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カンボジア旅行で知っておくと便利な10個の知識

海外旅行では、日本とは全く異なる環境や異文化を体験するのも楽しみの一つですね。しかし、現地の観光名所や名物料理だけを調べていて、奥にや現地事情を知らないで行くと、もしかしたらプチトラブルに見舞われるかもしれませんよ。日本では考えられないこともありますし、ちょっとした先入観が誤解を招くことにもなりかねません。

今回はカンボジア旅行者に漏れなく知っておいてほしい10の知識をご紹介したいと思います。

知識①:カンボジアには市内を走る電車はない

@Wikipedia

カンボジアには2017年現時点で市内を循環する列車はありません。長く続いた内戦で線路も破損被害を被り、また地雷の危険性もあることから列車は長距離列車のみで、しかも1日~1週間に1本と、ほぼ廃れているのが現状。復旧の目途はありませんが、2016年にプノンペン~シハヌークビル間の列車が運行再開しました。実に14年振りとのことです。

これが何を意味するかというと、「複数都市を周遊する際は長距離バスか空路しか方法がない」ということ。例えばシェムリアップとプノンペンの二大観光エリアを回るとすると、飛行機であれば1時間で行きますが、バスであれば6時間かかります。

知識②:メインの移動は「トゥクトゥク」。タクシーの利用頻度もほぼ無し

気の良いドライバーを見つけたら、早速交渉を

物価安の東南アジアではベトナムでもタイでもマレーシアでもインドネシアでも、どこでも専らの移動手段はタクシーですね。しかし、カンボジアはこのタクシーも普通に乗ることはありません。カンボジアにおいてタクシーは電話で呼び寄せるものであるため、流しのタクシーはほぼ走っていません。そこで、旅行者のメインとなる移動手段は御覧のトゥクトゥクです。普通のバイクに座席をくっつけただけですが、これに乗って観光することになります。二人乗り用と4人乗り用があり、交渉する際は一人当たりの値段なのか、全部の値段なのかをしっかりと明確にしてください。かなりの確率でぼったくられます。

また、トゥクトゥクは流しも多いですし、日本人が宿泊するようなホテルの前にもたくさん停まっています。また、ホテル側が契約しているトゥクトゥクも利用することができます。

知識③:「無料」でもチップは必要

親切なドライバーにはチップも

例えば、ホテルを予約するときに「空港からトゥクトゥクの無料送迎あり」、「ホテルからパブストリート間の送迎何度でも無料!」と謳ったサービスをよく見かけます。日本人からすると、「一切お金を払う必要なく利用できる」と考えがちですが、ここでいう無料とは、「ホテル側はお金を受け取りません」という意味。別に発生する"ドライバーへのチップ"は払う必要があります。もし送迎が有料であればチップも不要ですが、そうでない場合、ドライバーは無報酬で働くことになります(ホテル側はドライバーに給料はわたさないため、ドライバーの収入はチップのみ)。気持ちの問題ではありますが、ささやかな謝礼として1~3ドル程度(距離によって異なる)わたすと喜んでくれます。

知識④:チップは相場。サービスチャージがあれば必要なし

チップの習慣がない日本では、海外旅行に不慣れだと決まって困ってしまいますね。また、カンボジア旅行において気を付けてほしいことは、チップは支払い料金によって変動するものではないということです。欧米旅行に慣れている方だと、レシートに記載されている支払い金額に対して10~20%をチップとして置いておきますね。しかし、カンボジアではそうではなく、例えばマッサージ店であれば1ドル、高級レストランであれば2ドルといったように、お店スタイルによって変わります。また、チップを執拗に要求するスタッフも中にはいるので、そういったときはマネージャーを呼びつけるなり、断固として支払いを拒否する姿勢も大切です。チップはあくまでも謝意です。

知識⑤:カンボジアの通貨はリエル。でも普通の支払いは米ドル

細かいドル札はたくさん持っていくと便利

カンボジアの自国通貨はリエルで、もちろんカンボジア全国で使える公式貨幣です。しかし、実際現地で利用頻度が高いのは米ドルとなります。カンボジアリエルは長年の内戦から通貨信用を失っているため、カンボジア人もリエルより米ドルでの支払いを要求してくることが多々あります。リエルを利用する場面は、1ドル以下の支払いやお釣りのときに使う程度。もちろんリエルでの支払いができないわけではありませんが、リエルは国内でしか使うことができませんし、両替所でリエルから米ドル、もしくは日本円への両替を拒否される可能性もあります。米ドルであれば日本からでも調達することが可能ですし、もし第三国に経由してカンボジアへ行くならば、立ち寄る空港でも米ドルは活躍しますので、あえてリエルに両替する必要はないかと思います。

知識⑥:「南国」、「常夏」をイメージするが、朝晩は寒い日も多い

パブストリート、夜の光景

熱帯気候に属するカンボジアは年間を通して晴れ間が続く乾季とスコールが降る雨季に分かれ、明確な季節はありません。まさに南国という言葉が似合う国ですが、実は24時間猛暑が続くわけではありません。確かに最高気温は年間を通して30度を下回りませんが、早朝や夜遅くになると、時期によっては肌寒く感じたり、ジャケットが必要になることもあります。もっとも気温が下がるのは乾季である12月~2月、3月まで。3月中旬から4月からは徐々に気温が上がってきます。もしこの期間に旅行を計画しているのであれば、上に羽織る長袖を持っていくと便利でしょう。

知識⑦:カンボジア人に政治とベトナムに関する話はタブー

ついついしてしまいがちな会話も......

