ベトナム中部地方における人気の観光都市であるホイアン。ダナンがビーチリゾート地として注目される前は、ここホイアンが中部最大の観光地でした。現在もダナンから車で40分ほどで行けるとあって、ほとんどのダナン旅行者はホイアンに訪れます。
ホイアンは交易時代の古き町並みを今に残しているのが特徴ですが、町の見どころを知らないと、町中をただ歩いていても「古い家が多いねえ」、「寺院がたくさんあるから、とりあえず回っておこう」程度の感覚しかないでしょう。そこで、今回はホイアンを歩くに当たっての押さえてほしいポイントをご紹介します。
旧家で日本を感じる
ホイアンの町並みを歩いていると、「なんだか懐かしい」という感覚を覚えることでしょう。ホイアンは17世紀には交易の最盛を迎え、江戸時代の日本では徳川幕府から朱印船が派遣されます。数多くの陶磁器やシルク製品が日本に持ち込まれ、多くの茶人に親しまれていたと言われています。
当時は1000人以上の日本人商人がここに暮らしていました。旧市街中央にある日本橋も彼らが設計しております。通り沿いに並ぶ家々は日本の建築様式が随所に見て取ることができ、これは日本の京都の建築技術がホイアンに伝わったものとされています。このことを知っておけば、なぜ日本人がホイアンを「古き日本みたい」と感じるかが分かりますね。
洋服店が多い理由。旅行者もオーダーメイドを
旧市街をあるいていると、御覧のように洋服店が非常に多いことがすぐに見て分かります。もちろんお土産も兼ねてですが、旅行者向けではなく、全国の服飾店に卸しているお店も多いです。洋服の買い物を当初の目的に置いていないと、見てみぬふりをしてただ通り過ぎていってしまいがち。
ホイアンはシルクを特産品として持っていて、旅行者だけではなく全国にシルク素材の洋服や生地を卸しています。シルクの洋服はシルク100%もしくは70%、50%などに分けることができますが、できればコットンやポリエステル混などがおすすめ。洗濯機で普通に洗うことができます。シルク100%は手洗いとなります。「ホイアンはシルクの特産地」であることを覚えておけば、現地で洋服店を見たときに、その理由を理解することができますね。
路地裏の何気ない一コマ
ホイアン旧市街は東西にのびる「チャンフー通り」、「バクダン通り」、「グエンタイホック通り」が目抜き通りとなりますが、注目してほしいのは、その大通り沿いから入ることができる路地裏です。ちょっと怪しげな雰囲気もあるかもしれませんが、是非足を踏み入れてみてください。
路地には大通りとは異なる風景が広がっています。世界遺産都市といっても、多くの人々がここに暮らしているので、彼らの日常の風景を目の当たりにすることができます。屋台では食事をする人々。バイクに乗って帰路につく人々、日用雑貨店で買い物をする人など......。ベトナムらしいのどかな時間を共有してみてはいかがでしょうか。
集会所を回ろう
最後はこちら。ホイアン観光におけるメインスポットとなるのが「お寺見学」です。しかし、覚えておいてほしいのが、ホイアンにあるの名所は、「お寺」、「廟」、「集会所」の3種類あるということ。これらの名所を見学するには、5枚綴りの入場券が必要となります。つまり、最初の入場料で5つの観光名所を見学できることになります。対して名所は二十数か所あるため、事前にどこへ行くか決めておくといいでしょう。
筆者のおすすめは集会所です。名称に「會舘」とあるのがそう。會舘とはホイアンに暮らす華人の人々が集う集会所で、彼らにとってはご近所さんと談笑する憩いの場。彼らがお茶を飲みながら笑い合っている様子をのぞくことができます。もちろん中華様式になぞって螺旋線香や道教や仏教の神を祀っているところもあります。ガイドブックでもお馴染みは「潮州會館」、「福建會館」、「廣肇会館」など。
見どころを押さえて悔いのないホイアン散策を
ホイアン散策は1日あれば充分。しかし、上記を知らないで行くと、日本に帰ってきたあとで、「シルク服を買っておけばよかった!」、「全然有名じゃない名所に入場券使っちゃった!」と後悔することもあるかもしれません。初めてのホイアン旅行の方は、是非ここでご紹介した見どころを思い出しながら散策を楽しんでいってください。