ホーチミン旅行に来た方は、日中はメコンデルタや市内観光をし、夜は疲れて早々にホテルに戻ってはいませんか。ホーチミンに来たからには、夜を楽しまなければ。ホーチミンはベトナム最大の都市です。日中は静まり返っていた場所も夜ににぎわったり、また別の顔を見せてくれるのがホーチミンの夜の魅力です。今回は夜に歩くおすすめのエリアをご紹介します。
夜行性のベトナム人
「ベトナム人の1日は会社が終わってからはじまる」というように、夜になると、公園や芝生、広場、通りには続々と老若男女のベトナム人が集います。また、これは休日でも同じこと。ホーチミンは南国の気候で、日中は非常に暑いです。これはベトナム人であっても耐えられるものではなく、多くの人は屋内施設か自宅で日が沈むまで過ごします。
そして、気温が低くなる夜に、ベトナム人は続々と姿を現します。公園のベンチで愛を語るもの、カラオケで盛り上がるもの、ビアクラブでビールを傾けるもの、などなど夜の過ごし方は人それぞれ。高度経済成長に突入している彼らの生き方を垣間見ることができます。
ドンコイエリアで雑貨店の梯子
ドンコイ通りはホーチミンの1区中心の市民劇場の目の前を走っている通りです。西は聖母マリア教会、東はサイゴン川まで続いてるメインストリートで、昼夜問わず多くの外国人旅行客が行き交っています。
夜はご覧の通り、煌びやかな電飾に包まれたお洒落通りとなります。たいていの雑貨店は20時~21時頃まで営業しています。スパは24時頃まで、レストランは22時頃まで、バーは翌2時頃まで営業しているところもあります。日中はアウトドア観光に精を出す旅行者も多いので、郊外から戻ってきて、一休みしたあとの夜のこの時間に、ゆっくりとお土産探しをするのはいかがでしょうか。
聖母マリア教会周辺で現地の空気を感じる
ドンコイ通りを西進むと、ほどなくして見えてくるのが2つの尖塔を持つ聖母マリア教会です。この周辺はコンサーパリス通りと名付けられていて、中央郵便局やダイヤモンドプラザ、4月30日公園にその向こうに統一会堂と、観光スポットがいくつも点在しています。外国人には目が離せないガイドブック定番のエリアですが、それと同時に現地人にとっては、夜にみんなで集まる癒しスポットでもあります。
教会前のマリア像が建つ周辺は小さな芝生が広がっていて、日中は暑いので観光客くらいしか寄り付きませんが、夜になるとご覧のように多くの現地人の若者で盛り上がります。ベトナム人は友人同士で集まって談笑するのが大好き。それに釣られて屋台も多数でてきます。
もちろん外国人旅行客も歓迎です。ホーチミン人がどのような夜を過ごしているのかを知るいい機会になりますし、ベトナム人と国際交流をすることもできるかもしれません。彼らはとても人懐っこい性格をしているので、もし英語や日本語を勉強している学生がいれば、声をかけてくれることもあるでしょう。
市民劇場&人民委員会庁舎でプチパリを感じる
夜はぼんやりとライトアップされる市民劇場(オペラハウス)。その横に建つ高層ビルは5つ星のカラベルホテルです。写真には映っていませんが、市民劇場の隣にはさらに4つ星のコンチネンタルホテルがあり、その周辺も夜は現地人の若者や子供連れの家族が集まっています。
オペラハウスは普段は外観のみ写真撮影可能で、入場することはできません。定期的にイベントが開催されるので、そのチケットを持ってして中に入ることができます。中はオペラハウスと銘打つように、劇場仕立てとなっていて、ここでショーやオーケストラといったイベントが開催されます。
このフランス建築の建物が人民委員会庁舎です。ホーチミン市を管轄するお偉いさんが集まる場所で、さしずめ都庁のようなところ。人民委員会庁舎前を通るレタントン通り沿いでの撮影は不可。警備員に叱られます。ただし、正面の敷地内からだと撮影できます。正面には小さな芝生があり、ここも若者のたまり場となっています。
新しくなったグエンフエ通り
人民委員会庁舎を起点にドンコイ通りと並行してサイゴン川へ向かって走る通りがグエンフエ通りです。2015年に改修工事を終えて、夜は歩行者天国となって生まれ変わりました。現在ではガイドブックにも紹介されているホーチミン観光の名物にもなっていて、現地人だけではなく、多くの外国人も行き交っています。
大道芸、ストリートミュージシャン、ダンサーなどがパフォーマンスを披露したり、中央にある噴水は色鮮やかにライトアップ。周辺に建つホテル、レストラン、ショッピングセンターなどもそろって電飾に光を灯すので、大都会のホーチミンの顔を見ることができるでしょう。ちなみに、終点であるサイゴン川沿いはカップルのエリア。夜のサイゴン川を眺める彼らの背中を眺めて異国を感じるのもいいでしょう。
バックパッカー街は夜に動き出す
最後はバックパッカー街です。デタム通り、ファングーラオ通り、ブイビエン通りの3つの大通りが構成するこのエリアは、「ファングーラオ」と呼ばれるエリアで、東南アジアではタイ・バンコクのカオサンに次ぐ規模を誇るバックパッカー街です。ゲストハウスやミニホテルといった安宿や、ツアーデスク、マッサージ店、多国籍料理レストランなどが軒を連ねています。
日中はバックパッカーの多くは郊外観光に出かけているので、この界隈はあまり人がいません。本番となるのは夜からです。バックパッカーがそろってここに帰ってきて、夜の時間を過ごします。ブイビエン通りの両脇にはプラスティックの椅子がおかれ、ビールや肴をつまむ外国人、現地人で毎夜盛り上がります。ビールはサイゴンビールや333といった地ビールは12000ドンと約60円。世界的に見ても非常に安く、また味は薄いので何本も空にすることができます。
昼間はカフェだったり、閉店していたりしていたお店も、夜は様変わりします。ナイトバー、ビリヤードバー、スポーツバーといった顔に変わり、旅行者はスパイシーな時間を過ごすことができるでしょう。ただし、怪しいお店も出てきますので、トラブルもつきもの。男性、女性とも夜遊びは自己責任でお願いします。
夜のホーチミンを満喫してこそ120%満足いく旅になる
今回ご紹介したのは、ホーチミンの1区内でひときわ盛り上がっているエリアです。ベトナム人は人が集まっているところにさらに集まる傾向にありますので、エリアによって閑散した場所とに賑わっている場所とが極端なほど分かれています。ここで紹介した場所は、日本人観光客も御用達のエリアで、いずれも徒歩圏内です。滞在中最低でも一夜は夜のホーチミンに繰り出してみてはいかがでしょうか。