カンボジアといえば、大量のジェノサイドを行ったクメールルージュ、およびそれを率いたポルポト政権が有名ですね。現地のカンボジア人と仲良くなって、しばしば彼らが聞いてくる質問が、「カンボジアに関して何を知っていますか?」というもの。これに対して「ポルポト政権」、「クメールルージュ」と答えたら、彼らは「やっぱり......」となりますし、また公で現在の政府などを批判するのは良しとはされていません。

また、ベトナムはポルポト政権から国民を解放に導いたという人もいますが、カンボジア人からすると、「頼んでもいないのに何ででしゃばるんだ」というもの。昔からベトナムとカンボジアは日本のそれと同じように、決して仲が良い関係ではないので、外国人はあまり両国に関して自分の意見を主張しないようにするのがいいでしょう。

知識⑧:国際運転免許証を持っていても警察に捕まる場合がある

カンボジア人のメインの移動手段はバイク

カンボジアは国際運転免許証を持っていれば、法律的には免許証の切り替えの必要なくバイクの運転が可能となります。カンボジア現地人ののメインとなる移動手段の一つであり、観光客や在住者の中にもバイクを運転する人は多くいます。しかし、国際運転免許証を持っていたとしても、実は運転中警察に捕まってしまうことがあります。それは、警察が国際運転免許証の法令を知らないことが多いからです。その場合はいくら説明してもなかなか分かってもらえませんし、罰金を支払うことを拒否し続けると、最悪バイクを没収されてしまうこともあります。現状は素直に罰金を払う方法が最良とされています。

知識⑨:ホテルやツアーデスクで日本語ガイドを雇うのが流行っている

タイと同様手を合わせるのが挨拶

カンボジアを観光する際は、旅行会社が主催するツアーに参加するか、個人で旅行計画を立てるかのいずれかとなります。ツアーに参加する場合は、移動も食事もガイドも旅行会社が用意してくれるので手間はかからないのですが、個人の場合は行く場所からトゥクトゥクの手配、食事をする場所まで決める必要があります。また、遺跡巡りをする場合は日本語による説明が非常に心強いです。

そこで、現在シェムリアップで流行っているのが多言語対応のツアーガイドです。たいていはホテルもしくはツアーデスクで手配することができ、通訳として利用することができます。もちろんツアーガイドなので遺跡の歴史にも詳しいですし、日本語レベルも高いです。個人で観光される方は、こちらを利用してみるのもいいかもしれませんね。

知識⑩:服装制限はかなりアバウトなので注意が必要

遺跡巡りの際はストールが何かと役立つ

格式の高い仏教寺院やヒンズー教寺院といった遺跡内部への入場は服装の制限が設けられています。アンコールワットも新たに服装の制限が設定され、ミニスカートや短パン、ノースリープ、タンクトップといった肩や足を大幅に露出している服装は入場禁止措置を受ける可能性があります。しかし、これは絶対ではなく、また一人一人係員による厳重な服装チェックが行われているわけではありません。係員が目に付いた観光客を呼んで服装を指摘するような感じです。言い替えればいつどの遺跡で服装を指摘されるか分からないので、「大丈夫だろう」と高を括らないで、できるだけ露出を避けた服装で臨むのがいいでしょう。また、ストールは普段羽織っても紫外線、日焼け対策になりますし、短パンでチェックが入った場合はストールをコシに巻いて肌を隠すと入場できることもあります(絶対ではありません)。できるだけ大き目を持っていくのがいいでしょう。

カンボジアをより知って、より満足する旅へ

異国の地へ旅する場合は、事前準備が大切です。ガイドブックに記載されている情報はもちろんのこと、ネットなどで現地情報をできるだけ多く収集するのが、旅の満足度を上げるポイントとなります。

著者プロフィール

ペンネーム: サイゴンの便り
学生時代にベトナムの民話と民族を研究して以来、毎年一回はベトナム旅行を楽しむように。そして、2011年に念願だったベトナムへの移住が決定。現在はトラベルライターとして、ベトナム各地の観光情報を読者にお届けしています。旅行者が寄り付かないようなローカルエリアに住んでいるので、毎日のんびりとした素朴な時間をおくっています。趣味はバドミントン。

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