例えば、1万円の現金を持ち歩くとき、日本では1万円札一枚となりますが、ベトナムでは、最高額紙幣の50万ドン札は2500円程度の価値なので、最低でも4枚持ち歩く必要があります。小額紙幣も混ぜれば、ちょっとした厚みの札束になります。ベトナム人からすると、かなりの大金であるため、札束を外国人が持ち歩くのは賢明な判断とは言えません。
欧米人に倣う?
一方欧米人を見てみると、彼らの大半はカードを所持しています。欧米人は細かなものよりも、高価なものを一つ二つ買う傾向にあるので、そのときは決まってカードで決済します。日本人はまだまだ現金主義で、カードや小切手を切るのは一般的ではありませんね。しかし、ここは東南アジアのベトナム。盗難被害も考慮して、いままでカードとは無縁だった方も、これを機に一枚作ってみてはいかがでしょうか。
クレジットカードの利用の可否
クレジットカードは旅行者が訪れるような店では決まって利用することができます。レストラン、スパ、雑貨店をはじめ、ショッピングセンターのテナントでも最近は幅広く使えます。近年はベトナム人ビジネスマンの間で、クレジットカードを所持するのが一種のステータスとしての傾向にありため、店側も需要に対応している形となります。
とはいっても、すべてのカード会社が使えるわけではありません。まず鉄板なのはVISAとマスターカード。これが使えない店はほぼ皆無です。続いて日本のクレジットカード会社であるJCB。ベトナムは日本人観光客が非常に多いので、特に雑貨店やスパの類は、JCBが使える確率が高いです。次いでアメリカンエクスプレス(アメリカ)、ダイナーズ(韓国)となります。日本人の多くはVISA、マスター、JCBのいずれかと思うので、「このカードは使えません」と拒否されることはないかと思います。
ベトナム人にとって、クレジット決済はデビットが一般的です。通常のクレジットカードと異なり、デビットはその場で銀行口座から引き落とされますので、自分が使った金額が一目瞭然で、カード地獄に陥る心配が少なくなります。ちなみに、カード決済するときは、必ずレシートで金額を確認してください。ベトナムはゼロの桁が多いので、見落としてゼロが一つ余分についていたら取返しのつかない問題へと発展します。
トラベラーズチェックは使えない
一昔前までは、海外旅行の必需品でもあったトラベラーズチェック。盗難されても再発行ができることから、長期旅行者の鉄板でもありましたが、最近は使える店が極端に少なくなってきた様子です。ベトナムでも高級レストランであっても、トラベラーズチェックの支払いを拒まれることが度々あるほか、「受け取ってもいいが、釣りはない」という店もあります。近年は存在価値がなくなってきていて、ことベトナムに関しては、利用価値はほぼゼロといっていいでしょう。
キャッシュカードは持っていくべき?
現地で現金を調達したい場合に備えて、キャッシュカードを一枚持っていくのがおすすめです。注意点は、海外で使えるキャッシュカードは、国際キャッシュカードとなります。地銀のカードを持っていっても使えないので注意してください。ベトナムで一般的に普及している国際銀行は、シティバンクとANZです。いずれも世界最大手の銀行となりますので、世界各国で利用することができます。
シティバンクは専用ATMが、ANZはコンビニなどで利用することができます。どちらもおすすめで、シティバンクは現在三井住友銀行がその役目を引き受けていますので、現在はカード会社の名称がSMBC信託銀行に変更しています。既存のカードは現在でも利用可能です。ANZはスルガ銀行のキャッシュカードに付与することができます。レートは1円悪いほか、引き落とし手数料もかかるので、日本円を現地に持ち込んで直接両替した方が換金率はいいので、これは最後の手段として覚えておきましょう。
カードは2枚持参がおすすめ
おすすめとしては、クレジットカードと国際キャッシュカードを一枚ずつ持っていくのがおすすめです。気を付けてほしいのは、あくまでも2枚で、国際キャッシュカードにクレジットカードを付与はしないことを推奨します。こちらを1枚盗難や紛失に遭っただけで、旅の続行ができなくなる可能性がありますので、できるだけリスク分散を心がけてください。