう。その他夜には水上人形劇、クルージング、スカイバーなど楽しみどころは満載です。
おすすめのスポットと所要時間
1、ドンコイ通りでショッピング(2時間~3時間)
2、聖母マリア教会と中央郵便局(1時間)
3、ベンタイン市場(1時間30分)
4、戦争証跡博物館(60分)
5、チョロン(3時間~5時間)
6、水上人形劇(60分)
7、クルージング船(2時間)
8、スカイバー(60分)
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郊外観光ならクチトンネルへ
もし郊外観光へ出かけたいのであれば、「クチトンネル」がおすすめです。ベトコンが堀った巨大地下トンネル。ベトナム戦争時にはゲリラ戦法によってアメリカ軍の撃退に成功しました。
せっかくなのでメコンデルタ方面に行きたいところですが、基本そちらは1日コースなので、時間が厳しそうです。クチトンネルであれば半日観光もあります。ただし、旅行者は個人ではいけませんので、ツアーに申し込むことになります。前日に予約しておきましょう。
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トランジットで旅行をするときのポイント
あまり詰め込まないプランを立てる
トランジットでベトナムへ入国される方は、あくまでも「時間潰し」のためです。本当の目的地の通過点にすぎませんので、ここで怪我をしたり病気になったり、事故を起こしたりして飛行機に間に合わなかったら元も子もありません。くれぐれもはりきりすぎないで、余裕をもった観光プランを立てるようにしてください。