年々増加するホーチミン出張者。日本の外務省によると、ホーチミンにはおよそ1200の日系企業が進出しているとされています。外務省が把握できているだけでこの数なので、実際は1.5~2倍ほど多いのではないでしょうか。そんな日本人ビジネスマンがホーチミンへ出張へ訪れる際に戸惑うのが「ホーチミンのどこのエリアに滞在すればいいか」と言うものです。そこで、ここではホーチミン出張者に知っておいてほしい知識やホテルエリアをご紹介します。

海外出張者が望む「空港近く」はおすすめしない理由

海外出張者の多くが望む「空港近く」ですが、ホーチミンではあまりおすすめしません。空港近くには「タンソンニャットホテル」や「イースティン グランド ホテル サイゴン」といった5つ星ホテルがありますが、いずれも空港の目と鼻の先、というわけにはいきません。どちらかというと、空港と市街地の中間地点にありますので、それほど利便性は高くないのと、歩いて行ける範囲内に繁華街がないため、仕事終わりに立ち寄りたいお店に乏しいです。

何故か人気の高い中華街「チョロン」

観光地としても人気の高い中華街チョロンは、ホーチミン市街中心の1区からタクシーで20分ほど西に走ったところにある5区と6区に跨るエリアです。日本人出張者が多く宿泊するのは「ウィンザープラザ」と「ホテルエクアトリアル」の2箇所。いずれも5つ星ホテルですが、前者はディナービュッフェに定評があり、日本人だけではなくベトナム人、中国人、韓国人が取引先と食事をする場所としても知られています。後者のエクアトリアルは中華街でありながらも静かな立地にあり、非常に清潔があるモダンなホテルとなります。

ウィンザープラザは1階がショッピングモールなので周辺は騒がしいですが、ベトナムらしさは抜群です。周辺には食堂や屋台、カフェがたくさんありますし、安マッサージ店なども。ただし市街中心地に事務所があったり、工業団地に向かう方にとっては逆方向となりますので、2度目以降の出張者におすすめです。

1区の一番人気はレタントンエリア

1区中心市街地で出張者に一番人気の高いホテルエリアは「レタントン」です。日本人町のあるエリアで、3つ星～4つ星ホテルが多く建ち並び、いずれも日本人出張者が多く滞在しています。徒歩圏内に日本食店が多くありますし、観光の繁華街であるドンコイ通りまでも徒歩10分圏内。一方でベンタイン市場周辺も4つ星ホテルがいくつかあるのでおすすめではあるのですが、日本食店はあまり多くないですし、夜遊びスポットも限られているので、レタントンほど人気はない様子です。

ただし、レタントンエリアには5つ星ホテルがありませんので、「予算が余っているから5つ星ホテルが良い」と言う場合はドンコイエリアも検討できます。ドンコイエリアにはパークハイアット、シェラトン、カラベル、ルネッサンスリバーサイド、マジェスティックと5つ星ホテルがたくさん集まっています。一方、ベンタイン市場周辺の5つ星ホテルは「ニューワールド」の1箇所だけとなります。

工業団地への出張者はどこに滞在すべきか

ホーチミン出張者の中で、工業団地が勤務地の方も多くいます。ホーチミンの工業団地といえば、隣町のビンズオン省とドンナイ省に日系企業が多く入居している工業団地がありますが、いずれも町周辺がそれほど発展しているわけではありません。昨今ビンズオン省のVSIP（最も有名な工業団地）の周辺にイオンモールができて注目されましたが、正直言うとそれくらい。外国人向けの高級コンドミニアムがあるので、そこに宿泊することはできますが、料金は5つ星レベルですのでコスパは決して高くはありません。

ローカルエリアは治安が悪く、ひったくりやスリ、窃盗も多発します。そのため、工業団地周辺に滞在するよりは、ちょっと無理をしてでもレタントンやドンコイといった市街中心地のホテルに宿泊して通うのが断然おすすめです。

2度目以降の出張は多少の冒険心を出すのも有り

最初は1区内のホテルを選ぶのが無難ですが、2度目以降でホーチミンの町並みや生活にも慣れ始めたならば、カオス的な町並みのチョロンやローカル度満点の工業団地周辺エリアに滞在してみるのもいいでしょう。ホーチミンはベトナム最大の都市ではありますが、日本人からするとまだまだ発展途上。町が一つ変わるだけでがらりと雰囲気が変わるので、是非いろいろなエリアに滞在してみてください。