雨季が明けて、ベトナム南部地方は1月から一帯が乾季に入ります。1月はまだ雨が若干残った日もあったかもしれませんが、2月に差し掛かると、熱帯気候典型的なスコールが1日数回、数十分ほど降る程度。また超局地的なので、数百メートル先は晴天、なんてこともよくあります。
今回紹介するのは2月にベストシーズンを迎える観光エリア。今回も筆者が厳選した2つの観光地をご紹介したいと思います。
2月も引き続き南部旅行がおすすめ
2月と3月は日本では卒業旅行シーズンを迎えます。高校生は受験を終えて、新生活がはじまる前の最後の青春を。大学生は社会人という第2の人生がはじまる前に、最後の学生生活を。一生の思い出となる卒業旅行だからこそ、雨に降られてろくに観光できないで終わりたくはありませんよね。しっかりとベトナムの観光エリアを把握して、ベストシーズンに当たる観光地を選んでください。
ベストエリア:南国の象徴「メコンデルタ地方」
ホーチミン旅行もいいですが、せっかく東南アジアに来たのだから、アジアを象徴する国際河川「メコン川」は一目見ておきたいところ。ちなみにホーチミンの市内を流れている川はサイゴン川なのでお間違いないように。
メコン川が流れているメコンデルタ地方は、カントーを中央都市に置くベトナム南西部に広がるエリア。もちろん気候は典型的な熱帯気候。2月は乾季の真っただ中となりますし、4月5月ほど気温は高くならないので、1月~3月がベストシーズンといえます。蒸し暑い陽気に、背の高いココナッツやバナナの木、そして雄大なメコン川。旅番組などでもたびたび登場する東南アジアらしさ100%の観光エリアとなります。
ビギナー旅行者はツアーに参加
メコンデルタ地方のような田舎の地域は、英語を理解してくれる人が多くはないので、個人旅行の場合は言葉の壁に苦しみます。また、移動手段はバスとなります(鉄道はありません)ので、ビギナー旅行者は個人で行くことが困難です。
ただし、メコンデルタ地方への観光ツアーは非常に人気なので、どの旅行会社も毎日催行しています。手漕ぎボートに乗ってメコン川の支流をくだるジャングルクルーズはツアーのハイライト。日帰りで楽しむことができるので、積極的に参加するといいでしょう。
水上市場を見学できるのもメコンデルタ
水上市場で有名なのはタイかもしれませんが、ここベトナムでもいくつかの水上市場がメコンデルタ地方で展開されています。旅行者が行きやすいのはメコンデルタの中心都市のカントー。滞在ホテルからタクシーで行くことができますし、現地ツアーに申し込むこともできます。
ベトナムの水上市場では、大小数百の問屋船が早朝朝霧がかかった中で行き交い、商品の売買をする様子を見学することができます。長い竿を掲げて、自船が売る商品をアピールしているのが特徴。日用雑貨や軽食を売る小さな商船もあり、そちらは観光客も買うことができます。
現地の人々と触れ合う喜び
せっかくの海外旅行。現地の人たちと触れ合うのも旅の醍醐味ではないでしょうか。ベトナム人は大らかな性格で人懐っこいのが特徴。人見知りをしないので、レストランや食堂に行けば向こうから話しかけてくれることでしょう。
また、メコンデルタ地方の都市には少数民族も暮らしています。チャム族やクメール族といった民族は、観光客に民芸品を作って売っていますので、彼らと直接触れ合うことができます。日本では体験できない多民族交流を体験していってください。
ベストエリア:ベトナムで最も夕日が綺麗な町。ビーチアイランド「フーコック島」
フーコック島はメコンデルタ地方に属する離れ小島で、ベトナム最西端、カンボジアとの国境に面している島です。近年はリゾート開発が進み、外国人も訪れるビーチアイランドへと成長しました。
フーコック島の気温は年間を通して安定していて、ほかの南部エリア同様5月頃から徐々に雨季へと入ります。海水浴を目的に行くならば、乾季の中でも海の透明度が高い1月~4月。2月は1年の中で最も降水量が少ない時期となるので、雨降りに遭遇する確率も低くなります。
ロマンティックにサンセットを眺める
フーコック島のタイランド湾沖に沈むサンセットの光景は、ベトナムで最も美しいといわれています。その噂通り、夕暮れの時刻になると、タイランド湾は夕日を反射して橙に染まり、そして紫から蒼白い空へと変わり、夜の帳がおります。
フーコック島旅行では、是非美しいサンセットを眺めることができるスポットを探してみてください。
ホテルは少し贅沢に
ホテルエリアはユーンドン市の市街地か、北上したオンランビーチが広がるエリアのいずれか。ユーンドン市内にはゲストハウスや安ホテルもたくさんありますが、せっかくのビーチアイランド。少し予算をとってラグジュアリーホテルやロッジに宿をとるのがおすすめです。
とくにオンザビーチのホテルであれば、すぐ目の前が海という抜群の立地となります。近年はリゾートホテルも多く並び立つようになり、ベトナム最大のリゾート開発会社のヴィンパールグループもフーコック島に進出。遊園地とサファリパークが敷地内にある巨大なリゾート施設(ホテル併設)も完成しました。
素朴な観光散策がおすすめ
フーコック島の過ごし方は、1日ビーチを楽しむのもいいですし、ユーンドン市や南方の漁村エリアに繰り出すのもおすすめです。ユーンドン市では潮の香で満たされたヌクマム工場や、ベトナムで随一の品質を誇るコショウ畑などを見学することができますし、夜にはイカ釣りツアーに参加したり、バクダン通りで毎夜開催されるナイトマーケットを歩いてシーフードを堪能することもできます。
まだまだ外国人向けに観光地化されているとは言えなく、ほかの諸外国とくらべてリゾート地というには田舎風情感じるのどかな風景が広がっています。騒がしさとは無縁なので、時間を忘れてゆっくりと滞在余暇を過ごすことができます。
フーコック島は二度目以降のベトナム旅行でも
ベタではありますが、やはりベトナムに来たらメコンデルタ地方には訪れてほしいところです。フーコック島は国内線に乗り継ぐ必要があるので、滞在期間が長い人や、二度目以降のベトナム旅行者におすすめできます。