ベトナム中南部、少数民族が暮らす町として知られているバンメトート。少数民族の中でもエデ族やムオン族、ムノン族、ザライ族の一部は、積極的に山岳を降りて市街地でベトナム人や観光客と経済交流を図っています。
今回紹介する「ハイムオン」はその中のムオン族が経営する異色のレストラン。少数民族のレストランでは多民族国家であるベトナムでも非常に珍しいです。観光で訪れた際はマストで足を運んでいってください。
アクセス
ハイムオンレストランは市街地の比較的中心部にあるので、外国人観光客にとってもアクセスがいいです。市内には流しのタクシーがたくさん走っているので、タクシーに乗って5分から10分程度で行くことができます。同店がある周辺は御覧のような大衆レストランが幾つもの並んでいるレストラン街となっています。他にも現地人向けの鍋レストランや焼肉店などもあるので、気が向いたらのぞいてみるのもいいかもしれません。
毎日大賑わいのハイムオン・レストラン
レストラン街の中でも、このハイムオンレストランは連日大賑わい。観光客に最も人気のレストランです。ベトナム人にとっても、少数民族が経営するレストランというのはかなりの異色。現地人含めて多くのベトナム人がここに訪れて、彼らの民族料理を嗜んでいきます。
店長とお話する機会があったのですが、「ここにはよく日本人も来るよ。おかげで日本人と韓国人の見分けもつくようになった」と笑って話してくれました。日本人にとってバンメトートはコーヒー豆の仕入れ場所として知られていて、2年に1度のコーヒーフェスティバルには日系企業からも多くのバイヤーが来るそうです。
ちなみに、同店で働くスタッフの半分はムオン族で、残りの半分がキン族(ベトナム人)とのこと。ムオン族はベトナム語が堪能なので、このような下界でお店を開くこともできるのでしょうね。ただ、パッと見ただけではベトナム人であっても、そのスタッフがムオン族なのかどうかは見分けることはできません。これもムオン族の素肌の特徴となります。
民族料理を堪能しよう
竹の中にもち米を詰めて、炭火で焼いたこちらはコムラムと呼ばれる料理。バンメトートでは比較的どこでもお目にかかれる一品で、観光スポットに併設されているレストランではまず間違いなくメニューにあります。竹を手で割いて出てくるもち米はこんがりと焼き色がついて見た目からしておいしそう。特に味付けはされていないシンプルな料理です。
カーボンと呼ばれる淡水魚を具にした鍋料理。トマトベースで酸味が少しだけあります。他は香草など野菜をふんだんに入れるヘルシー料理となります。それほど味にクセはなく、どちらかというと薄味ですが、日本人にとってはいままで食べたことがない味かもしれません。
こちらはヘオルンと呼ばれるイノシシ肉を使った串焼き。高原地帯のタイグエンに暮らす少数民族の多くの家族は家でイノシシを家畜用に飼っています。イノシシ肉は日本でも郷土料理として食べることができるので、それほど珍しくはないかもしれませんが、ムオン族独特の味付けは試食してみる価値があります。クセのある料理が苦手という方でも、こちらは問題なく食べることができるでしょう。
一度は行ってほしいレストラン
バンメトートにはそれほど多くのレストランがあるわけではありません。また、あっても日本にもある焼肉店や、ホーチミンでいくらでも食べることができるベトナム料理が主。もし一日しか滞在しないのであれば、最後の晩餐で同店を選ぶ価値は十分にあります。
<DATA>
名称:ハイムオン(Hai muong)
住所:8 Ama pui St.