ホーチミンの目抜き通りであるドンコイ通りには、ホテルやレストラン、雑貨店にマッサージ店などが所狭しと並んでいます。それらを半日かけて渡り歩くのが女性の楽しみではないでしょうか。今回紹介する「トンドゥックタン通り」は、そのドンコイ通りから繋がっている南北に延びる通り。サイゴン川沿いを走っているので、散歩スポットとして現地人、外国人双方に人気があります。
今回は「トンドゥックタン通り」をご紹介します。
アクセス
市民劇場から行くとすると、まずはドンコイ通りを歩きましょう。雑貨店で買い物したり、レストランでランチをとったりしながら、ゆっくり行くのも。ドンコイ通りをひたすら進んでいくと、南北に走る道とT字路でぶつかります。右手には5つ星のマジェスティックホテルがあるので、そちらを目印にしてください。
傍らに広がるのはサイゴン川!
そのT字路を南北に走るのが、「トンドゥックタン通り」となります。トンドゥックタン通りはそれほど長い道ではありませんが、南方は橋まで続いていて、橋を渡ると4区となります。川べりにはホーチミン博物館とディナークルージング船が停泊している埠頭があります。
一方北に向かって歩くと、ほどなくしてディンティンホアン通りに繋がります。そのまま北上すると多くの在住日本人がベトナム語を学んでいる人文社会科学大学や隔週で開催されるウィークエンドマーケットのホアルー競技場などが見えてきます。サイゴン川の傍を歩けるのはトンドゥックタン通りと南方のホーチミン博物館までなので、それほど距離は長くありません。是非一往復してみてください。
戦国の武将の像がシンボル
トンドゥックタン通りには御覧のような小さな公園があります。ベンチと石像だけの小さな面積ですが、こちらも名所の一つ。この石像はチャンフンダオという実在した戦国の武将。元の襲来を2度にわたり防いだとされる猛将で、現在では英雄として扱われています。全国各地の道路には名前が付けられていますが、チャンフンダオ通りも各地にあります。ホーチミンではベンタイン市場斜め向かいから中華街のチョロンまで通っている長い道です。他の通りと比べると、チャンフンダオ通りは比較的メインストリートに名付けられている傾向にあります。
また同通りとなっているトンドゥックタン氏は政治家。まだ南北分断国家だったころの北ベトナムの2代国家主席です。ちなみに初代はみなさんご存知のホーチミン氏。
人気のホテルもたくさん並ぶ
サイゴン川沿いにも人気のホテルは幾つもあります。先ほど紹介したドンコイ通りとの交差点にあるマジェスティックホテルは国営の5つ星ホテルで、日本の著名人も宿泊しています。また、チャンフンダオ像の背後に聳えるタワー型のホテルはルネッサンスリバーサイドホテルといい、こちらも5つ星。日本人スタッフも常駐しているマリオット系列のホテルです。さらに写真上のこちらは老舗リバーサイドホテル。5つ星ではありませんが、客室からサイゴン川を見渡せて、なおかつリーズナブルな料金で宿泊できるとあって日本人にも知られています。さらに北上すると5つ星のロッテレジェンドホテルもあります。ドンコイ通りにも歩いて行けるので、この通り沿いでホテルを探すのもいいかもしれませんね。
遊歩道で気ままに散歩
サイゴン川の魅力は、大都市ホーチミンのど真ん中に流れていることではないでしょうか。ホーチミンもここ10年で著しい発展を遂げて、右見ても左を見ても高層ビジネスタワーや近代的なショッピングセンターが溢れるようになりました。その中心に昔から変わらずにあるサイゴン川がゆっくりと静止したように流れているのは、なんだか不思議な光景です。ベンチに座って遠くを見つめる現地人や、傍の遊歩道を気ままに歩く外国人。そんな何気ない風景を見ることができます。
時代の発展をうかがわせる様子。ベトナムはハノイとホーチミンを中心に高度経済成長期に突入しています。物価はインフレし、町には電車が通り、高級マンションが飛ぶように売れていく。まさに絵に描いたような時代のうねりの真っただ中。その時代の変遷、転換期を旅行中肌で感じることができるでしょう。そして、それは近現代のいまにおいて、本当に貴重な体験であることを覚えておいてください。