どんなに気を付けていても、海外旅行先で病気にかかることはあります。食べ物による赤痢菌や肝炎。蚊による感染症ウイルスなど、すべての事象を避けることは困難と言えます。ですので、これからベトナムへ行く旅行者は、万が一病院を必要とする重度の症状に襲われたとき、どうすればいいかを知っておくといいでしょう。
1、ホテルに助けを求める
旅行者がかかりると思われる重度の症状といえば、「腹痛」と「高熱」のいずれかとなるでしょう。食事をした数時間後に突然痛みだしたり、夜に高熱が発症したりします。いずれも我慢できないほどの症状であれば、感染症ウイルスの可能性もありますので、病院に行くことになります。まずは宿泊先のホテルに症状を離し、病院に行きたい旨を伝えましょう。
2、タクシーで病院へ行く
さすがに急病で困っている旅行者に対して「勝手に病院に行けば」なんて対応はありません。タクシーを手配してくれて、最寄の病院の住所をドライバーに伝えてくれます。ちなみに救急車も呼ぶことはできますが、来るまでに30分以上時間がかかるため、旅行者にとってはあまり使い勝手がよくありません。普通にタクシーで行くのがいいでしょう。
3、ベトナムの病院は前払い制
ベトナムの病院は日本と異なり、すべて前払い制となります。例えば最初に診察をするのであれば、診察代を払って医師にかかります。その後注射やレントゲン、検便などをする場合も同様に、事前に前払いしたのち、レシートを持って診療室に行きます。
4、海外旅行保険の適用の有無
海外旅行保険は万能ではありません。すべての病院で使うことはできませんので、海外旅行保険に加入した段階で、自分の行先の保険適用の病院を調べておく必要があります。基本は日系含む外資系となります。24時間対応とそうでないところがあるので、診察時間や休日も控えておきましょう。
海外旅行保険では基本は一番安いプランでも大抵の医療費は賄うことができます。ただし、絶対に確認してほしいのが「キャッシュレスの有無」です。例えばいまどきの銀行キャッシュカードには海外旅行保険も自動的に付帯されていますが、これらは後払いとなります。赤痢菌に襲われて診察、検便、1日入院しただけでも、医療費はおそらく8万~15万円ほどかかり、手持ちでは足りないことも多々あるでしょう。そのため、必ずキャッシュレスかどうかを確認してください。
5、医師による診察
支払い及び保険の手続きが終わり、問診を経て医師による診察となります。日系でない場合、日本語は期待できませんが、基本的な英語は通じます。また、場合によっては日本語ができるベトナム人が在籍している場合もあります。簡単なベトナム語もしくは英語による病気の単語は覚えておくのがいいかもしれませんね。
6、入院は1日にする
病院側としては、病気が治るまで入院してほしいところ。しかし、入院すればそれだけ費用もかさみますし、帰国日も着々と迫ってきます。できれば入院は1日程度が無難でしょう。また、帰国時は空港でイエローカードをうけとってください。
7、帰国後はイエローカードを持って医師にかかろう
日本に帰国したら、まずは病院にかかりましょう。熱や腹痛は収まっても、感染症ウイルスであれば、しっかりと完治させなければなりません。日本の病院にかかるとき、受付でイエローカードを出してください。これによって医師は「この患者は東南アジアに旅行して病気にかかった。だから感染症ウイルスの疑いがある」と察することができます。おそらく英語かベトナム語が堪能でない限り、ベトナムの病院では自分の細かな症状は分からないかと思いますので、ここで改めて把握しておくのが大切です。おそらく腹痛であれば検便、高熱であれば血液検査により確認することとなるでしょう。
実際患者のほとんどは単なる腹痛や風邪
とはいえ、それほど感染症を心配する必要はありません。多くの旅行者が現地で腹痛や謎の高熱にうなされることがありますが、その多くは食べ過ぎや、普段食べ慣れてないものに対しての刺激による腹痛です。また、高熱も冷房が強く効いたホテルやレストランなどの屋内と、蒸し暑い外との気温差だったり、熱中症だったりすることが大半です。とはいえ、自分ではなかなか判断はできませんので、もし重度な症状が表れた場合は、ここで紹介したプロセスを参考にしてください。