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少数民族と出会う旅ならココ!おすすめ観光スポット 5選

日本に住んでいると、『少数民族』という言葉はあまりイメージしにくいですね。外国人ですらあまり出会う機会がない日本。少数民族と出会えるのは、北海道のアイヌの方々くらいではないでしょうか。

一方ベトナムを見てみると、国内には政府によって認められているだけで53の少数民族が全国に暮らしています。ちなみに、一般的に言われている「ベトナム人」は、キン族と呼ばれる民族に該当します。ベトナム国民が保持しているID(国民証)にもきちんと民族欄の記載箇所があるのは、多民族国家ならではと言えるのではないでしょうか。

そこで、今回は少数民族と出会える観光スポットを5つ紹介。ビギナー旅行者でも気軽に立ち寄れる名所・エリアでもあるので、初めてのベトナム旅行者でも行くことができます。

少数民族と触れ合うにあたっての注意事項

ダラットのコホー族が作った財布

どの少数民族も普段は自分たちのなわばりの中で生活していますので、一般の方はベトナム人含めてそうそう出会うことはできません。彼らが町に出てくるときは、自分たちの民芸品を旅行客やベトナム人に売るときといっていいでしょう。ですので、少数民族と触れ合う際は、なるべく彼らの民芸品をお土産に買ってあげてください。彼らの作る民芸品はどれも質と希少価値が高く、お土産ショップでも人気ですね。その民芸品は、彼らから直接買えばかなりリーズナブル。家族や友人へのお土産にピッタリです。

1、北部サパの華モン族

カンカウマーケット

観光客にとって最も有名な少数民族と触れ合う観光エリアはラオカウ省のサパ。中国との国境傍にある山岳地帯で、ここで暮らす華モン族と触れ合うことができます。ハノイでもホーチミンでも少数民族の衣装生地で作られたバックやポーチを扱う雑貨店はたくさんありますね。実はこれらの民芸品はほとんどがここサパに暮らす華モン族が作ったものとなります。

ⒸJeremy Weate

市場では華モン族による直売所のような感じになっていて、観光客だけではなく雑貨店の仕入れ業者なども多数うかがえます。また、オプショナルツアーではサパのトレッキングツアーや、少数民族の家でホームステイといったユニークなものも人気があります。一般的にハノイから行くことになりますが、日帰りはなく、最短で1泊2日からとなります。サパ観光を目的とされている短期滞在旅行者は、ベトナムに来て最初に向かうのがいいでしょう。

2、バンメトートに暮らすエデ族・マノン族

マノン族

外国人旅行者にとって知名度はいまひとつですが、ベトナム人にとっては「コーヒーの町」、そして「少数民族が多く暮らしている町」として知られています。ハノイやホーチミンを歩けば必ず見かける「チュングエンコーヒー」。高級カフェチェーン店ですが、こちらの本社があるのも、ここバンメトート。また、2年に1度開催されるコーヒーフェスティバルはベトナム人をはじめ、外国人バイヤーにも知られている人気の祭典です。

そのバンメトートにはエデ族やマノン族といった複数の少数民族が暮らしています。バンメトートの町のツアーデスクやホテルでは、彼らの家にお邪魔できるオプショナルツアーが多数あるので、そちらに参加するといいでしょう。

憧れのゾウ乗り体験も

少数民族といえば、ゾウに乗っているイメージがあるのは筆者だけではないはずです。ただ、現実的に町にゾウが闊歩している様子は想像し難いですよね。バンメトートでは、実はそんな光景を日常で見ることができます。少数民族の彼らにとってゾウは、まるで犬や猫のペットを飼うかのような感覚。すっかりと生活に溶け込んでいます。ツアーでは彼らが飼うゾウに乗ることもできますし、川を渡ったり、ゾウの体を洗ったりすることもできます。

サパに続いて最も少数民族を身近に感じられる場所ではありますが、アクセスが少し厄介。ホーチミンから出発すると、バスで約8~9時間かかります。飛行機ならば1時間で行けるので、予算に余裕がある方は空路を選択することをおすすめします。

