南北にいびつな地形が連なるベトナムは、地域によって気候が異なるため、一概に「年中暑い」とは言い切れません。また、東南アジアといって、24時間半そで短パンといったラフな格好で過ごせると思っている方も要注意です。今回紹介するのは、ベトナム南部のホーチミン。年間35万人の日本人旅行客が来越するベトナム最大の観光エリアです。そのホーチミンで滞在中過ごすべきベストの服装を解説します。
基本の服装は露出高めでOK
ホーチミンはベトナムの中でも最も暑い気候で、世界標準のケッペン気候区分によると、「熱帯モンスーン気候」に属しています。いわゆる年間を通して乾季と雨季に分かれ、年中平均気温が高い東南アジア特有の気候というものです。そのホーチミン旅行では、乾季・雨季の時期問わず、基本概念として露出の高い服装で問題ありません。ほとんどの寺院も短パンでも入場できますので、服装にこだわる必要もないでしょう。
男性はTシャツ、半そで、ポロシャツ。汗が嫌な方はインナーに白シャツを着るのもいいでしょう。ボトムスは短パンでOKですが、膝より丈が短いパンツの場合、高級レストランやバーで入店を断られることもあります。そちらに行く可能性がある方は、7分丈もしくは長ズボン、ジーンズ、チノパンあたりが無難です。また、上記のレストラン&バーはサンダルも入店不可の場合もあります。事前にチェックが必要です。女性はワンピース、ノースリーブでも問題ありません。もしバイクタクシーやレンタルバイクに乗る可能性がある方は、スカートは避けるのが無難です。また、ベトナムではミニスカートは一般的ではありませんので、浮くのが嫌な方は長い丈のスカートに留めておきましょう。
店内で上着が必要な理由
カフェ、レストラン、ショッピングセンターといった商業施設では、冷房がかなり強めに効いています。ベトナムでは自宅に冷房がある家はまだまだ少ないですし、カフェやショッピングセンターでは、そんな彼らのたまり場となっています。店側も「冷房が効いた店」というのを一種のステータスとしているので、客が肌寒そうにしていても関係なくガンガン冷房の温度を下げます。
とはいっても、観光客にとっても陽気が厳しい日中観光の合間に、ひんやりとしたお店はオアシスに映ることでしょう。ただし、外と店内の温度差が激しいと、返って風邪を引いて体調がおかしくなってしまいがちです。そこで、カーディガンなど薄いものでかまわないので、上に一枚羽織るものがあると、非常に便利です。ちなみに、不要なときは長袖を腰に巻く人も多いですが、ベトナム人からすると、The・日本人のように映るようです。
ホテルでも上着は必要
ホテルでも上述した商業施設同様、レセプションやラウンジ、レストラン内は往々にして冷房が効きすぎている印象を受けます。また、客室内も注意が必要です。基本は自分で調整できるのでいいのですが、暑くてついつい冷房の温度を下げすぎてしまうと、朝は肌寒く感じることもありますし、そのまま体調を崩してしまうこともあります。
また、客室内で注意しなければならないのが「蚊」です。日本でもデング熱が流行りましたが、ベトナムでも年間を通してデング熱患者は発生します。一昔前まではデング熱を持つ蚊は山岳高原農村地帯と言われていましたが、最近では、都心であっても感染症ウイルスを持つ蚊が生息するようになっています。蚊はホテル内にも侵入してきますので、露出した格好で寝ていたら刺されてしまうこともあります。これは5つ星ホテルであっても同じです。
ホーチミンから郊外旅行に出かける方も上着の準備をしてください。高原地帯のダラット、港町のブンタウ、ムイネー、農村地帯のメコンデルタ地方方面は感染症ウイルスを持つ蚊が生息していますので、観光中は上着を着てできるだけ露出を避けるのがいいでしょう。また、虫よけスプレーやムヒも持参しましょう。きっと役立ってくれます。
紫外線対策は必須
現在ベトナムでは美白がブーム。そこで、若者をはじめ、多くのベトナム人はやりすぎとも思えるほどの紫外線対策を講じています。ベトナムは日本よりも紫外線量が1.5倍~3倍程度多いとも言われています。短期間の滞在であっても、露出していた肌は帰国時にはこんがりと日焼けしていることでしょう。
できるだけ肌を露出しない服装が望ましいですが、ベトナム人のようにパーカー、ジャージといった服装はかなり暑いので、薄着でもいいので上に羽織るものがほしいところです。また、その他の紫外線対策としては、「帽子」、「サングラス」、「UVカットクリーム」などは必須アイテムと言えます。また、UVカットクリームはなるべく値段が高い良質なものを持参してください。安物だと汗でべたついて、肌が気持ち悪くなってしまいます。
朝晩は実は冷え込む
常夏のホーチミンといえども、24時間暑いとは限りません。特に雨季である6月から12月頃までは、朝晩は冷え込むこともあります。早朝の6時ころに市場はすでに多くの現地人でにぎわっています。市場の活気や売り子の呼び声などを求めに足を運ぶ旅行客は、一歩外にでて、「あれ、ちょっと肌寒い」と感じることもあるでしょう。ベトナム人も朝晩は長袖を着用する人も多いほどなので、みなさんも無理しないで少しでも寒いと感じたら、ホテルに戻って上着を持っていきましょう。
長袖の着用は蚊と紫外線用
上記で説明したように、いくつかの理由の元長袖を持っていくことを強くおすすめします。ただし、ホーチミンにも寒い時間帯があるといっても、中部や北部ほどではないので、基本は蚊除けと紫外線対策としての着用と考えていただければと思います。
かさばるのが少しでも嫌な方は現地で調達するのもありですが、生地の質は安かろう悪かろうなので、滞在中のみ着用と考えて購入することをおすすめします。