ベトナムの中北部にあるフエは、19世紀から20世紀半ばまで栄えていた阮(グエン)朝が支配していました。その歴代阮朝が作った建築物は、1993年にはユネスコ世界遺産に登録され、現在では多くの旅行者が訪れる中部を代表する観光地となっています。
そこで、今回はフエ旅行で訪れたい観光スポットを10個ご紹介します。
目次
① 阮朝王宮
阮朝時代の歴代13代皇帝が居城していた王宮。ベトナム戦争時に大半が焼け野原になってしまい、現在は復旧作業中。当時の様子などはミニチュアの模型や3D映像などで見ることができます。現在も見学可能な部屋が複数あるので、観光客はそれらを回ることになります。
② フエ宮廷美術館
阮朝王宮の敷地東側に建つ宮廷美術館。阮朝3代皇帝のときに作られたのち、12代皇帝啓定帝の時代に美術館としてオープンしました。啓定帝は非常に美術品を愛していて、フランスに度々足を運んでいたとされています。「その国の美術から礼儀作法や政治が見えてくる」とまで言ったほど。
③ カイディン帝廟
上記美術館を作った12代啓定帝の廟。小高い丘に建っていて、辺りは森林に囲まれている見晴らしのいい立地。啓定帝は中国ではなく、フランスを宗主国とした点で他の皇帝と考え方が大きく異なることが分かります。こちらは寺院ではなく廟となるため、啓定帝の遺体が院内中央に眠っているとされていますが、真偽は定かではありません。
④ トゥドゥック帝廟
4第皇帝トゥドゥック帝が築いた場所。現在はトゥドゥック帝の廟となっていますが、当時は同皇帝のために作られた別荘地でした。それだけトゥドゥック帝時代は平和だったと言われていて、皇帝はたびたびここの湖で釣りに興じていたとされています。
⑤ ミンマン帝廟
2代皇帝ミンマン帝の無きあとに造られた皇帝を祀る廟。中国の紫禁城に倣った建築で、当時中国が宗主国であったことが分かります。敷地は非常に広いため見ごたえがありますが、かなり疲れますので、他の世界遺産建築物も見学を予定している方は、すべて回ろうとせず、要所を抑えた散策をするといいでしょう。
⑥ マーシャルアーツ
ツアーで行くことができる「マーシャルアーツ」は、中国拳法の武芸家十数人が、さまざまな武器を使用して舞踊を披露してくれます。中には女性の武芸家もいます。瓦やコンクリートを素手で割ったり、槍を喉元に刺して喉の力で曲げたりなど、超人技を間近で見ることができます。
⑦ 線香村
マーシャルアーツと一緒に見学することができるのが、こちらの線香村。仏教大国のベトナムでは、人口の7割から8割は仏教徒と言われています。線香は寺院に参拝するだけではなく、レストランやカフェといった商店にも商売繁盛のため添えられていますし、各家庭でもリビングに決まって祭壇があります。フエは線香の特産地で、この線香村はテレビでも取り上げられているほど有名な場所です。
⑧ ティエンムー寺
ティエンムー寺はフォン川沿いにある仏教寺院。世界遺産ではありませんが、400年の歴史を持つ格式高い寺院として、現地の仏教徒の参拝の場として親しまれています。阮朝王宮と同じ旧市街側にあるため、王宮の見学後に向かうといいでしょう。
⑨ ファングーラオ通り
フエで観光地以外に旅行者の生活の拠点となるのが、ここファングーラオ通りとボーティサオ通り。通り沿いにはツアーデスク、中級ホテル、レストラン、カフェ、バーなどが所狭しと並び、お土産向けの雑貨店もたくさんあります。観光から帰ってきたら、次は市内観光を楽しみましょう。
⑩ フォン川とその周辺
旧市街と新市街を隔てるフォン川周辺には、芝の広がる公園があります。不思議なモニュメントや飲料・お菓子を売る売店があり、また、畔にはボートの停留場があり、新旧市街地を往復することができます。新市街から乗ると、ティエンムー寺前まで運んでくれます。観光の折に利用してみてください。
1泊から2泊の観光を計画しよう
フエ観光を計画している方のほとんどは、ダナンやホイアンをメインに旅行を検討していることでしょう。ここで紹介した観光名所を巡るのであれば、1日から2日間のスケジュールを組むといいでしょう。