3、ダラットで出会うコホー族

コホー族。ベトナム人とは顔つきが違うのが分かる

ベトナム中南部の高原地帯ダラットは、ベトナム人の避暑地として人気。かつてはフランス統治時代に、フランス軍の保養地として開拓されました。現在ではベトナム人のハネムーン先として知られています。このダラットに暮らす少数民族は「コホー族」。彼らはダラットの市街地に出てくることはほとんどないので、町を歩いていても見かけることはありません。ただし、とある場所に行けば、コホー族と触れ合うことができます。

ランビアン山から望む景色。この山の下の麓にも彼らが住む村がある

その場所はダラット観光のメインとなる名所の一つでもある「ランビアン山」。ベトナム人が子供のころに読み聞かせられたランビアン伝説が生まれた場所であり、コホー族が生まれた民話でもあります。ダラット市街地からツアーが出ているので、それに参加するかバイクをレンタルして向かいましょう。ここで生活しているコホー族と触れ合う場所は2か所。

1つはランビアン山の入り口より少し手前に、コホー族が暮らす小さな村があります。村は自由に出入りすることができますが、あまりカメラを向けたり、教会など敷地内に入ったりすると嫌がられる可能性もあります。もう一つはランビアン山の麓。ジープもしくはハイキングで行くことができます。麓は観光客向けに多少開けていて、小さなカフェや売店もあります。その奥の石段を上がった先のランビアン像がある場所に、彼らを見つけることができるでしょう。

コホー族の女性たちが、ここで民芸品を観光客に直接売っています。機織り機で民芸品を作っている様子も見学することができます。彼らにカメラを向けるなら、一番安いものでかまいませんので、民芸品を買ってあげてください。

4、ムイネーで出会うヒンドゥー教信仰のチャム族

ポーハイ遺跡

ホーチミンからバスで6時間程度のところにある砂丘の港町ムイネー。そのムイネーの観光名所であるポーハイ遺跡(チャム塔)で出会うことができるのがチャム族です。チャム族とはベトナム国内の少数民族で最大規模。いくつかの支族に分かれていて、メコンデルタ地方のチャム族とは血統が異なるとされています。ムイネーに暮らすチャム族は、17世紀まで中部・中南部で栄えていたチャンパ王国の直接の子孫とされていて、彼らの宗教もチャンパ王国と同じヒンドゥー教シヴァ派。

チャム族

遺跡の祠堂傍では、チャム族の女性たちが民芸品を売っています。御覧のように目の前で機織り機で糸を紡いでいる、非常に貴重な光景を目の当たりにすることができます。ちなみに、チャム族の人々は独自の言語であるチャム語が公用語ですが、ここで民芸品を売る人たちは、みなさんベトナム語も堪能でした。

5、チャウドックで出会うイスラム教のチャム族・クメール族

チャム族が暮らす高床式住居

最後は南部メコンデルタ地方で暮らすチャム族です。彼らはムイネーで出会うチャム族とは異なり、イスラム教を信仰しています。また、クメール族(カンボジア人)も多数暮らしていて、チャウドックの中心市街地でもいたるところで見かけることができます。イスラム教徒の女性はみなさん黒いフードを被って頭を覆っているので、すぐに見分けることができます。

元気な子供もたくさんいる

チャウドックの市街地を歩いていると、小舟を持つ船主が観光に誘ってきます。彼らの船に乗ると、川を渡って対岸のチャム族が暮らす村へ案内してくれます。チャム族は冠水に備えて高床式住居で暮らしているのが特徴。観光客に向けてお菓子や民芸品を売っている家もいくつかあります。外国人観光客も多いので人懐っこく、子供はチャーミング。村の中へ行くこともでき、中央にはイスラムモスクもあります。

チャウドックまではホーチミンからバスで7時間程度。道中ミトーやカイベー、カントーといった観光都市もあるので、滞在日程に余裕がある方は、これらの都市も巡るといいかもしれませんね。

少数民族との交流を通じて

少数民族の多くは決して裕福とはいえない生活をしています。ですので、彼らの一部はこうしてキン族(ベトナム人)や外国人観光客向けに民芸品を売って生計を立てていて、そしてみなさんが交流できる民族でもあります。旅行を通して、彼らの貴重な生活の様子や素朴な笑顔に触れてみてください。きっと忘れられないベトナム旅行となるでしょう。

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