小学生くらいの子供を連れての海外旅行の場合、どこの国へ行くべきかはもちろんのこと、どこの都市へ行くかも迷いどころの一つ。例えばホーチミンは雑貨ショッピングやスパなどがメイン。メコンデルタ地方やナイトライフは子供も楽しめますが、日中の市内観光は少し物足りないかもしれません。雑貨を物色していたら、「早く行こうよ~」と子供が駄々をこねる場面は容易に想像できますね。
そこで、ベトナム国内でおすすめなのが「ホイアン」です。実際ホイアンの町を歩いていると、子供連れのファミリーの姿をとても多く見ることができます。単なる世界遺産の見学に終わらないで、その町に古くから残る文化体験もできるのがホイアンの魅力。今回はファミリー旅行者向けに、ホイアンの魅力をご紹介します。
ホイアンの歴史に触れる
1999年に世界遺産に認定されたホイアンの町並み。ハノイやホーチミンとは随分違うレトロな町並みが広がっています。極力ホイアンが交易の町として栄えた17世紀の姿を保っているとされていて、ホイアンに見える家々はすべて当時の建築様式を守っています。
バイクや車、人々の雑踏から離れて、ほっこりとした時間を満喫できるのは、現代社会に疲れているお父さんお母さんにとっては嬉しい時間では。
また、ホイアンは日本とも関係があり、17世紀の徳川家康時代には朱印船も派遣され、それは鎖国が実施されるまで続きました。このことを事前に知って置けば、博物館などで日本の銅銭を見たり、日本の長崎とホイアンを繋ぐ地図を見たとき、子供に歴史の繋がりを教えてあげることができますよね。
せっかく世界遺産に来たのだから、雰囲気だけを楽しむのはいささかもったいないところ。しっかりとその町の歴史と文化遺産を知り、それを子供に伝えて感受性と知性を養ってください。
小舟でほっこり
バクダン通りを歩いていると、傍に広がるトゥボン川に幾つもの船がゆっくりと往来している風景を眺めることができます。実はこちらは観光としても利用が可能。バクダン通り沿いには小舟を停めて、観光客に声をかけている船主がたくさんいます。トゥボン川を数十分周遊して一隻15万ドン~30万ドン程度。ホイアンの歴史を語る上で欠かすことができないトゥボン川を風情ある小舟で周遊すると、なんだか歴史の一部に溶け込んだかのような錯覚になるから不思議です。
トゥボン川は南シナ海へと続き、かつては幾多の交易商船が往来しました。船によっては近海で沈没してしまうこともあり、その中には朱印船も含まれています。小さな手漕ぎボートは子供も喜ぶことでしょう。料金も安いので是非体験ください。
子供が嬉しい陶磁器体験
スピードボートでトゥボン川を渡ること15分程度で到着する対岸は陶磁器の町。町人のほとんどが何かしら陶磁器関連の仕事に就いていて、ここで作られた陶磁器はベトナム国内だけではなく、欧米など海外にも輸出されています。かつてホイアンの発展を支えていた陶磁器は、交易品として中国や日本など諸外国に好評でした。
ここで作られる陶磁器はとりわけ品質がいいと評判。また、子供もろくろ体験をすることができます。簡単なようでかなり難しい。ちょっと力加減を間違えると形はたちまち歪んでします。子供にとっても貴重な体験となるでしょう。もちろんお父さんお母さんも交って一緒に楽しんでください。
劇場型「ホイアンシアター」でドキドキする夜の始まり
日が暮れてきたら、ホイアンの夜観光のはじまりです。旅行者の中には日中はホイアンではなくダナンや五行山、ミーソン遺跡といった別の観光スポットに行く人もいるかと思います。そんな方も、ホイアンの夜は是非満喫していってほしいです。
こちらは「ホイアンシアター」。ホイアンやベトナムに伝わる文化、慣習、伝説などを歌と踊りで表現した劇場仕立ての観光スポットです。コミカルな表現やダンスは子供が見ても十分楽しむことができます。また、日中もホイアン観光されている方は、少し歩き疲れていることでしょう。シアター内は空調完備で座り心地のいい席となっているので、鑑賞がてら一休みすることができます。
昭和みたい!灯篭流し体験
日本もしくは中国が伝えたとされる灯篭流しの習慣。現在では毎夜多くの観光客が体験する人気の観光名所になっています。場所はバクダン通りと日本橋傍。トゥボン川に無数の灯篭が静かに流れているのが分かります。道端では子供たちが灯篭を売り、それも現在では見どころの一つ。
もちろん小さな子供でも体験することができますし、やり方は簡単。1個5000ドン(約25円)と安いので、失敗したらもう一つ買うのもいいでしょう。
ライトアップされた日本橋に、小さなろうそく明かりが灯る灯篭。実に絵になります。また、夜のトゥボン川を小舟で周遊することもできますし、あらかじめて灯篭を買っておけば、小舟の上から灯篭を流すこともできます。幻想的な夜の時間を大切な家族とお過ごし下さい。
子供も楽しめるナイトマーケット
ホイアンの夜はナイトマーケットで締めくくります。ナイトマーケットは市場と違い、子供向けのおもちゃを売る屋台もたくさん出ます。中国製、韓国製、アメリカ製、日本製など、いろんなおもちゃがありますので好きなものを買ってあげるといいでしょう。また、ナイトマーケットの周辺にはカフェやレストランもたくさんありますので、ホイアングルメやベトナム名物料理に舌鼓を打つのも楽しみの一つ。
筆者が思う家族旅行のベストな旅先「ホイアン」
ファミリーで東南アジア旅行を検討している人の中には、治安がいいことで知られているベトナムを旅先に選ぶ人も多いでしょう。ただし、ベトナム旅行の象徴ともいえるホーチミンやハノイはどちらかというと大人や女性向けの観光エリア。子供も楽しめる名所はそれほどないのが実情です。そこでおすすめなのが、今回紹介したホイアン。乾季の旅行シーズンも1月~8月までと他のエリアと比べて長いのも選択理由の一つとなるでしょう。情緒漂う世界遺産の町ホイアンに、是非子供と一緒にお越しください!