ベトナム旅行を計画している人は、ガイドブックやインターネットなどで日本にいるうちから情報収集をしていることでしょう。何か月も前から楽しみにしているからこそ、余念なく準備はしておきたいところです。そんな旅行者は、ベトナムに対してどんなイメージを抱いていますか。今回紹介する「ベトナムらしい10のこと」を参考に、具体的なベトナムの風景を脳裏に描いて、どんな旅にしようか、とイメージを膨らませてみてはいかがでしょうか。きっと有意義な旅を成功させる助力となるかと思います。
1.市場の喧騒
近年は著しい発展と成長を見せているベトナム。南部ホーチミンでは次々と高層ビルやショッピングセンターが建設されています。しかし、市場はまだまだ健在。庶民の台所として毎朝市場で買い物をするのがベトナム人の古くからの習慣。そう簡単に廃れることはありません。ローカル市場ではお土産雑貨などは売っていませんが、買わずとも歩いているだけで楽しめる。市場の魅力です。市場の喧騒に身を委ねて、東南アジアにどっぷりと浸かってください。
2、値段交渉
「あんたこれいくらなの!」、「50万ドン?高いわね~、30万ドンにしなさいよ」、なんていう客と商人のやり取りが聞こえてくるのもベトナム市場の魅力。ショッピングセンターやドンコイエリアの雑貨店などは定価ですが、市場は依然として値段交渉が必須。「さすがにこれは無理かな」と思ったアイテムも、交渉してみるとさらに安くなることもざらにあります。市場は往々にして安かろう悪かろうで、値段が安いものは壊れやすいのが普通です。市場で品質を求めるのは難しいのが本音。それでも値段交渉するのは、値段交渉自体がベトナム旅行を実感できる楽しみの一つだから......ですよね。
3、南国果物を頬張る
南国の果物は大きくてとても甘いです。例えばマンゴー一つとっても、日本で売っているものの二回りは大きく、さらに数段甘いです。それだけではなく、日本のスーパーでは見ることのできない南国果物も豊富にあります。リンゴやミカン、ぶどうなど日本でも普通に売っているものよりも、ランブータン、ドラゴンフルーツ。パッションフルーツ、マンゴスチンなど普段食べる機会がない食べ物を口に含んだとき、自分はいまベトナムにいるんだ、と常夏を肌で感じることができるでしょう。
4、ベトナム雑貨のショッピング
日本でも90年代に一世を風靡したベトナム雑貨。ベトナム雑貨のショッピングは現在でも女性のベトナム旅の目的として挙げられます。日本では一つのアイテムもじっくりと慎重に選びますが、ここは物価の安いベトナム。あれもほしい、これもほしい、なら全部買っちゃおう!ができるのが最大の魅力。雑貨店は一つの通りに密集しているので、梯子をすることも容易。ホーチミンのドンコイ通り、ハノイのニャートー通りでは、買い物袋をぶら下げて歩く旅行者が1日中絶えません。
5、コロニアル建築
古くは100年フランスの統治時代をおくっていたベトナム。他の東南アジア諸国も同様でしたが、ベトナムはフランス文化が色濃く民間に根付いた国といえます。ベトナム人の朝食に欠かせないバインミーもフランス由来ですし、ホーチミンの名所となっている中央郵便局、聖母マリア教会、人民委員会庁舎などもすべてフランス人の手によって設計されました。町を歩いていると、西洋ともアジアとも違う、独特の風景を見ることができます。それがかつてインドシナと呼ばれていたベトナムの魅力でもあります。
6、道端の屋台
屋台はベトナムを代表する大衆文化。毎夜17時頃から徐々に道端で屋台が営業を開始します。20時頃が最も賑わう時間帯で、場所によってはご覧のように多くの人が寄って食事をしている光景を見ることもできます。もちろん旅行者も体験してほしいです。新興国も成長と一緒に屋台は廃れつつあり、タイやインドネシアも規制が年々厳しくなっていますね。ベトナムにもその風は吹いていますが、いまのところ屋台が廃れる様子は全くありません。ベトナム旅行の夜の楽しみとして期待していてください。
7、バイク社会
ベトナムは渋滞と排気ガスの規制から車の関税が高いため、一部の富裕層しか車を保有することはできません。一方バイクはご覧のあり様。都心部では一家に2~3台は当たり前で、徒歩圏内の近くのコンビニに行くときでもバイクを使うほど、ベトナム人の足となっています。そのバイクですが、市場を独占するのはホンダやヤマハ、スズキといった日本のバイクメーカー。道を歩いていると、『HONDA』と書かれた看板をいたるところで目にすることができますが、これはバイクの修理屋、もしくは中古販売店です。ホンダは現在ではバイクの象徴的存在で、「バイク=ホンダ」とみなされています。交通ルールを守らないベトナム人が多いため、旅行者は道路を横断するときは左右をしっかり確認し、ゆっくりと渡ってください。
8、路線バスに揺られる
新興国では電車を市内が網羅していないため、現地人も旅行者も路線バスを利用します。旅行者の場合は遠方に行く際にバスを利用することになりますが、バス車内はベトナム人の何気ない生活を覗ける貴重なチャンス。教科書を開いて勉強している学生や、隣の乗客と談笑にふけるおばあちゃん。露店商が乗ってきたら、「これ食べていくかい?」と商売が始まる始末。これらすべてがベトナムの日常の光景。また、途中バスのタイヤがパンクすることも。それもまたベトナム。ゆっくりガタガタと揺られて、酸いも甘いもベトナムを感じていってください。
9、公園の人気ぶり
ベトナムではどこも公園がとても活気があります。子供や年配だけではなく、学生を中心とした若者のたまり場にもなっていて、ベンチや地べたに座って友人同士で談笑している光景や、恋人と寄り添って愛を囁く光景が日常です。夜になるとおばちゃんたちが数十人と集まって、大音量の音楽とともにエアロビクスをはじめます。空手の練習をしている子供たちや、バドミントンや社交ダンスに興じている人たちなど、日本では見られなくなった昔懐かしの時間があります。ハノイであればホアンキエム湖、ホーチミンであれば4月30日公園や9月23日公園などに足を運んでみましょう。
10、おおらかで気さくなベトナム人
最後はやっぱりベトナム人。彼ら一人一人がベトナムを形成しているのですから。おおらかで気さくで心優しく、誰とでも心を開いてくれるのがベトナム人の特徴。バスに乗っていたら、まずおばちゃん連中に声をかけられます。それは皆さんが外国人だからだけではありません。彼らは人と人との繋がりを大切にして、冗談を言い合っているときが至福の時間と捉えています。だからこそ、カフェに入れば大勢のベトナム人が長居して談笑に耽っていますし、市場では客と店主の垣根を越えて笑いあうことができるのです。その屈託ない様子をみているだけでもベトナムに来た甲斐があったと感じられるはずです。
ベトナム旅行で何を求めるのか
旅行者によって、ベトナム旅行のテーマは異なります。しかし、ベトナムらしさを感じたいという点においては共通しているかと思います。そんなベトナムらしさを求めるのであれば、ここで紹介した10個を探してみてはいかがでしょうか。上記の10の光景に触れたとき、きっとベトナム旅行に来てよかったと思えることでしょう。