お問い合わせ

コンテンツ

味の違いは素材の違い。ベトナム料理店「チャオエム」

「おいしいベトナム料理店が最近ベンタイン市場の近くにオープンした」という噂を聞きつけて向かってみました。なんとそのお店を経営している女性は、かつてアカデミー賞を受賞した有名女優。ベトナムの伝統を重んじて、本当においしいベトナム料理を外国人に食べてほしいという願いを込めて作られたこちらは、正統派ベトナム料理が食べられるレストラン。

今回は有名女優が経営するベトナム料理レストラン「チャオエム」をご紹介します。

アクセス

ベトナムのノンラ―を被ったロゴが印象

レストラン「チャオエム」の場所はいたって簡単。ベンタイン市場の裏手を縦に走るトゥーコアフアン(Thu Khoa Huan)通りを歩いた先です。このトゥーコアフアン通りもベンタイン市場周辺散策のメインストリートとなります。カフェ、レストラン、ツアーデスクなどが建ち並び、ホテルは3つ星の中級レベルが並んでいます。200mもない短い道ですが、道中は東西を走るリートゥーチョン通りの交差点もありますので、そのまま同通りを渡って市民劇場方面に行くこともできます。

温かみのある内装

すべてにオーナーのこだわりがある

2階建ての店内は木目調の内装。ベトナム国内の風景絵画や肖像画がかけられてあったり、緑豊かな観葉植物が咲いていたりと、温かな気分にさせてくれる雰囲気があります。

ゆっくりとくつろぐことができる

奥行のある店内はベトナムの一般家屋と同様の造り。また1階奥は厨房になっていて、驚くほど清潔なのは、衛生事情が悪いというベトナムのイメージを変えたいからとのこと。

夜は2階席もおすすめ

日中は光が入り口からたくさん入る1階席が温かくていいのですが、夜はソファ席完備の2階席も捨てがたいところ。ドリンクのみも問題ないので、ベトナム人カップルも多く利用するとのこと。カフェに御覧のようなソファ席があるのはベトナムでは普通ですが、レストランにあるのは稀。

名女優イザベラさん

数々の本に紹介されている

イザベラさんは、かつてはベトナムアカデミー賞を受賞したトップ女優でした。その後ベトナム戦争の終戦直前にアメリカに渡り、アメリカでも女優として幾多のドラマや映画に出演。近年はベトナムに帰国し、ベトナムの文化と伝統を国内外に伝える発信者の役目を自ら買って出ています。

また、過去にもベトナム料理レストランの経営経験があり、フォースア(Pho Xua)という高級店は当時ホーチミン市内では注目を浴びていました。

装飾品はバッチャン焼きで統一

ⒸChao em

店内に飾られている美しいグリーンセラミックの食器は"バッチャン焼き"と呼ばれている陶器。チャオエムでは、料理を盛り付ける食器はすべてバッチャン焼きで統一しています。このバッチャン焼きはベトナム北部にあるバッチャン村で作られたもののみを指します。かつては諸外国との交易品として重宝され、また時代の中では皇族に親しまれ、宗主国への朝貢としても作られていました。

昔ながらの照明も味がある

オーナーのイザベラさんは、"ベトナムらしさ"というものを強く意識しています。このベトナムらしさというのは、ベトナムで古くから続く習慣であったり、伝統であったり、文化であったりします。アメリカ在住歴が長いイザベラさんの心の中には、常に母国であるベトナムが傍らにあったと言います。旅行者の皆さんが思うベトナムらしい光景というのも、数百年、あるいは数千年のベトナムの歴史が地道に作り上げた一端であります。そう考えると、たかが照明、たかが食器であっても感慨深いものがありますね。

みんなが笑顔でいられるように

ベトナム北部山岳民族の子供たち

「Chao em=こんにちは」というベトナム語の意味。ベトナム語ではおはよう、こんにちは、こんばんはのような時間による挨拶の違いはありませんので、どんなときでもChaoとなります。

「挨拶をされたら、する方もされた方も自然と笑顔になる。現代のベトナム人は少し忘れてしまったよう」というイザベラさん。日本にも共通していることかもしれませんね。

食材はオーガニックを使用

チキンたっぷりのコムガー(チキンライス)

肝心のメニューはベトナム人が日ごろから食べる定番料理を上品に仕上げています。一味も二味も違うおいしい味に仕立てることができているのは、オーナーの食材のこだわりのため。普通のお店では、食材はまとめて業者に依頼するか、市場で購入します。しかし、それでは産地も分からないし鮮度も低いとオーナーは首をかしげます。

ⒸChao em

そのため、食材はすべてオーナーが選定した農家から仕入れています。ベトナムにも日本のように野菜に旬はありますし、特においしい野菜が育つ産地もあります。そのため、一つの業者や場所で仕入れるのは不可能。そういった料理へのこだわりがしっかりと伝わる味となっています。

料理は日本のガイドブックにも載っているフォーやバインセオ、生春巻きといった王道どころはもちろん押さえていますし、ベトナム人が日ごろから親しんでいる庶民派料理も揃えています。おいしいベトナム料理を食べたい方。ベトナム人がいつも食べている料理を食べたい方は、是非一度チャオエムに足を運んでみてください。

<DATA>

名称:チャオエム(Chao Em Viet Bistro)
住所:43 Thu Khoa Huan St. Dist.1
営業時間:7:00~22:30

著者プロフィール

ペンネーム: サイゴンの便り
学生時代にベトナムの民話と民族を研究して以来、毎年一回はベトナム旅行を楽しむように。そして、2011年に念願だったベトナムへの移住が決定。現在はトラベルライターとして、ベトナム各地の観光情報を読者にお届けしています。旅行者が寄り付かないようなローカルエリアに住んでいるので、毎日のんびりとした素朴な時間をおくっています。趣味はバドミントン。

カテゴリー別記事一覧

PHトラベル PHトラベル
ハノイ ハノイ
ホーチミン ホーチミン
メコンデルタ メコンデルタ
ムイネー ムイネー
ダラット ダラット
ニャチャン ニャチャン
ダナン ダナン
ホイアン ホイアン
フエ フエ
その他 その他
ベトナムの基礎知識 ベトナムの基礎知識
カンボジアの基礎知識 カンボジアの基礎知識

月別記事一覧