南北に長い国土を持つベトナムは、地域によって気候が異なるのが特徴の一つ。南部と北部では行く時期によっては気温や湿度、天気、雰囲気ががらりと変わります。そのベトナムも一般的に9月から12月は全国各地で雨季となり、いわゆる旅行のオフシーズンとなります。
では、この期間は本当にベトナム旅行はおすすめできないのか。実はそんなことはありません。オフシーズンにはオフシーズンなりの良さと魅力があります。今回はオフシーズンにあえてベトナム旅行をおすすめする理由をご紹介します。
オフシーズンは旅行代金が安い
日本人にとっては9月~11月は三連休がいくつかあるシーズンで、気軽に行けるアジア旅行が人気です。ただし、「ベトナム=雨季=観光に適していない」と考えているせいか、それほど観光客は多くありません。また、ゴールデンウィークやお盆、年末年始と異なり、すべての企業が休みになるわけではないので、飛行機もそれほど込み合うこともないでしょう。
ハイシーズンに比べると、飛行機のチケットも取りやすいですし、ツアーも安くなります。パックツアー(航空券+ホテル手配)に申し込めば、比較的低価格で高級ホテルに宿泊できる可能性も大いにあります。
1日中降る雨はかなり稀
雨季といっても、東南アジアの気候を持つベトナムではスコールが主。スコールは突発性豪雨を意味していて、1日数回、数十分の豪雨が降り、その後はからりと晴れあがります。特に南部のホーチミンは熱帯気候なので典型的なスコールとなります。
一方北部ハノイは熱帯気候ではないため、1日中降る嫌な雨も多いです。中部は豪雨だけではなく台風もぶつかるため、道路は冠水することもあります。ですので、南部旅行はスコールのときだけカフェやスパで時間を潰せば、それ以外の晴れ間の時間はいつも通り観光することができます。
ホーチミン旅行でマストで行きたいのが大自然メコンデルタ。一番人気のツアーなので、毎日催行しています。メコンツアーの道中にスコールが降った場合は、車の中で雨宿りしたり、要所で設けられた屋根付きの施設で雨が止むまで待つことができるので、観光にそれほど支障がでるわけではありません。
気温が下がって過ごしやすい
常夏の南部は乾季のシーズンは少し歩くだけでも汗だくになるほどの猛暑が続きます。ガイドブックを見て、次の観光名所まで徒歩15分とあったら、旅行者ならばためらいもなく歩くでしょう。しかし、実際歩いてみると分かるのですが、ベトナムで15分歩くのはかなり体力が必要です。
スコールが降ったあとは一時的に気温が下がり、過ごしやすい天気になります。市場や雑貨店の中には冷房が効いていないところもあるので、この時間を目がけてショッピングするのがおすすめです。ただし、雨上がりは蚊が発生するので、虫よけスプレーは必須。デング熱予防をしてください。
ツアーに確実に参加できる
ハイシーズンの時期は、世界中の旅行客がベトナムに訪れます。そして、外国人旅行者は日本人も含めて足を運ぶ観光スポットは似通っています。つまり、ツアーがいっぱいで予約が取れないこともよくあるのです。2~3泊の短期旅行者にとっては致命的ですね。
例えばナイトスポットで一番人気の水上人形劇。一日複数回公演にも関わらず、満員のため座席が取れない場合もよくあります。仮に予約できたとしても、後方座席のためよく水上人形が見れないといったことも。また、同じく人気ナイトスポットのサイゴン川ディナークルーズに関しても同様です。一日一度の出航ですし、定員もそれほど多くはありません。中国人や欧米人の団体予約が入ったら、予約ができないことも多々あります。オフシーズンでは少なくともそのような心配はありません。
ベトナム人と一緒にイベントに参加できる
9月~11月の間はベトナムではイベントのシーズン。10月は「ベトナム女性の日」、「ハロウィン」。11月は「ジャパンフェスティバル」、12月は「クリスマス」、「新正月」。また、9月2日は「独立記念日」なので、各地で政府主催のイベントが開催。また旧暦8月15日、カレンダーでは9月のいずれかの日に「中秋節」が開催。日本の月餅はベトナムでは「ムーンケーキ」として毎年食べられています。こちらも町中で子供向けのイベントがあちらこちらで開催。
さらに10月10日は首都ハノイにて「ハノイ解放の日」として、町中いたるところでベトナム国旗が掲揚します。これは第一次インドシナ戦争が終結して、北ベトナムがフランスから独立を勝ち取った日。ハノイのみのイベントとなります。イベント開催日は町の雰囲気も変わるので、ちょっと違うベトナムを垣間見ることができます。
オフシーズンでもベトナム旅行は満足が高い
今回紹介したように、ベトナムはオフシーズン中であっても旅行の満足度は高く、雨降りもそれほど気になるものではありません。9月~12月の間に旅行先を決めかねている方は、是非ベトナムを選んでみてください。後悔しない観光ができるはずです。