ハノイ市の中心にあるホアンキエム湖。旅行者にとってはガイドブックにも見出しで紹介されている観光のハイライトでもあります。ただし、現地人にとってもただの湖ではありません。ベトナムの古き伝説が残っていたり、伝説の武将を祀った寺など由緒正しき歴史がある貴重な場所。そのホアンキエム湖は夜も活発で、多くの外国人、現地人の憩いの場所として人気があります。
今回はホアンキエム湖の夜を歩いてみたいと思います。
古き町並みは幻想的な風景へと変わる
まずはホアンキエム湖の周辺から紹介。湖があるのは観光エリアの中心にあるため、周辺には主要観光スポットが多々あります水上人形劇や旧市街、ハノイ大教会などはその象徴的存在です。また、フランス統治時代を思わせるコロニアル建築物や、近代的な施設も見ることができます。ベトナムの首都であるハノイは、皆さんが思っているよりも、ずっと発展している都市かもしれません。
ホアンキエム湖北部の風景。この周辺で最もさかえているところと言えるでしょう。現地人と外国人双方が夜遅くまで行き交い、古めかしい建物にはカフェやレストラン、雑貨店などがひしめき合っています。水上人形劇の夜の部を鑑賞予定の方は、来場時間になるまではこの界隈で時間を潰すことになります。冷房付きのカフェで談笑したり、ホアンキエム湖を散歩したりするといいでしょう。
夜の玉山祠は雰囲気が違う
こちらは湖に浮かぶ玉山祠と湖畔を繋ぐ橋。昼間はなんてことのない橋ですが、夜になると幻想的にライトアップされ、人々の撮影スポットになっています。どこからでも見ることができますが、自分なりの最高のアングルを見つけて記念撮影に臨んでみてください。
玉山祠は関羽やチャンフンダオといった戦国の武将のほか、大亀のはく製を見学することができます。こちらも夜になると御覧のように橙に染まり、その幻想的な風景は近くから見ても遠くからでも美観です。11世紀にはすでにこの島が存在していたとされているので、1000年以上の歴史があるといえます。
シクロに乗って湖を散歩
湖の周辺には多くのシクロが止まっています。向こうからも積極的に声をかけてくるので、もし興味があれば体験してみましょう。シクロ散歩は湖に沿って一周するもので、所要時間は30分ほど。現在では外国人くらいしか利用しないため料金は高く、一周で10万ドン程度となります。一応二人乗りをすることもできます(膝の上にのる形で)が、その場合は合計料金で値切りましょう。基本は一人でも二人でも10万ドンです。なかなか話し合いがはかどらない場合は歩み寄ることも必要ですが、それでも15万ドンを超えない程度で交渉してください。
恋人夫婦はロマンティックな時間を
湖の縁に座って肩を並べるカップル、夫婦は傍から見ていて非常にロマンティック。ただただ湖やライトアップされた玉山祠、行き交う人々の雑踏を見るだけでも普段とは変わった時間を楽しめます。少なくとも日本ではこのような時間を日常で味わうのは難しいのではないでしょうか。ちなみに、ホアンキエム湖と並んで日本人に人気の「タイ湖」も散歩スポットとしては魅力ですが、いかんせん面積が広大なので、夜の散歩はいささか夜道に不安を覚えます。一方ホアンキエム湖は観光の中心なので、どこを歩いても多くの人でにぎやか。遊歩道も幅広いので安心して散歩することができます。
夜のホアンキエム湖を楽しむ
「まるで昭和のよう!」とホアンキエム湖の夜の風景を見た方はいいます。若い学生がくったくなく散歩し、風船売りやアイス売りに喜々と寄っていく子供たち。確かに日本の都会では見られなくなった懐かしい風景がここにはあります。だいたい23時過ぎまでこの賑わいは続き、特に週末は多くの現地人が行き交います。
こちらは移動販売車。毎夜湖の周辺で物を売っています。こちらではアイス、サトウキビジュース、チャースアと呼ばれるミルクティーを主に販売。どれも75円~125円程度と現地価格なのも嬉しいですね。
また、23時以降も湖北部のカウゴー通りやハンダウ通りは人の流れが続きます。共にホアンキエム湖周辺であり、旧市街の入り口となりますが、カウゴー通りはツアーデスクやゲストハウスなどがあるため外国人が多く、ハンダウ通りは靴屋が並ぶ通りなので現地人が多く歩いているなど、通りによって特色がかなり異なります。
ホアンキエム湖で旅の満足度をワンランク上に
日中は博物館や郊外エリアを楽しみ、夜はホアンキエム湖の周辺散策をするのはいかがでしょうか。活発に動いた昼とは異なり、夜はゆっくりとした時間を満喫するのがおすすめ。ベトナムの時間、空気、風、風景を快くまで体感していってください。