ベトナムの首都ハノイは、年間30万人以上の日本人が訪れる一大観光エリアです。当初はツアーに参加する方が多かったですが、ここ数年で個人で観光する旅行者も増えてきました。ツアーの場合は専用バスに乗っているだけで目的地まで行ってくれますが、個人の場合は自力で行く必要があります。
そこで、今回はハノイ旅行者に向けた現地での移動に関する5つの確認・注意事項をご紹介します。南部ホーチミン旅行とは大きく異なる移動を強いられるので、よく覚えておくといいでしょう。
1、基本の移動はどこでもタクシー
ホーチミンではメインエリアである市民劇場、ドンコイエリア、聖母マリア教会、ベンタイン市場などはすべて徒歩で行くことが可能の距離です。ですので異国の風景の中散歩がてら散策、というのもできましたが、ハノイではそれは困難。徒歩で可能なのはホアンキエム湖と傍にあるハノイ大教会、その北に広がる旧市街くらいです。ホアンキエム湖の南部にはホアロー収容所や女性博物館など見どころもありますが、体力がないときびしいうえ、入り組んだ道は迷いやすいです。
基本ハノイ観光ではどの観光スポットでもタクシーで向かうこととなります。ただし、渋滞の時間は運転手が近場や混雑する場所だと判断すると、乗車拒否をすることも多々あります。こちらが怒るとトラブルの原因となるので、別のタクシーを探すようにしましょう。ベトナムではどこでも流しが走っているので、タクシーを捕まえるのに苦労はしません。
2、一人旅行ではバイクタクシーをチャーターするのがいい
二人以上の場合は四輪タクシーの方が割安の場合が多いのですが、一人旅行であれば、バイクタクシーを乗りこなすのが節約できる大きなポイント。バイクタクシーは無許可営業なので、その多くが個人事業です。ですのでガイドブックではおすすめしていないケースが多いのですが、一度料金を決めてしまえばメーターが跳ね上がる心配や遠回りされるトラブルなどがないメリットもあります。
市内の観光名所や隣町のバッチャン村への半日観光などの際は、いっそのこと運転手と最初に交渉してチャーターするのがいいでしょう。チャーターの仕方は大きく分けて2つ。自分が行きたい場所をすべて伝えて料金を提案してもらう方法と、何時から何時までと時間を決めて貸し切る方法です。基本バイクタクシーの場合は前者が多いです。また、決めた料金はすべて後払いとなります。間違っても先に払わないように。
3、シクロは移動手段ではない
ベトナムの人力三輪車のシクロに乗るのも旅の目的という旅行者もいるでしょう。ベトナム産の映画でも決まってその国の象徴として登場しますね。しかし、近年はシクロも規制が厳しくなっていて、どこでも見かける乗り物ではなくなってきました。また、シクロの運転手は基本は年配のおじちゃん。人をのせて漕ぐわけですから、そのスピードは早歩きと同じくらいの緩いスピードです。
例えばホアンキエム湖でシクロに乗って、「ホーチミン廟まで行って」といっタクシーのような利用の仕方はできません。「ホアンキエム湖を一周して」、「旧市街を適当に回って、また同じところに戻ってきて」といったような、あくまでも風景を眺めて散歩するのがシクロの楽しみ方。ちなみに料金は10万ドン程度。いまとなっては観光客しか利用しないので高めです。もし散歩するなら夜のホアンキエム湖がおすすめ。電飾でライトアップされたホアンキエム湖の遊歩道や道路の反対側に煌めくコロニアル建築の建物が非常に風情があります。
4、Grabタクシーの普及度はかなり高い
日本でも運転代行は利用している人はいるかもしれませんが、配車サービスは法律上なかなか普及していませんね。電車がないときは、ちょっと高いけれどタクシーを使うのが一般的。一方ベトナムではUberとGrabの配車タクシーが普及しています。当初はUberが最初に進出しましたが、現在ではGrabが圧倒的に町を支配しています。通常のタクシーやバイクタクシーよりも半値くらいに安い上、都心であれば数分待つだけで捕まえることができますので、アプリを使うことができればかなりの節約ができます。
5、列車を利用する場合は、グレードが高い席を確保する
旅慣れた方や他都市を陸路で移動する旅行者の中には、列車を利用する人も多いでしょう。ベトナムの列車は電車ではなくディーゼル機関車となるので、70km前後の緩やかなスピードで一夜かけて目的地にひた走るのが普通。列車の座席チケットは複数あり、寝台(ベッド)or座席、座席の場合はソフトシートorハードシート、寝台の場合は上or下と細かく料金体系が分かれています。おすすめは最も高い寝台の下。列車の中には寝台の中でもソフトとハードに分かれているところもあるので、その場合はソフトがおすすめ。
旅費を節約しようと安いチケットを買う方も見かけますが、皆さんあとになって後悔しているようです。他エリアまでは9時間以上乗るのが当たり前ですし、日本の寝台列車と比べても乗り心地はかなり悪いです。もちろん揺れも大きいです。もし他の人と相部屋が嫌ならば、一部屋4ベッドすべて貸切るのがおすすめです。赤ちゃんを連れている方はその方が周囲の目を気にしないのでいいでしょう。また、時間になにかとルーズなベトナムですが、意外と列車は定刻運行です。乗り遅れないようにしましょう。
移動手段を確保して充実したハノイ旅行を
今回紹介したように、現地での移動の方法は日本とは大分異なることが分かります。郷に入っては郷に従えというように、まずは現地での移動方法を事前に計画するのが肝要です。また、列車やバス、航空券の手配は現地のツアー会社などで引き受けてくれます。