ホーチミン観光の中心に広がるドンコイエリアは、日本人旅行者なら誰もが足を運ぶメインストリートです。東西に延びるドンコイ通りと、辺り一帯は「ドンコイエリア」と呼ばれていて、数百のスパ、雑貨店、レストランがひしめき合っています。お店も頻繁に変わるので、一度行った方も次の来訪時には是非再び訪れてみてください。新しい発見をたくさん見つけることができるかと思います。
今回はドンコイエリアを歩いてみました。
建ち並ぶ雑貨店は健在!現地人に人気の店も
ドンコイエリアには70~100店舗ほどの雑貨店が現在あると言われていますが、その数は年々伸びています。一昔前までは大通り沿いにしかなかったお店が、現在では路地裏にひっそりと構えていたり、古アパートの小部屋で営業していたりします。しかも、中にはそれで成功して現地の若者に人気のお店も出てきました。
定番物だけではない!オリジナル雑貨を買おう
もはや定番物の陶磁器やマグネットなどしか売っていないお店はほとんどありません。どのお店も独自のデザインのオリジナルアイテムを扱うようになっています。「〇〇は当店だけです。他のお店はすべてコピーです」などといった張り紙を貼っているお店もときおり見かけるほど。とある雑貨店のオーナー曰く「旅行者にもトレンドというものがあるみたいです。特に日本人はお馴染みの雑貨じゃ満足できなくなってきている」とのこと。もともとこの雑貨通りは日本人のためにあるようなもの。どのお店も日本人旅行者の動向には注視しているようです。
お洒落だけじゃない!本当においしい料理を出す店も増えてきました
ドンコイエリアのレストランはどこも外国人に人気が高いですね。レストラン側も意識しているので、伝統音楽の生演奏をつけたり、内装にベトナムらしさを強調したりしています。しかし、最近はそれだけではありません。他店との差別化を図るために、料理もおいしくなってきています。星付きホテルでシェフをしていた人が厨房に立ったり、味の工夫だけではなく盛り付けまで気にするお店も多くなってきた印象です。ドンコイ通りの中心に建つ老舗「ベトナムハウス」は名だたるレストランでいつ来ても多くの人で賑わっていますが、そのお店も数か月休業して改築。料理も内装も一新しました。
また、個人経営のカフェも健在。近年はベトナム、韓国、アメリカの大手カフェチェーンが続々と店舗を広げていますが、個人経営のこじんまりカフェが廃れる兆候はありません。それほどベトナム人はカフェが好き。しかし、いままでは内装にこだわっていたカフェも、最近は味に本気を出し始めた様子。例えばドンコイエリアに2店舗構えている「シンコーヒー」は、コーヒー豆にこだわった高級カフェ。世界各国から豆を生豆で輸入し、店内で焙煎しているこだわりようです。もちろんコーヒーを作るのはそこらへんのアルバイトではなく、専属バリスタ。旅行者にも注目されています。
いつもと変わらない現地の様子も
もちろんすべてが進化、あるいは変化しているわけでもありません。10年も20年も前から同じ場所にあるお店もあれば、屋台もあります。ドンコイエリアは旅行者だけではなく、現地のベトナム人も多くいます。近隣には背の高いビジネスビルもありますし、雑貨店やレストランにしても、お店の数だけスタッフはいるわけですね。そういった彼らが足しげく通うお店というのは、往々にして時代に取り残されたような古びた外観が特徴。旅行者にとっては"ベトナムらしい"雰囲気満載です。
屋台で買うものに衛生に不安な方は、果物や焼き菓子などがおすすめです。果物は日本では見たことがない南国フルーツがありますし、季節物も多いので、ベトナムに来る時期によっても食べられるものは変わっていきます。また、焼き菓子はワッフルのようなものなどパンが多い様子。香ばしくて外れ無しのおいしさです。
日本のあの書店がベトナムに!
ベトナムの書店はどこも大型で、書籍のみではなく文房具や子供向けおもちゃなども扱っているのが普通。グエンフエ通りにあるFAHASAは業界最大手の老舗。その書店が最近では日本の紀伊国屋と提携して、日本の書籍も扱うようになりました。これは在住日本人にとっては朗報。日本語の小説や漫画などを買うことができるようになりました。
フレンチコロニアルの神髄の中を見学可能に?
市民劇場の向かいに建つホーチミン人民委員会庁舎。簡単に言えば都庁のようなもの。ホーチミン市で最もお偉い方々が集まって会議をする場所です。そこの人民委員会庁舎の外観はガイドブックに載っているようにフレンチコロニアル。しかし、いままでは外観の見学のみで、近寄っての写真撮影すら許されていませんでした。その庁舎が近々一般開放される見通し。新たな観光スポットとして加わる日も近いかもしれません。
いつ来てもドンコイエリアは旅行者のための道
ベトナムには外国人御用達のメインストリートがいくつかありますが、その筆頭にあるのが、今回紹介したドンコイエリア。店の数、規模、賑わい、とすべてにおいて他を寄せ付けません。滞在中は隅々まで探索してみてください。