PHトラベルはベトナムのハノイ、ダナン、ホーチミンの三大都市に拠点を置く現地密着型の旅行会社。ツアーガイドを務めてくれるベトナム人ガイドはその土地で生まれ育った人を主に採用しているため、現地の観光情報、穴場情報に精通しているのが特徴。日本人旅行者に多大な支持を集めている人気の旅行会社です。
PHトラベルには日本人も若干名勤務しています。そこで、今回は日本人の社員さんに直撃インタビュー。
ベトナムで働く日本人
日本人社員Aさんはベトナムの在住歴8年。一度日本に帰国していて、最初に来たのはさらに数年遡るとのこと。ベトナムはアジアの中で比べてもまだ新興国。特に十年前といったらまだまだ観光地としては未成熟の国。
そんなときからベトナムに思いを寄せ仕事をしているAさんは、現在はハノイで充実した毎日をおくっているとのこと。
筆者「PHトラベルで働く前は、ベトナムでなにをしていたんですか?」
Aさん「実は以前の職場も旅行会社でした。1年経たないうちにやめて、一度日本に帰ってきたんですけど、やっぱりベトナムが忘れられなくて、また戻ってきちゃいました」
筆者「しかも、また旅行会社ですね(笑)」
Aさん「多分肌に合っているんでしょうね」
筆者「ホテルや旅行会社に好きで働いている人は、そこをやめても再び同じ職種に就くといいますね」
Aさん「本当にそうだと思います。その点では、いまの旅行会社に採用してもらって感謝ですね。日本人社員の数が少ないのでそれだけ仕事量は多いですが、その分責任ある仕事を任せてもらえますし、自分にある程度の決定権をもらっているので、やりがいがあります」
ベトナムにおける休日の過ごし方
仕事に対して熱く語り、そこから滲むのは強い責任感。しかし、片時も仕事を忘れない......というわけではないようです。きっちりとオンとオフを切り替えるのも仕事の秘訣であり、毎日を充実させるコツなのだとか。
筆者「この仕事をしていると、休日なんてあってないようなものかなと思うのですが、実際の様子を聞かせてもらっていいですか」
Aさん「そうですね。ただ、実のところしっかりと休ませてもらっています。1人の日本人に負担をかけないため緊急連絡先をいくつも用意しています。ですので、何か問題があっても他のスタッフが解決に当たってくれるので安心してオフを楽しむことができます」
筆者「なるほど。休養も大切ですからね。それでは、休日はAさんはどのようにして過ごしているんですか?」
Aさん「サッカーですね。僕が住んでいるハノイは日本人も多く暮らしているので、在住者で作る日本人サッカーチームに参加しています。ベトナム人サッカーチームとも試合をしたりします。それ以外だと部屋の掃除をしたり、映画を見に行ったりと、まあ普通ですよね」
筆者「日本と違って遊ぶ場所はそれほどないですからね」
Aさん「そうですね。日本にいたときは休日に1人でカフェでボーっとしている時間なんて考えられませんでしたから。8年経ったいまでも自分が置かれている状況が不思議だなと感じることがあります」
これからベトナムに訪れるビギナー旅行者に向けて
近年観光インフラが大分整備され、ベトナム全体をあげて旅行者誘致が盛んに行われています。また、2013年には日越友好40年を迎え、また2018年現在ではハノイとホーチミンだけではなく、中部ダナンも直行便で繋がるようになりました(東京と関西のみ)。
毎年日本人旅行者数が増えているベトナムですが、中には旅慣れない旅行者も多いとのこと。
Aさん「ベトナムは治安がいいですし、日本からも近いので、初めての海外旅行先にベトナムを選ぶ人も多いようです」
筆者「ではベトナムが初めてのビギナー旅行者の方々に、海外旅行を楽しむ上でのポイントなどを教えていただいてもよろしいでしょうか」
Aさん「そうですね。まず言いたいのは、海外には海外の良いところと悪いところがあるということですね。日本と同じ感覚で観光されると苦労することは多いのかなと思います。アメリカやヨーロッパのような日本と同じ先進国であればギャップは小さいのですが、東南アジアはやはり日本とは大分違います。理不尽なこともあれば、不便なことも多々あると思います。それらも含めて異国の習慣や文化、雰囲気を楽しんでもらえたらなと思います」
筆者「なるほど。確かに日本と比べるとどうしても納得いかないことは滞在中出てきますよね。でも、それも含めて海外旅行の良さってことですね」
Aさん「そうですね。日本人旅行者とお話すると、よく聞くのが「日本は〇〇だよね」というようなこと。でも日本と比べるのではなく、その国の良さやおもしろいところを見つけてほしいのが僕の願いです。そうしたら、ベトナムという国がふと面白くかんじるものです」
在住歴の長いAさんならではの視点
ベトナム在住者の中でも、「日本と比べてベトナムは〇〇だ!」という人は多くいます。しかし、在住歴が長く、毎日ベトナムとそこに暮らす現地人と接しているAさんは、非常に大らかな目線で彼らを見ているのが分かります。
そして、それこそが海外を楽しむ一番大きなポイントなのかもしれませんね。