南北に長い国土を持つベトナムは、日本と共通しているものがあります。それは、「エリアによってベストシーズンが異なる」ということです。ベトナムは一般的に乾季と雨季に分かれているものの、ところによっては四季を感じることもできる複雑な地形を持つ国です。「ベトナムは常夏」という情報だけで旅行に出てしまうと、現地に行ってジャンパーやコートの必要に迫られることだってあります。
では、1月のベトナム旅行ではどこがおすすめなのでしょうか。1月をベストシーズンに迎えるおすすめの観光エリアをご紹介したいと思います。
1月は主に南部旅行がおすすめ
南北に長い地形のベトナムですが、1月の時期は南部旅行がおすすめとなります。まず北部のハノイは乾季に入るものの、最高気温で20度を上回りませんので、肌寒い日が続きます。この時期ハノイは冬と呼ばれ、ニンビンやハロン湾などに行く際は長袖にジャンパーといった厚手の恰好が必要です。また、中部地方は世界遺産の密集エリアですが、1月はまだ雨季が明けきっていないため、肌寒い上にビーチで泳ぐのは難しいでしょう。
ベストエリア:砂丘の見える港町「ムイネー」
スパやレストラン、シーフード食堂、そしてコテージタイプのホテルが海沿いに並ぶムイネーは、ベトナム中南部の港町。ホーチミンからツアーバスで6時間余りで行くことができます。
ムイネーの気候はほぼ南部と同じ。1月~5月が乾季となり、それ以降が雨季。1月になると、途端に雨降りの日は少なくなりますので、滞在中まったく雨が降らないこともあるでしょう。
ムイネーは一昔前までは、ベトナム人しか訪れない素朴な田舎町でしたが、ロシア人が旅行先に目をつけてから、現在ではリゾート化され日本人の間でも知名度が上がってきています。
リゾートエリアといっても、ほかのグアムやプーケットのような外国人化されてはいないため、穏やかな港町風情を楽しむことができ、またコテージタイプのホテルはオンザビーチなので、部屋を出て正面が海に、といった魅力もあります。
リゾートらしくホテルで1日過ごすのもおすすめ
ほとんどのホテルには、屋外プールがついているのも魅力です。もちろん海もあるのですが、気軽に長時間いるのであれば、ホテルのプールもおすすめです。デッキチェアに寝そべってココナッツやトロピカルジュースを飲む時間はまさにリゾート。
日本から事前にホテルを予約する方は、1点だけ注意が必要です。ムイネー旅行者のほとんどはグエンディンチウ通り沿いのホテルを予約することになりますが、この通りには海側と山側双方ホテルがあります。山側だと海は通りを挟んだ向こうなのでオンザビーチではありませんし、コテージタイプの部屋なので窓から眺められる景色もシティビューとなります。海側のホテルを希望する方は、グーグルマップなどで海側に位置しているかどうかを確認してから予約しましょう。
ムイネーの観光概要
ムイネーの観光スポットは海だけではなく、幻想的な石灰岩の狭間に小川が流れる妖精の渓流、黄砂丘と白砂丘、チャンパ王国の聖域チャム塔などがあります。それらすべてが屋外のアウトドアスポットとなるので、雨季の時期に行くと十分に楽しむことはできません。もちろん海水浴にも適していませんね。
また、4月と5月は年間を通して最も気温が高い日が続きます。ムイネーの町には、冷房が効いたカフェやレストランはほぼありませんので、猛暑の中涼むオアシスもありません。乾季に入ったばかりの1月、もしくは2月に行くのがベストといえるでしょう。
ベストエリア:ベトナム雑貨が生まれた町「ホーチミン」
南部ホーチミンはベトナム最大の商業都市であり、ベトナムで最も外国人でにぎわう観光エリアです。ベトナムに観光に訪れる日本人旅行者はおよそ70万人ですが、そのうちの35万~40万人がホーチミン旅行者となります。そのホーチミン旅行では、スパ、グルメ、雑貨、ツアーが観光の楽しみ方となります。
ホーチミンはベトナムの中でも典型的な南国の気候に属していて、ケッペン気候区分によると、ホーチミンは熱帯サバナ気候となります。年間を通して乾季と雨季に区別され、1月~5月が乾季、6月~12月が雨季となります。12月までは月の3分の1程度が雨だったにもかかわらず、1月に入るとほとんどの日が晴れます。また、雨が多少降ったあとは、逆に気温が下がるので過ごしやすい時間帯が訪れます。ムイネー同様4月と5月は猛暑なので、暑いのが苦手な方は、1月もしくは2月の旅行がおすすめとなります。
ツアー参加でホーチミン郊外へ
もし南国の大自然を体験したければ、ツアーに参加するのが一番。メコンデルタ方面のツアーは人気No.1なので、毎日催行しています。写真のこちらはメコン川を手漕ぎボートで下るジャングルクルーズツアー。ほぼすべての旅行会社が催行している人気ツアーです。
その他にもメコンデルタ地方の都市を回るツアーや、ホーチミンから最も近いビーチエリアのブンタウに行く日帰りツアー、自然保護が叫ばれているマングローブの森の鑑賞エコツアーなども人気どころ。いずれも個人で自力で行くのは難しいエリアなので、ツアーに参加するのが安心、安全となります。
お洒落ベトナム雑貨のショッピング
ベトナムが日本人旅行者に注目されたのは1990年代初頭。ちょうどベトナムはドイモイ政策と称した市場開放をしたばかりで、外国人に自国をPRしたかった頃です。そのとき、日本人女性の間でちょっとしたブームとなったのが、ベトナム雑貨。伝統手工芸品である陶磁器や刺繍雑貨、バッグにアクセサリーといった雑貨が日本人女性の心をくすぐって、一躍ホーチミンが日本人の旅先として注目されはじめました。
その後は毎年右肩上がりで旅行者数は増え、現在ではホーチミンだけではなく首都ハノイや中部世界遺産ホイアン、中南部ビーチリゾート・ニャチャンといた他エリアも人気が上がってきています。また、東南アジアに位置するベトナムは、日本と比べるとかなりの物価安。物にもよりますが、だいたい3分の1から7分の1程度となります。
また、ここ数年で女性に支持されているのが、洋服のオーダーメイドです。日本だと数万円するオーダーメイドも、ベトナムでは半袖3500円程度からできます。自分でデザインして、生地も刺繍も思いのまま。寸法さえ分かっていれば、恋人や旦那さん、子供の洋服も新調することができます。
ただし、完成後にトラブルを起こさないために、できるだけ自分のイメージは具体的に伝えておくことが必要です。また、専門店では日本語ができるベトナム人スタッフが担当にあたりますので、なるべく簡単な言葉で具体的にこちらの意図を伝えるようにするといった工夫も必要です。完成してしまったら、どんなにクレームをかけても返品・返金はできませんので、お店選びが重要となります。
両都市楽しむのも
1月のおすすめ観光エリアとして、ムイネーとホーチミンをおすすめしましたが、どうせなら両方の都市を訪れるのもいいでしょう。ホーチミンで2泊、ムイネーで2泊程度であれば、多少弾丸になるかもしれませんが、可能な日程ではないでしょうか。両都市とも異なる雰囲気を楽しむことができるので、是非観光を満喫していってください。